関西歌劇団 モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」 | Pokopen Photographic

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イベント名:関西歌劇団 第98回定期公演「皇帝ティートの慈悲」

作曲:モーツァルト
台本:メタスタージオ(カテリーノ・マッツォーラ改作)


日時: 2016年11月27日(日) 14:00開演 13:15開場
場所:吹田市文化会館メイシアター 中ホール
料金: S席8,000円 A席6,000円 学生席2,000円


キャスト 

皇帝ティート:谷 浩一郎
ヴィテッリア:末廣 早苗
セルヴィリア:清野 千草
セスト:小川 典子
アンニオ:髙木ひとみ
プブリオ:落合 庸平
 
合唱:関西歌劇団合唱部
管弦楽:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
チェンバロ:岡本佐紀子

指揮:奥村哲也
演出:井原広樹

備考

大凡の予定
第一幕:14:00-15:10
休憩 :15:10-15:30
第二幕:15:30-16:10

公演の前に井原広樹氏による挨拶&解説

イタリア語上演 字幕付

 


感想
さるお方から「是非見に来てください」と言われ
行って来ました。モーツアルトのオペラなんて
久しぶり。しかもめったに演じられない作品
実はA席を頼むところ間違ってS席で手配されて
しまって・・。それが一寸辛かったです。


歌劇「皇帝ティートの慈悲」はモーツアルト最後
のオペラと言われてますが、これはケッヘル番号
での話。実際初演はこちらの方が「魔笛」より
早いです。もともとこのオペラ短時間で作曲した
とかレチタティーヴォは弟子に作曲させたとか、
そんな事もあってかつては「駄作」と言われて
ていた時期がありました。確かに台本にしても
元々オペラセリアというのは貴族や王の祝い
の席で上演されるため、内容がその主賓を
称える内容となっていて正直つまらない内容
が多いのですが・・。とは言えオペラセリア
は当時としては重要なジャンル。実際モーツ
アルトも「イドメネオ」の成功によってオペラ
作家として認められたのですから。

 

さて話はもどして、そのような状況の中、この
オペラの真価を問うたのがアルノンクール。
私もレコード買いましたが、劇的な表現が
「イドメネオ」同様、この曲の素晴らしさを
初めて知ることと、なりました。現在はマッケ
ラスのライブ盤を持っていますが、こちら
もすばらしい。ようやく世間がこの曲の
素晴らしさを認識したという事で・・。


全体の間感想としては、これまでレコード、CD
でしか聞けなかった物がこうやって生で聞ける
のは大変ありがたかったし勉強になりました。
やはりオペラは生で聞かなくては!と思いました。


演出は井原広樹、この人の演出は一寸面白い。
昔トゥーランドット(プッチーニじゃなくて
ブゾーニの方)の演出を見て大変面白かった
けど、今回も演出その物はそんなに気を衒っ
たものではないのですが、ステージの設定が
面白かった。

 

本来ステージがあるところを取っ払って
そこに小さなステージを設置(ご本人は
プロレスのリングみたいな物と説明)
その周りにも席を追加していました。
そして客席の通路も舞台の一部として
使用して観客と舞台が一体となるような

作りにしていました。オペラを上演するには
不向きな劇場に構造を逆手に取った演出。


オペラはまずティートとユダヤ王妃ベレニケ
が別れるシーンがまずあって、それから
序曲がはじまる。それ以降は普通の展開
ですが、大団円にて再び客席にベレニケ
が現れ、ティートらを見守っているという
演出。


背景には映像を多用してこれも
面白かった

 


ただ舞台の上で歌えば声が劇場に
響き渡るが、通路で歌うと、そうでは
ない。そこらへんがネックかなあ。
勿論声量があれば問題寝いけれど・・。


歌手は谷浩一郎は流石ですね。ドイツ
オペラの人ではあるけれどなかなか
気品があって素晴らしかった。
そして清野千草さんも美しく
透明感のある声でよかったですね。
勿論演技も!


オケは20人程度。音楽は中庸な解釈。

基本的に皆さん頑張ってましたね。
ただこれを東京で行うと、人材が
いるぶんもう一寸グレードUPしそうで。
そこらへんが関西の苦しい所ですね。