アンドロイドは電気羊の夢を見るか? | Pokopen Photographic

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あるギャラリーでDMを漁っていたら
表題の名前の写真展を見つけました。

場所はGallery Limelight
作家は兒嶌秀憲、sophie

sophieさんは神戸元町にある写真ギャラリーbirdie
をやっておられてBEATSで何枚か写真見た記憶
があって、帝塚山って一寸遠いけど行って来ました。


「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」ってもう有名な
SF小説。映画『ブレードランナー』の原作と言った方が
いいかもしれません。私は映画が公開される前に読みました。
それから35年以上経っていて、正直小説の内容はうろ覚え、
そんな状態で写真展行って来ました。


展示は1Fと2Fに分かれていて1Fは兒嶌秀憲さん
2Fはsophieさんの展示。当日は兒嶌秀憲さんが在廊
されてました。
写真展の題名はsophieさんが決めて、兒嶌秀憲さんは
まず、小説を読んでから写真を撮影したという事です。


兒嶌秀憲さんは8×10in判で夜間の長時間露光で撮った
モノクロの写真。マネキンの写真とか某廃墟マンション
とか、非常に印象に残りました。ご本人は「SFチック
に撮った」という事で確かにそんな感じがします。
小説でも廃墟マンションが出てくるのですが、写真でも
なぜか1部屋だけ明かりがついているように見えて
聞いてみたら外の光がマンションの窓に反射して
そのように撮れたのだとか。(1時間の露光時間だ
そうです)

一方sophieさん写真は素晴らしいですが、表題を考えると
どうなのかな?まあ牧場の牛の写真も実は電子牛だったり
とか、手術の跡の写真も実はアンドロイドとの連想も
出来なくもなく・・・。まあ表題にこだわるとなんか
一寸違和感ある感じも・・・。


とは言え40年前、中学か高校生の時に読んだきり。
丁度その頃、SF小説をよく読んでいました。きっかけ
は色々あって、一つは「惑星ソラリス」と言う映画
を見てその原作者であるスタニスワフ・レム
に興味持った事。そして、当時SF小説が一寸したブーム
になっていてウィリアム・S・バロウズ、J・G・バラード、
ジュディス・メリルなんて訳の分からない小説を結構読ん
でました。

ともかく「もう一度読んでみたらと」兒嶌秀憲さんに
勧められたので何十年ぶりに読みました。読んでいると
段々当時の思っていた事が思い出してきてああそうだった
と一寸懐かしい感じに。


こうやって再び読んでみると小説のテーマである、
人間と何か人間とアンドロイドの差はなにか
といった事からいろんな連想されてきます。


「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」では火星
から逃げてきたアンドロイドを殺して賞金稼ぎを
行っている主人公がたまたまオペラ歌手になった
アンドロイドを殺す事となって死ぬ前に聞いた
アリアを聞いて、「人間以上に素晴らしく歌う
歌手を何故殺さないといけないのか」と疑問に
思う所があってそれがある意味「ヒューマニズム」
への批判とも取れるし、「人間とアンドロイドの差
はなにか」、つまり「人間とは何か」を問う事にも
なって

一寸前に書いたタルコフスキーの映画「惑星ソラリス」
(難解な映画でしたが)との何か相通ずる所も
あるような気がして・・。

いい経験になりました。できればもう一度写真
見たいです。


兒嶌秀憲さんのサイトです。
http://konma666.web.fc2.com/