![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/1b/07/j/o0960053914060986693.jpg?caw=800)
いきなり余談から入りますが──。
何か最近、京都国立博物館のことを「キョーハク、キョーハク」と呼ぶ方が増えているみたいです。京都国立博物館さん自身も「京博」と記したパンフレットを出しておられるみたいですしね。でも、私の感覚では、「ひょっとして“脅迫”でもされてるの?」──と聞こえるんですが……。
たぶん、東京国立博物館の愛称(?)を「トーハク」と言うそうなので、その流れみたいです。
私のような、昔から京都市内の博物館に通っているもん(者)は、府の京都文化博物館を「ブンパク」と呼び、京都国立博物館を「コクハク」と読んでいるような気がします──「キョーハク」だと、どっちを指すか判らないから──。地元紙の京都新聞では、略して「京都国博(きょうとコクハク)」と書いてあることが多いです。これは、たぶん、奈良国立博物館の「ならコクハク」と区別する"略称"だと思うのですが……。東京や九州と違って、近くに2つの国立博物館がありますからね。
※さらにさらに、完全な余談ですが──。
万博記念公園の国立民族学博物館は、昔から「みんぱく」ですね。何か、最近流行りの「民泊」と間違われそうです……。
すみませんね、"全くもって"詰まらない話で!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/d8/d4/j/o0960054014060986701.jpg?caw=800)
その「キョーハク」に行ってきました。
国宝展を鑑賞するためです。
そして、前にも言ってましたが、今、『松林図屏風』を見ることができるからです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/25/d3/j/o0960054014060986711.jpg?caw=800)
その時にも書いていましたが、今回、京都国立博物館に、たくさんの国宝(の美術工芸品)が、やって来ているのです。
現在、国宝に指定されている美術工芸品の数は、885件だそうです。今回、この展覧会には、そのおよそ4分の1に当たる221件が、京都国立博物館に、順に──4期に分かれて──来ているそうです。
4期の各々の期の「目玉商品」は、上の看板の通りです。
そして、今〈Ⅲ期め〉の「目玉商品」が、長谷川等伯の『松林図屏風』をだと言うことで……。
はっきり言って、“「国宝」以外のテーマがない”この展覧会。出展されている作品等を全部見ていたら、“お腹いっぱいになって”疲れます。そして、何の印象も残らないままに、終わってしまう"おそれ"があります。
それに、平日の夕方は、比較的"空いている"そうですが、それでも「人の波」で、疲れきってしまいました。
それにもまして──。
ほとんど、これまでに1度は見たものばかりでしたから、「何かテーマを決めて」絞らないと、頭の中がぐちゃぐちゃになりそうでした!
↑長生きしていると、たいていは見ているんです。
私の場合、はじめから、長谷川等伯・久蔵父子の親子共演だけ見られたらいいな──と思って、列に並んでましたから……。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/b5/72/j/o0960054014060986723.jpg?caw=800)
ただし、この『桜図』。京都国立博物館のお隣りの智積院の宝物館で、『楓図』とか
『松に秋草図』とか『松に黄蜀葵図』などといっしょに、これまで何度も「父子共演」を見てきました。観光シーズンを外した朝か夕方ならば、"貸し切り状態"で鑑賞してこれました。どっちかと言うと、来年以降、そっちで見る方が"オススメ"ですがね!
この京都国立博物館のある場所も、お隣りの智積院がある地も、方広寺の大仏殿を中心として、三十三間堂を取り込んで、広大な「豊臣ワールド」or「豊臣ランド」でした。
そこに──。
豊臣秀吉の愛児・鶴松が、幼くして亡くなりました。秀吉は、その菩提を弔うために、ここに祥雲寺を建立しました。その障壁画を手掛けたのが、長谷川等伯・久蔵父子をはじめとする「長谷川一門」でした。狩野派よりも、優しい、色彩鮮やかな絵が好まれたかも知れません。
久蔵の『桜図』。ものすごく近くで見ることができます。皆さん、桜花に注目されますが、画面下のタンポポやスミレなどの可憐な春の花も見つけてください。久蔵の瑞々しい感性を堪能できます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/fc/a3/j/o0960084514060986735.jpg?caw=800)
しかし、久蔵は、26歳と言う若さで急逝してしまいました。
父・等伯は、その哀しみを乗り越えたのか、乗り越えなかったのか・・・。
私のような、凡人には“計り知れない”境地なのかも知れませんが……。
わが国の水墨画の最高傑作『松林図屏風』に対面するためだけに、今日は、その場〈平成知新館の2階のフロア〉に立っていました。
何も語れません!
その奥行きと、空気感と、風と・・・。
やはり、前回(長谷川等伯展)に見ることができた時よりも、至近距離からの鑑賞でした。逆にあまりにも近すぎて、圧倒されそうでしたが……。
★あんまり近すぎると、分からへん!
今回の国宝展。図録や写真で十分で、その方が細部までゆっくり見ることができて分かりやすいものもあります。言っては何なんですが、肖像画など……。
でも、やっぱり目の前でないと、その迫力が感じられないものも!──これ『松林図屏風』。
★それにしても、近すぎるわ!──京都国立博物館さん。
そう、ちょっと不満を感じてたら……。
この後、『金印』を見るために、3階に上がろうとしたんです。近くから『金印』を近くで見ることが列に並ぶために。
そしたら、2階と3階の間の階段の踊り場から、凄くイイ角度と距離感で、『桜図』と『松林図屏風』を鑑賞することができました。ベストポジションかも知れません。
あっ、因みに、別の階段の踊り場からの狩野永徳の『花鳥図襖』も見ることができましたよ!──これも良かった。
もひとつ因みに──。
私は、いろいろな点から円山応挙の“隠れファン”なんです。それについては、今日は書きませんが……。
それで、時代は2世紀ほど違いますが、『松林図屏風』の"対面をはって"、見事な松の絵、円山応挙の『雪松図屏風』が飾られていました。この水墨画、雪と松は"秀作"だと思いますよ!
さらに、もひとつ因みに──。
"その"ついでに並んで見た『金印』です。たぶん、残りの命からして、もう見る機会はないでしょうから!
「ほんまに、ほんまか?」とまだ疑いの目で見ていますが……。
「ちっさい、でもきれい、そして、どこかに"あの"金印も埋まってるかも!」と・・・。
あと、仏像ファンの、いわゆる「仏ジジィ」の私は、1階の「仏像コーナー」をついでに楽しみましたが──。
このテーマ(「国宝」)ならば、あんまり期待できないのは仕方ないでしょうね!──東京では、まだ「運慶さん」やってますからね!
四天王さまに"踏みつけられた"鬼フェチの私は──。
法隆寺の『広目天立像』の足下の鬼さんや、浄瑠璃寺の『多聞天立像』の足下の鬼さんは、「踏みつけられ感マックス」やなあ。でも、東寺の『兜跋毘沙門天立像』の足下の鬼さんは、地天女と一緒なので「持ち上げ感あるなあ」と思いながら見ていました。
↑私の"特殊な"癖が出てしまいました。
それから、「仏像コーナー」で一番大きく目立っていたのは、河内長野市の金剛寺の『木造大日如来坐像と木造不動明王坐像』でした。でもこれは、最近、ずっとここにあるものですから、特に国宝展で見られると言うものではないでしょうね。
現在、金剛寺では、大規模改修が行われていますので、大日如来坐像と不動明王坐像が京都国立博物館に、降三世明王坐像が奈良国立博物館にずっと出張中なんです。先日、奈良国立博物館で、確かに降三世明王坐像を見ましたよ!
どうせなら、3体並んで見ることができたら良かったのに・・・、もし、大きすぎて運ぶのが"不可"ならば、3Dなどの技術を用いて、何とかして並べてほしかったなあ──ワガママ過ぎすますか?──やっぱり。
↑これら(金剛寺の像)は、最近「国宝」に指定されたばかりの仏像です。
あと、書きたいことはいっぱいあるのですが──。
肝腎の『松林図屏風』の《余韻》が小さくなるかも知れないので、止めておきますね!
あっ、一つだけ。
『金印』のおかげて、その横の『土偶』が意外と人気がなくて、前が空いていました。『縄文のヴィーナス』、『仮面のヴィーナス』、ゆっくり見られて良かった!
あかん!
何か、いろいろ思い出したら、湧いてくるやないの!
もう、止めときますわ!
だから、こんなテーマ(「国宝」)、お腹いっぱいになるんやって・・・。
本当にごめんなさい。長々とスミマセンでした。
『松林図屏風』、この世の名残に見ることができて、良かったです──以上。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171101/19/polarstar0507/65/33/j/o0960054014060986752.jpg?caw=800)