KYOTO EXPERIMENT 2016 SPRING その1 | Pokopen Photographic

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毎年9月に開催される京都国際舞台芸術祭"KYOTO EXPERIMENT"
今年は春、今回は割と実験色が強いイベントに行って来ました。


3月20日京都芸術センターで開催された、"Forecast"と言われる
プログラム。日本の新進アーティストの作品をショーケース形式
で連続上演するというものだそうです。


2つの公演(ショーケース)からなっていて

あごうさとしプログラム


「身体」は劇場でどのように存在しうるのか
がテーマ

1.身体不在
2.身体と物・映像など他のメディアとの併存
3.身体それ一つで立つ


のテーマが考えられ、それぞれのテーマに沿って
3つの作品を上演。


・あごうさとし『純粋言語を巡る物語?バベルの塔 Ⅱ』
(身体不在)

・辻本佳『Field Pray#2 擬態と遡行』
(身体それ一つで立つ)

・岩渕貞太×八木良太『RECORDS』
(身体と物・映像など他のメディアとの併存)


国枝かつらプログラム


こちらのテーマは即興


・小金沢健人《CLOSED ANIMA》(2001
 小杉武久《Anima 2》(1962)の再考を通じて
 パフォーマンスにおける肉体と声を考察する

・田村友一郎/《D.H.L》(2013)
 指示書にもとづく即興という行為から、身体に原初的に
 備わったある種の機能を導き出そうする


・梅田哲也/《Composite》(2014)。
 動きと声が幾重にも呼応しながら、指揮者のような中心点
 を持たない合唱の形態を出現させることでオルタナティブ
 な方法論を提示する


注)
国枝かつらプログラムの内容紹介はKYOTO EXPERIMENTのサイトより
転記。


感想
「演劇」とか「ダンス」とかジャンル分けがされて
いますがこういう従来の考えから逸脱した実験的
な演目となると、結果として、ジャンルの壁が破
れ、場合によっては異なるものの融合が生まれる
きっかけになる事を予感されるプログラムでした。


1)純粋言語を巡る物語 バベルの塔 Ⅱ

役者不在がテーマのこの作品。
中央に2.5m位の四角いステージがあってその周りに
小型のスピーカーが何台か設置されていました。
ぱっと見た感じ、何をやるかは見当が付きました。
実際その通りで、やっている事は立体音響。電子音楽
の世界では当たり前の事で、中央の舞台に立つと、
周りのスピーカから流れる音で舞台が再現される
と言う内容。舞台の周りには液晶のディスプレー
が置かれていて、セリフが表示されたり、演ずる
役者の動画が表示されたり、一つのディスプレー
には実際にこの劇を役者を使って、上演している
場面を映してするものもありました。電子音楽
の世界では、演奏者不在の影響が議論されて
いた事もあるし、それが演劇の世界ではどう
捕えられたのでしょうか?立体的なラジオ
ドラマとして捕えれたのか。演劇に世界に
詳しくない分、興味はありますね。



2)梅田哲也/《Composite》
多分出演者には簡単なルールが合って、それを基に
後は出演者各自の判断(即興)で演じられたの
でしょう。見た(聞いた)感じはミニマル・ミュー
ジックの世界。ある集団が増殖し、ある事がきっかけ
で減少していく。一寸したドラマが面白かたですね。


3)辻本佳『Field Pray#2 擬態と遡行』
演者は武術を習っていて、振付もその動作をベースに
行われているのですが、腕やお腹に音を発する
ベルトを着けていて、激しい振りの場合にその音が
ドップラー効果で音が変わっていくといいうのが
面白い。単に視覚のみならず、聴覚からもその
動きを連想させるのが狙いなんでしょうか。