次に行ったのは王家の谷
歴代の王のお墓がある岩山
合流したツアー客にけっこう日本人がいて、最初から私と同じ車に乗っていた1人旅のKさんと、他にも女性のAさん、男性のDさん、さらには仕事でエチオピア在住のご夫婦も。
話しかける前の雰囲気から感じでいたが、話しかけたらやっぱり素敵な、話の合いそうな方達だった。
旅人との出会いがある国と無い国があって、私はずっと、エジプトは、必ずそういう人たちに会える場所だと確信していたので、だから1人旅にしたのもあった。
でもカイロでは、日本人はたくさん見かけるけど、バックパッカーというよりはスーツケース持ってる雰囲気のツアー客みたいで、まだ話したことはなかった。この旅の中で必ずその出会いはある そう信じてたらやっぱりそれがこの日でした。
いくら英語が話せても、笑いのツボやら、早く打ち解けて楽に話せるのはやっぱり母国語の日本人同士。私はパリでも日本人に飢えてたから、やっぱりいいなと思えた。
ところで、この王家の谷。窓口がハイパー効率悪くて、おそらく1時間近く並んだ。このツアー、段取り悪いから絶対時間押すんだろうなともう思ってたけど、ガイドのおやじが、中に入ったあとに、また遺跡までのゴルフカーのチケット買う段取り悪すぎて、自分でお金回収しといて誰から回収してないかわからなくなったり、チケット一度配布してからまた回収したり、頭が悪いのだが、そのおやじが歯が抜けててかわいい笑顔なので、キャラで許されてしまう。みんなももうわかってて笑っている。そしてオヤジは 「全員いるか?」と雑な確認をして突き進み、ゴルフカー乗ろうとしている他の団体の前を強引に割り込んだ割に、割り込み切れてなくて失敗。結局次のゴルフカーに乗ろうとするが、これも全員乗り切らず、漏れた私と他2名の三人で次のゴルフカーに回され、そしてオヤジは乗車チケットが足りないだの、我々のグループは何枚だったか だの あの1時間のチケット待ち時間に予めやっとけばいいものを、今更ジタバタとテンパっている。
面白すぎて、『このガイドのおやじ、今日初めてここに来たんじゃない?』と皆で爆笑。
ようやく乗って降りた先では、今度はオヤジは間違えて、まったく関係無い他の日本人の男3人組に声をかけて、ガイドしている。その姿に私たちはずっと笑っていた。
ゴタゴタしてたくせに、急にスイッチ入ったようにオヤジはガイドを始めた。そういえばこの人ガイドだったんだっけ と思い出した。オヤジの面白かった言い方は、歴代の王の名前の『1世 3世』というのを『No.1 No3』と言うところだ。確かにわかりやすいが。
その入り口も穴開けパンチを持った人がテキトーに対応してるので、これはピラミッドのチケットでも入れるんじゃねーかと思ったが、このお墓では、64体の墓があるらしく、その中で3つ選んで見学することができるらしい。なるほどだから穴開けパンチで開けていたようだ。
推しメン3つなんて選べないと思ったが、勝手に3と4と9になった。
中に入るとすぐに色付きのレリーフがこれまで見たことなかったので目を引いた。
奥に行けば行くほど熱くなったのが不思議。外気が塞がれるからか。
3つの墓はどれも同じだと思ったらちゃんと少しずつ違っていた。
オヤジは少しだけ説明するのみで、後は放置。皆英語圏じゃないから正直そこまで説明聞いておらず、後から調べるパターンだと思うが。
にしてもこれでガイドって、私でもできるわ。
むしろもっとちゃんとできるわ。それでも許せてしまうエジプト。
全然目立たない竹の棒を持っているのですぐはぐれる。そして茶色いジャケットスーツ着てそれを持っているから、竹刀持った昭和の教員に見える。
みんなも10ドルの安いツアーだから最初から期待はしていないのか、心が広いのか、エジプトをわかっているのか、そしてオヤジの雰囲気からか、誰も怒らず笑っている。
チケットに並んだせいでかなり押したようで、この時点で13時過ぎ。休憩全く無いまま進んできて、さすがに皆も疲れてるだろうが、オヤジ達のテキトーなペースに身を任せ、次こそはランチと思いきや、もう一つ近くに神殿があるからそこに行ってからだと言う。
その間にオヤジはブッフェのランチ代を徴収し、観光客に借りたボールペンで、私たちの名前と支払った人たちのチェック。あの紙絶対無くしそうだよね、、と予測する私たち。写真撮っておいてあげるか、誰か助手に回らないと心配だね と爆笑。
ヘロヘロのまま、最後の神殿に向かうと、小さいと言われていた神殿はとても立派だった。こんなことなら休憩挟んでから来て欲しかったが、そんなこと考える人たちでは無さそうなのはわかってる。せめでこの時期だから誰も倒れなかったが、夏もこんな行き当たりばったりペースでやってんのかと心配になる。
にしてもカイロよりルクソールは気温が5℃くらい高い。だから喉も乾くし、初めて半袖になった。
オヤジはランチ代のお釣りが無いから後で渡すと私に言った。ぼったくりはしない人だろうけど、忘れられそうで非常に心配なので、無理矢理50ユーロを渡して100ユーロ返してもらった。
案の定オヤジはその後何回も「まだランチ代をもらってない人がいる」とか叫びながらみんなのところを回っていたが、私のところにも来て、払ったか?と言うので、何のために名前に印つけてたんだろか と 把握できていない。
最後の神殿終わったところでようやくランチ。
ツアーが終わるのは15時のはずなのに15時にランチ。
他のみんなは後半に東側、私が昨日1人で笑った辺りもツアーで行くらしいので、こんな日程で本当に大丈夫なんだろかと思ったが、ランチ以降は急かされて向かうことになった。
ランチは10ドルの旅行客用ブッフェ。ナイル河沿いの綺麗なフードコートみたいなところだった。食べたかったモロヘイヤのスープが美味しかった。しかしだいたいエジプト料理はわかった。あまり種類は無さそうだが、普通に美味しいし、いつも野菜いっぱいで身体には良さそうで好感持てる。あの糸の小麦粉ケーキも食べた。
ツアー最後に良かったのは、狙ってるのかそうじゃないのか、東側まで車で戻るのではなくて、そのブッフェ会場すぐ目の前からボートでナイル河対岸に渡れることだった。すごく綺麗で気持ちよかった。カイロとは違い、ルクソールはいい。
乗る時頭ぶつけてめちゃ痛かった。なんか最近頭上注意だ。
シレっと一つ遺跡をカットしていたらしく、それに気付いた韓国人の子がガイドに言って、後で個別に連れて行ってもらうと言っていた。
こんなてきとーなツアーで誰も期待していなく、なんならもう疲れているくらいなのに、その子はすごい。ちゃんとしている。
ま、確かにお金払ってるし、ツアー会社側がそう言ったなら、主張するべきよね。
ガイドのオヤジがボート内で写真撮ってくれたが、指が思いっきり入っててほんとひとみ婆さんのコントだと思った。オヤジ何やっても面白すぎるわ。
でもその撮ってもらった写真がまたすごくいい写真だった。