またしてもカメラをかってしまった | 金八先生「廃れた人と書いて、廃人と読むのです」

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人間は滅んだ方がいいと思っている人のブログ

 以前、少し小さめセンサーの1型センサーカメラを買うことで、レンズに変えずコンパクトに25-400mmの画角で撮れるネオ一眼を自分のメインウェポンにしますと宣言した。その翌月。



 APS-Cサイズのカメラが増えました。
本体:ソニーのZV-E10
レンズ:15mm単焦点 解放f値1.4
 
 あまりにもピーキー。選択が極端。
 
 1型センサーの次に買うカメラがAPS-Cサイズというのは、まぁステップアップという視点で正常ではある。翌月という早さを除けば。
 しかし、ステップアップして撮れる画角が15mm固定というのがピーキーすぎる。
 レンズはこれしか買ってない。
 
 15mm単焦点ということは、簡単に言えばスマホカメラがズーム不能みたいな画角である。
 
 ズームしたい場合は歩いて近づく。
 一応デジタルズームかAIズームという手はあるが、まぁ「そういうこともできる」ぐらいの最終手段だろう。

 ということで、現状私のカメラは1型センサーカメラがメイン、APS-Cがサブという謎の逆転現象が起きている。

 ではなぜそんなピーキーなレンズしか買わないでAPS-Cカメラに手を出したのかと言えば、これはちゃんとインスピレーション元がある。 

 

 

 因幡はねるの撮る、こむぎこときなこの写真が毎度背景がめっちゃボケてるのを見てて憧れがあった。

 

 最初に買った1型センサーのネオ一眼は、センサーサイズが小さい分近景での背景ボカしに弱みがある。

 その代わり物理焦点距離146mmで35mm換算400mmという非常にハイコスパな望遠性能があるが、だからこそ近景の弱みを補いたくなった。

 

 ねるちゃんのカメラは、このツイートを鵜呑みにするなら、

 富士フィルムのX-S20+15-45mmレンズということになる。

 犬のリードを持ちながら撮影する場面が多いであろうことを考えると、この選択は中々理に適っている。

・フルサイズではなくAPS-Cサイズを選ぶことにより軽量化

・X-S20には5軸手振れ補正があるとのことで、片手撮影でもブレを抑えやすそう

・犬を撮るならリードの長さ分までしか望遠性能はいらないので、15-45mmの近景範囲を必要最小限抑えた、小さく軽いレンズ

 犬を撮るということに関して正に最適解と言える。

(まぁ、もちろんこのカメラがスタッフのものという可能性は十分あるというか、リスクを十分把握しているねるちゃんなら意図してスタッフのカメラでツイートしてても何ら不思議ではないので確証ではないが)


 ということで、ねるちゃんと同じく、大きなセンサーサイズ、短い焦点距離の背景を大きくボケさせられるカメラが欲しくなった。


 ではまずはカメラ本体の話。つまりセンサーサイズの話。

 ねるちゃんの真似ならAPS-Cサイズということになるが、「近景特化」というならフルサイズが最適解になる。

 結果から述べると、私はAPS-Cを選んだ。理由は価格。

 価格という理由は至極単純で、フルサイズカメラはアホみたいに高い。簡潔。

 一応キャノンのEOS RPといった比較的安いフルサイズカメラもあるが、どちらにせよレンズで大きく値段を引き離されるため、「本体+レンズの安さ」という観点(および自分の財政状況を鑑みて)から、フルサイズよりサイズの小さいAPS-Cを選んだ。

  特に、後から望遠レンズが欲しいとなった場合、フルサイズとAPS-Cでレンズの価格差はより大きく引き離される。


 また、私が買ったZV-E10は価格が割とバグっている。

 通常、APS-Cカメラと言えば、本体10万円台、色々機能が盛り込まれた上位モデルで20万〜30万弱といった値段感覚だが、ZV-E10本体は8万8千円である(これを書いている時点で)。

 もちろん、その代わりファインダーがなかったり手ブレ補正がショボかったりはあるが、ここで何のレンズを使うかが効いてくる。


 上述の通り、私は15mm単焦点 開放f値1.4のレンズを買うつもりでAPS-C本体を選んでいたので、ファインダーや手ブレ補正は元より評価価値が低かった。

15mm単焦点:ズームできないので、写したいものが液晶に写ってるぐらいしか確認する必要がない⇒ファインダーの有用さが少し落ちる

開放f値1.4:小さいf値でシャッターをきれるので、光を多く取り込める⇒シャッタースピードを速くできる⇒手ブレしづらくなる


 まぁ、太陽が眩しい中でのファインダーなしは素直に結構痛手だったり、暗所での撮影で手ブレ補正欲しいとかはあるので、ちょっと機能をオミットしすぎた選択だったかもとは思ったが、やはり8万8千円という軽くバグった値段が理由として大きい。


 次にレンズの話。

 前述の通り、ソニー純正Eマウントの15mm単焦点レンズを選んだが、単に焦点距離だけで選ぶと、10mmや11mmのレンズが近景の最適解になる。

 だが、ここでf値が重要になる。f値は開放値が小さいのが良い。

 ソニーの10mmで撮れるレンズはいずれもズームレンズであり、開放f値が4.0である。割と一般的な数値であり、ボケさせたいという目的に関して言えば、ちょっと控えめ。

 そこで残された選択肢であり、かつ悩んだのが、

・焦点距離11mm 開放f値1.8

・焦点距離15mm 開放f値1.4

 という2つのレンズだった。

  焦点距離で選べば11mm、f値で選べば15mm、価格で選べば11mm。

 ということで、どちらを選んでも何かしらの最適解であり、即決とはいかなかった。

 結局、開放f値の低さで選んだ。

 「近景を撮りたい」というより、どちらかと言えば「ボケさせたい」の方が主目的だったので、さすがにf値の差の方がボケに効いてくるかと考えた結果だった。それに、どうせf値を大きく設定すれば、近景撮影のための調整は後からいくらでも効く。



 ということで、ZV-E10+15mm f1.4という選択をした。

 ちなみに、何気ない副次効果として、APS-C最軽量クラスのZV-E10と、単焦点ゆえにズーム機能などが必要ない軽いレンズの組み合わせにより、非常に小さくまとまって非常に軽い。

 この機動力の高さは、フルサイズカメラでは難しい効果のはずである。


 撮ったもの。


 f値1.4という驚異的な開放により、とんでもなくボケる。
 被写界深度が非常に狭く、被写体の大きさをカバーしきれていないため、被写体の中でピントの合っている部分とボケている部分がわかれている。
 1枚目のオベロンの羽がわかりやすい。

 これにより、写したい対象を非常に明確に示すことが可能で、雑にメッセージ性を強められる。

 まぁ、さすがにボケすぎてる感は否めない。
 が、これだけの圧倒的なボケ感が欲しくなった場合、他のレンズでは難しい、または不可能である。

 これはf値を上げて被写体全部にピントが合うようにしたもの。
 近景特化ということは、フイギュアやプラモ撮りにおいても強いと言える。

 家を出る。
 水族館に行った。









 カメラを被写体に非常に接近させられる水族館は、まさに短い単焦点レンズが非常に活きた。
 札幌に最近できたAOAOに行ってきたのだが、水槽にレンズフードが当たるかどうかレベルで接近できるので、15mm単焦点レンズで「お前が主役だ」という写真を簡単に撮れる。主役以外がいとも簡単にボケて、f値1.4の強さを感じられた。

 また、必要な画角を徒歩で得られるなら、風景としての画角も映える。 


 水族館ではないが、こんなのとか(札幌テレビ塔の展望台)。

 また、これはシャッタースピード優先の撮影(1/1600秒)。
 シャッタースピードを速くすると写真が暗くなるが、開放f値1.4で多く光を取り込めるという補完関係がキレイに決まる。

 ただ、ZV-E10はシャッタースピード優先に切り替える際、「背面ファンクションボタン→右下にカーソルを持っていってシャッタースピード優先モードに→上面のダイヤルでシャッタースピードを選択」という手順になるため、俊敏性に劣る。
 上面のダイヤルに撮影モードを変更するやつがついてないのは、ZV-E10において結構デメリットである。これは購入前にもっと検討すべき点だった。

 このように、15mm単焦点だからこそ映える場所に向かえば、このカメラは非常に強力かつ非常に軽く携帯性に優れると感じた。
 逆に言えば、特に撮影目標が定まっていない場では、15mm単焦点が最適解になる瞬間はそうそう来ない。
 正にサブカメラな性能と言える。

 が、これはレンズ交換可能なカメラである。
 標準レンズ〜望遠レンズを買えば、一気にメインカメラになれるポテンシャルがある。

 ということで、今は70-350mmのレンズが気になっている。
 35mm換算525mmに至り、フルサイズなら40万だとか3ケタ万円になる画角が12万円程度で手に入るという、正にAPS-Cというサイズの強みが活きるレンズである。
 まぁだが、となるとZV-E10で望遠レンズって三脚必須クラスに手ブレエグくね? とか不安もあるので、カメラ本体すら気になってきている。
 落ち着け俺! 貯金何万円だと思ってる! そもそも1型センサーのカメラで満足してただろ! 早まるな!



 まぁ、いずれね。