行きたい というより 行かなければ という感情。
最近、世間ではソロトレッキングとかソロテント、ソロキャンプというのが流行らしい。
よく目にするワード。自分はあまり関係ないと思っていたけど、なんだか気になる。
むしろ見方を変えれば、本当は気になっているから目に飛び込んでくるのかもしれない。
連休も出かけることなくひたすらダラダラ家で過ごしていたら、テント泊で山に行かなければという感情が込み上げた。
一人で旅行に行くのと山に行くのは全く違うことである。
それは命に関わるかどうかである。
そこそこの経験をして年齢を重ねたからこそ、未熟な時代には無かった危険予知能力が強くなる。
それは良いことでもあるのだが、でも〜、もし〜、、と永遠に考えて足踏みしてしまい やらず仕舞いになる。
そんな時は冷静に考える。やって後悔するよりやらない後悔は辛い。そしてやり終えてスッキリした自分を思い浮かべる。
自分のスキルと準備をしっかり考慮し、今の自分に一番の程よいハードルの高さを選ぶ。
それは上高地から涸沢までの王道ルートだ。
仲間となら行ったことあるし、紅葉まっ盛りである。
そんなことを悩んでいた矢先に、友人も上高地に行くという話を聞いた。これが最後の一押しのきっかけになってくれて、別行動だが自分も有給を取ることになった。
ソロの良いところは日程が柔軟に対応できるところだ。誰に合わせるわけでもなく。天気と相談するだけで良い。
直前までキャンセルできるという誘惑もまたあり、めんどくさがりなもう一人の自分が行かない理由を探し始める。
しかし今回は台風一過。相当期待ができそうだ。
直前で勤務に調整がかかり、半日休みになったことも追い風となり、
テント泊は慣れないと準備がめんどくさい。特に食材。
これは楽しめればいいのだが、重さと栄養のバランスを考えてスーパーうろうろして、結局インスタントだらけになってしまった。
次回からは食材が課題だわ。
なんとかバックパックに全て詰め込み、朝7時新宿バスターミナルを出発。
上高地ゆうゆう切符は往復1万円きっかりのお得な券だが、前に起こった豪雨災害のため、途中電車で行くところもバスで乗り換える必要があった。これが結構大変で、上高地に着く頃に疲れてしまった。この旅一番の峠でした。
それは置いといて、昔は長距離バスとか特に夜行バスとか嫌いだったのに、最近は快適な思いばかりしていて好きになった。
安いし、静かだし、空いていれば隣はいないし。
車を運転してきていたこともあるけれど、勝手に連れてってくれるのもいいものだ。
さて、上高地に13時過ぎに到着。
ここから本日のキャンプ地、徳沢まで二時間歩く。
晴天の日曜日のため、たくさんの人とすれ違う。街のように人が多いと山の挨拶は皆しなくなるもんだが、たまにこんにちは〜と声をかけてもらうとやはり嬉しい。
徳沢に着くと多くのテント、なんとなくソワソワして、去年と同じ場所に張ることにした。
早速やってもーたのが、先にいた隣の人と入り口を向かい合わせにしてしまった。私が気を遣うべきだったのに、隣の人は静かに向きを変えて、ペグを打ち直していた。謝ることもできず なんだかすいませんでした。以後気をつけなきゃなー。
それにしても天気が良すぎる。おまけに寒さを全く感じない。
初めてのテント泊いよいよスタートだ。
なんだか落ち着かずの緊張で ご飯の味を感じなかった。笑
その後、荷物を整理してお茶を飲んで、歯磨きを終える頃に ようやく落ち着いてきた。
今回はこれまでの教訓を生かしてシュラフカバーを持ってきたらまぁ大正解。
全く寒さを感じず終始ポカポカ。
でも結局いつもの山の興奮緊張であんまり寝ないままだったけど。
そして夜。トイレに行ったら 流れ星。
星の音がシュルシュル聞こえそうだった。