フリーリード楽器の祖を求めれば笙に遡る、という話はご存知の方が多いと思います。
それがヨーロッパに伝わって、リードオルガンが生まれて、ハーモニカが生まれて、それからアコーディオンやバンドネオン等が生まれて、鍵盤ハーモニカが生まれるわけなんですけど、いろんな疑問があるんです。その内大きなものは下の2つ。
1.どうして笙からリードオルガンになったのか
笙は中国・殷時代には既に存在したそうです。殷時代というのは紀元前17世紀~前10世紀(wikipedia調べ)で、そレに対してリードオルガンは18~19世紀に生まれて発展した楽器です。2000年以上も何してたのさ!というのが疑問の1つ。
資料的な裏付けが取れていないんですが、笙がヨーロッパに持ち込まれたのは18世紀後半(1789年のフランス革命よりは早いらしいです)とのことで、その後リードオルガンが生まれたそうです。どうして唐代の日本にも持ち込まれている笙がヨーロッパに持ち込まれてなかったのさ!シルクロード何やってんの!?
2.リード+プレートの構造はいつ、どこで生み出されたのか
これも資料が無くて。笙は言ってみれば1枚の板をコの字に切れ込みを入れることでリードとプレートを作っています。それに対して現在のフリーリード楽器はリードとプレートを別パーツにして、リベットや溶接、ネジで接合しています。これっていつから出来たものなんだろう?
別パーツにした場合のメリットは、リードの形状が板の厚さ以外の形に出来ること(先に行くに従って細くなったり、逆に錘が付いていたり)、要は設計が出来るということだと思います。デメリットは精密な取り付け技術が必要なことや、笙と違って吹くか吸うかのどちらかでしか鳴らせないこと等でしょうか。演奏する分には特にデメリットというのは感じないです。
近代以降、今の鍵盤ハーモニカに繋がるフリーリード楽器の資料って全然見当たらないので(意外と東南アジアのフリーリード楽器なんかはある程度見つかります)、もう海外の資料探してみるしかないのかなーと考えているところです。英語はともかく、ドイツ語とか全然ダメですよ……。