県としては九州初!
福岡県が医療・介護の現場におけるカスハラ対策の乗り出しました。
今年2024年6月7日からスタートしています。
実態調査
福岡県は短期間ではありますが、在宅の医療及び介護現場における 利用者等からの暴力・ハラスメント実態調査を行い、その結果報告書が公表されました。
調査目的
在宅医療・介護現場における利用者及び家族(以下「利用者等」という。)からの暴力・ハラスメ ントの実態把握及び必要な対策を検討する資料とする。
調査実施期間
令和5年3月7日~令和5年4月30日
調査対象
福岡県内の医療機関・事業所の管理者及び従事者
(医療機関・事業所: 在宅医療機関、訪問看護ステーション、訪問薬剤、訪問歯科診療所、訪問栄養ケアステーシ ョン、訪問介護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看 護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援)
約1年前の調査で、結果を公表するために1年かかったみたい。
ただ、こんな大事な調査なのに、
回答回収率は17.2% の1,498件。
各事業所の管理者は何をしているんだか…。
機関数が違うのですが、管理者向け調査の回収率でみると…
1位:訪問リハビリテーション 54%。
2位:栄養ケア・ステーション 33.3%
3位:居宅介護支援 32.0%
4位:定期巡回・随時対応型訪問介護看護 28.6%
5位:訪問看護事業所 25.4%
従業員向け調査での回答者の職種は
1位:介護支援専門員(ケアマネ) 31.6%
2位:訪問介護員 22.8%
3位:看護師(准看護師含む) 18.9%
4位:薬剤師 12.9%
5位:理学療法士 3.4%
調査結果を私なりに文章で書くならば…
回答した事業所が日頃の備えとして、ハラスメントリスク把握に勤め、基本方針を定めた上で、従業員への周知を行っている。また契約書などでも利用者本人や家族に対応方法を先に周知しています。
また実際にハラスメント発生リスクが高い利用者・家族への対応としての取り組みでは、従業員の身の安全を優先した対応を徹底させており、複数人で訪問・担当者交代・同一スタッフを固定化しないようにシフト調整を行い、携帯や防犯ブザーを携帯させて対応している。
実際にハラスメントが発生した以降の対応としては、身の危険があれば業務中止しその場を離れるという回答が77.5%、管理者などと連絡しサービス中止等を相談するのが61.5%。他のスタッフが駆け付けたり、客観的事実を証拠として記録したりという対策を行っています。
ただ課題として、ハラスメント対策を行う時間的余裕がないし、具体的なやり方が分からないという回答もあった。
従業員向けの調査では、利用者等からハラスメントを38.5%・3人に1人以上が経験しており、そのうち精神的暴力76.6%、身体的暴力・セクハラが42~43%。
ハラスメントを行った相手と内容としては
身体的暴力:利用者から・98%
精神的暴力:利用者から・74.8%、家族等・41.2%
セクハラ:利用者から92.2%、家族等・12.6%
2 定義
(1) 身体的暴力 叩く、殴る、蹴るなど身体的な力を使って、他人に危害を及ぼす行為。物を壊したり、物を投げ つけられたが避けた場合など、直接的に身体的な被害が及ばない場合も含む。
(2) 精神的暴力 怒鳴ったり、威圧的な態度など言葉や態度によって、個人の尊厳や人格を傷つけたり、理不尽 な行為を強要するなどの行為。無視や第三者に事実ではないことを吹聴する等も含む。
(3) セクシャルハラスメント 性的な内容の言葉や好意など意に沿わない性的誘いかけや好意的態度の要求等、性的ないや がらせ行為。
調査結果を見て 個人的感想
病院の中だと、スタッフの目が多いからまだね…いいんでしょうけど。訪問となると、まるで無法地帯ですから。
こういう調査だけみると、病気だから障害だから…とか思う人もいるんでしょうけど、実際普段からそういう素行の人はいるだろうから、一概に病気や障害のせいとは言えない部分も大きいですよね。
それで結局、危ないと思ったら逃げろ!という対応。
リスク把握や契約書などの文書で先手を打っていても、危ない!と思わなきゃいけない状況になっている。
シンプルに考えて、
人手不足の時代に、複数名訪問の対策って…どうなの?。。。
収益よりスタッフの安全ということだろうけど、人手不足ならもうお断りしてもおかしくない世の中。
私ももう昔から、パワハラ・セクハラ・カスハラ受けてますし;
スメハラ(スメル:臭い ハラスメント)とかも経験あります。
別にアロマとか香水とか、皆同じものが好きなわけじゃないし、会社の車をランダムで乗っていたんですが。芳香剤で嗚咽が止まらなくなったという笑。恐ろしい体験しました笑。冬でも窓全開という対策。
もう皆余裕がないですしね、
時間的、体力的、気持ち的にも、金銭的にも。
警視庁では少年犯罪は、2022年12月末より2023年12月末の方が役10%増加。年齢かまわず犯罪全体がここ2~3年と比較して増加していて、中でも性交・わいせつなどの成人による風俗犯が急増しています。
ハラスメントも犯罪ですから。当然増加していると私は考えます。
とりあえず…福岡県はカスハラ対策が始まりました。
全国でも名札から写真を外し、名前も名字だけにし始めたところが増えてきました。むしろ漢字である必要もなくなってきていますね。「サトウ」「スズキ」とか。
今も、フルネームや顔写真を名札・名刺・車両・レシートに掲げさせている企業は、ハラスメント対策が不十分なのでしょう。起きてからでは遅いんです。お客さんが「従業員大事にした方がいいよ」って上の人に言ってくれると大感激なんですけどね。
そうなったら嬉しいし、そういう年の取り方したいなと最近思います。
参考・引用
- 福岡県庁公式ホームページ
- 福岡県介護保険広域連合
- 警視庁
- KBCニュース
- 毎日新聞
- 西日本新聞
- 日テレ
- TBS
- NHK
- yahooニュース
- gooニュース
- 福岡県庁/福岡県在宅医療・介護職員カスハラ相談センターを開設します
- 福岡県PDF/在宅の医療及び介護現場における 利用者等からの暴力・ハラスメント実態調査結果報告書
- 福岡県看護協会/在宅医療・介護※ 管理者向け 暴力・ ハラスメント対策研修会
- 福岡県庁/カスタマーハラスメント対策を実施します ~STOP‼ カスタマーハラスメント~
- 警視庁/犯 罪 統 計 資 料 令 和 5 年 1 ~ 12 月 分【確定値】