宇都宮泰 × 川崎弘二「武満徹の電子音楽のデジタル修復」 | Pokopen Photographic

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公演名:宇都宮泰 × 川崎弘二「武満徹の電子音楽のデジタル修復」
場所:外
日時: 10月14日(日)
開場 18:00 開演 18:30
料金
予約 2,000円 当日 2,500円

内容
前説:川崎弘二

《レクチャー》
デジタル修復作業の実演と解説(宇都宮泰)
目標は制作当時のマスターテープの音を再現
・音源はモノラル・レコード
・リニア・トラッキングプレーヤーを使用。
 針とスピンドルの中心が一致させるのに苦労した。
・不要な音は相関フィルターを使用してカット。
・周波数分析により、広域側が減衰されてカッティング
 されているようなので補正した。
 
《リスニング》
武満徹「ルリエフ・スタティク」(1955)
諸井誠・黛敏郎「七のヴァリエーション」(1956)
武満徹「ユリディスの死」(1956)
武満徹、谷川俊太郎「ヴォーカリズムA・I」(1956)

その他
諸井誠・黛敏郎「七のヴァリエーション」について
なぜこれがヴァリエーションかというと波形は同じ
だが使われているノイズが違う。
細い線が薄く見えるのは録音前にテープが問題ないか
(例えば磁性材の塗りムラ等)確認する為にテスト
録音を行った跡か?
バックグラウンドの色が違うのはテープの切り
貼りの跡。

ヴォーカリズムA・IをVocal shiftorで表示した。
感想
『武満徹の電子音楽』刊行記念第二弾のイベント。
今回は『武満徹の電子音楽』の予約特典のCD
に入っている武満徹「ルリエフ・スタティク」の
デジタル修復についての話がありました。
正直専門用語ばっかりでチンプンカンプンな内容
とは思うけど、これもいい機会だし怖いもの見たさ
で行って見ようと思って行きました。
話の内容としては、意外にも私のような素人でも
判りやすい話の内容で、宇都宮さんもコメント
されていましたが、高級機材を使った、オーディオ
再生的観点とは立ち位置が異なることを強調されて
ました。
技術的な話だけではなく当時の制作の様子なども
紹介されていて、スウィープ音を作り出す時の
オシレータのダイヤル操作を熱演されていました。
 
オーディオ的視点からの感想
Tannoy Super Red SRM 12 B
開場に着くやびっくりしたのが。なんとTannoyの
スピーカーが置いてある。ぱっと見Super Red Monitor
の様に見えるけど、何か小さい。よく見るとSRM 12 B
でした。12インチの物は初めて見ました。よく見ると
ツイッターのメッシュがなかったり、ケーブルのターミナル
が前面に来ていたりと・・。多分内部の配線も
いじっているのでしょうねえ。(Tannoyは内部の配線
が結構いい加減)

宇都宮泰さんのスタジオのおいてあるのも持ってきたようで
実際にスタジオで聞いた音に近い音を再現しようとの事
なんでしょうね。同軸スピーカという事で定位はいいはず。
座る席も前から3列目、中央当たりに座りました。
聞いてみると、音源がモノラルなので音場の広がりは感じら
れませんが、中央にピタっと小さく結像したのは流石だなあ。
まさかTannoyで電子音楽を聴くとは思いませんでしたが、
濃厚な音楽が聞けて良かったです。

リニア・トラッキングプレーヤー
レコードの再生に使ったのが、リニア・トラッキングプレーヤー
カッター・ヘッドがリニア・トラッキングなので当然
と言えば当然。ただこの手のプレーヤー、超高級機を除けば
あまり見ないのですね。オーディオファンとしてはB&Oの
 beogramが有名。日本だと一時ジャケットサイズと言われて
レコード・ジャケットとおなじ大きさに纏める為、リニア・
トラッキングプレーヤーが流行ったことがあります。どちらか
というと、デザイン先行の製品が多く、オーディオマニアからは
あまり顧みられなかったのですが・・。宇都宮さんはSONYの製品
を使っていましたが型番までは確認していません。
後話の中で、針は左右だけではなく前後にも動くといっておられ
ましたが、これも当然と言えば当然。カッター・ヘッドの形状
とカートリッジの形状が違うわけで。その為、丸針、楕円針、
シバタ針と形状の違う針があるのですが、宇都宮さんは何を
使ったのかな?
 
 

 メモ
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