安曇の庭から琉球へ 〜瓢箪から駒は出るか? その2 城とノロ  | かんながら

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旅の記録です

2日目は伊江島に行くつもりだったが、ホテルの部屋が広すぎて(ひとりで庭付きコテージに泊まったのは人生初)、いろいろ調子が狂って出発が遅くなり、1便のフェリーに間に合わなかった。
 
2時間後のフェリーまで時間があるので、古宇利島と昨日あった今帰仁の不思議おじさんのいる今帰仁によってくか。
ちょうど本部港までの通り道だ。
 

 

古宇利大橋。

前回ここに来たときはしろくまさんと一緒だった。

2度ここに来て、この島の神女のアヤコさんとスルル洞に行った。

本島の神人も、島の神人の案内がなくては入れない場所らしい。

初めて行ったのはもう3年前になる。

初回から不思議な縁で導かれた(アダムとイブの物語 〜コロナ後の社会(ポストCOVID-19)にむけて)。

 

そして、この島に「日本版アダムとイブの物語」があるのを知った。


 

それは、こんな話である。

昔、古宇利島に空から男女二人が住んでいました。

彼らは全くの裸で、毎日天から落ちてくる餅を食べて幸福に暮らしていました。

 

ある日、餅が降らなくなったらどうしようという不安ををもってしまい、毎日少しずつ食べ残して貯めるようになったのです。

二人が貯えを始めたときから神様は餅を落としてくれなくなりました。

 

そして二人は神様にお願いしたのですが、お餅が二度と降ってくることはありませんでした。

 

そこで二人は自分たちで食べ物を得て生活するようになりました。

魚や貝を捕り、ジュゴンの交尾を見て男女の違いを知って身体をクバの葉で隠すようになり、そして子をなすようになりました。

この二人の子孫が増え、琉球人の祖となっのだそうです。

 

古宇利大橋。

コロナのせいで空いている。

 

 

前はしろくまさんがいたけど、今はいない。

 

売店の人と喋ってて、「餅を蓄えるようになって、餅が降ってこなくなった」って話をしていたら、そのための祭があって、「ミヂマチ(水待ち?)」っていうって教わった。

先祖の墓参りをするらしい。

結局詳しくはわからなかった。

 

 

トンビの羽?を拾った。

 

今帰仁へ。売店のご婦人と話し込んでたら遅くなって、もう2便のフェリーも間に合わなさそう。

 

 

どうせならゆっくり回ろうと思ってふと見るとノロの家。

星と桜?

 

アサギマダラが飛んできた。

島では蝶には死者の魂がのるという。

 

しろくまさん?

与那原のヒロさん?

 

どっちも、今は一緒なんだろうな。

二人とも、神様の使いとして生きた人。

 

 

 

伊江島は諦めることにして、南部へ。
写真忘れたけど、斎場御嶽でもずく天ぷらを買って、一口かじったら、そういえば、近くの奥武島に天ぷら屋さんがあったと思い出してそちらにドライブ。
 
天ぷら屋さんで天ぷらが上がるのを待っている間に白山のサルタヒコに電話をしたら、やはりサルタヒコもそこの天ぷら屋を贔屓にしていたと判明。
 
与那原のヒロさんの奥さんのやっている旅行会社に立ち寄ったが、彼女は留守だった。
 
 
早めに那覇のホテルに帰ったが、昨日あまりにも豪華なホテルだったので、なんだかしょぼく感じる。
人間、贅沢するとダメだよな。
お湯のシャワーがあって、布団で寝られるだけでも(布団の収納スペースもないため普段は寝袋)天国なはずなのに。
 
飲みに行こうかと思ったが、天ぷら食べ過ぎでお腹いっぱい。ビールも入らない。
 
そこに与那原のヒロさんの奥さんからお届け物のお礼のメールが入る。
 
そこで電話して言ってみる。
「もし、今日これからご予定なければ、今から行っていいですか?」
 
車で30分ほど。
近くもないが、遠くもない。
 

 

 

そして、日本で一番最初にできたハンバーガーショップで20年くらいぶりの再会。

与那原のヒロさんとは何度も会ったが、奥さんにあったのは1度だけだ。

家に呼んでもらって、やぎ汁をご馳走になった。

 

喪中はがきが届いた時も連絡していない。

なんて声をかけていいのかわからなかったから。

この日は与那原のヒロさんの誕生日だった。

 

与那原のヒロさんの奥さんのフキさんは旅行会社をやっている。

彼女はガイドの仕事のために歴史や文化をとてもよく勉強していて、なぜか天皇家とノロの祭祀の相似性についての資料をコピーして持ってきてくれていた。

そこに書かれていたことは、前日北部の浜辺で出会った今帰仁の不思議おじさんが言っていたこととドンピシャに一致していて、いつものことながら驚いた。

食事をすることと、まぐわいは神の力を備えるために重要な働きみたいだ。

 

 

で、ようやく理解する。

最初に食事に行ったとき、伊勢平氏おじさんが「キミの力はホトの力だ」

「それを使えるようになったとき、すごいことになる」と言ってた意味が。

 
当時のわたしは、酔っぱらってるからってとんでもないセクハラ発言をする、としか思わず(実際にそうである)、
「そういうの、セクハラだと思います」
というのが精一杯だったのだが。

 

不思議な人だから何かが憑りついてそう言わされたのであろう。

 

 

夜中まで話し込んで、ケータイの電池が切れそうだったのでそのタイミングで別れた。

 

ヒロさんの話をしている時、バーラサイババが言っていたことを思い出した。

「2人以上でババのことを話している時、ババはそこにいます」

 

神様になった与那原のヒロさんは、ここにいる、と思った。

彼女にそのことを話したら、にっこり笑った。

 

 

 

部屋に戻ったら明治神宮のニュースをやっていた。

終夜参拝中止。

静かなお正月になるといいけど、きっとそうはならないだろうな。