わり算は難しい。 | 金八先生「廃れた人と書いて、廃人と読むのです」

金八先生「廃れた人と書いて、廃人と読むのです」

人間は滅んだ方がいいと思っている人のブログ

 龍ヶ崎リンさんのこの配信(https://www.youtube.com/watch?v=Oi7ohHXzHjg&feature=youtu.be)を見て思った。

 

 割り算というものは暗算をラクにするためのルールが四則計算の中では特に非常に多く、これを理解しきれていない人が結構な割合いるのではないか、というのが私の持論だ。

 ということで、その数多いルールを紹介するという形で割り算がいかに複雑なものかを述べていきたい。

 

 の前に、

 ↑この問題を解くにあたって、おおよそは、

 

・57-17=40より、80÷5□2×5で40を作ればよいことがわかる

・80÷5=16より、16□2×5で40を作ればよいことになる

・16÷2で8を作ればはちごしじゅー

・「÷」が答え

 

 という思考パターンを踏むと思われるが、これをちょっとショートカットすると、

 

・57-17=40より、80÷5□2×5で40を作ればよいことがわかる(ここまで同じ)

・答えが仮に「×」か「÷」だとすると、「÷5×5=1」なので、80と2で40を作ればよいことがわかる。

・はい。「÷」が答え

 と、非常に簡単に答えがわかってしまう。

 だが、リンさんは↑の配信において「かけ算と割り算ってどっち優先?」と発言していたことから、「÷5×5=1」という発想には至れないかな、と察した。

 

 これこそが私が言いたいことである。

 除算を「÷」を用いて表記することの弊害がこれである。

 

 

 全く別の話題に変えよう。リセットだ。

 まずはこの等式を見てほしい。

 

2×3=3×2

 

 これは当たり前だ。かけ算は数字の順番を入れ替えても同じ答えになる。だが、

 

2÷3=3÷2

 

 これは誤りだ。0.67は1.5ではない。

 これが「かけ算と割り算ってどっち優先?」と発言した要因であると考えられる。除算を「÷」を使って計算すると、(見かけ上の)線形性が崩壊するのだ。

 (見かけ上の)線形性を失わないためには、

 

 

 と表記しなければならない。

 ここで1つ、当時の先生の言葉を思い出してみよう。

 割り算は逆数をかける、というルールを覚えているだろうか。

 つまり、

 こういう式変形が可能、ということだ。

 ただ分母と分子をひっくり返すだけ。何を当たり前なことを、と思うかもしれないが、これを知っていれば非常に簡単な式変形、または考え方で済むものを、非常に遠回しな考え方をして困っていた人を何人も見てきた。「個人の主観だから」と切り捨てれる人数ではない。

 

 

 

 さて、ここでエクセルなどにおいて、1÷3を打ちたいときに何と打つかを考えてみよう。

 まぁ考える間もなく「1/3」なんですけど。

 「/」を用いると、左の数字が分子で右の数字が分母のように見えて、非常に分数らしい記号に見える。だがそのような見方で止まっていると、

 これをエクセルに打つときに

 

2*3/4*5

 

 と打つ人がいるのではないだろうか。

 これでは

 ということになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 いや、失礼。読み手を舐め回すように嘗め腐ったことをした。

 そんなミスを犯すはずがないか。

 真面目に記事を書こう。

 これをエクセルに打つとすると、

 

2*3/(4*5)

 

 かな?

 

 

 

 

 

 シフトキーを押してる暇があったら世界平和について考えた方がいいかもしれない。

 もっと単純な方法がある。

 

2*3/4/5

 

 だ。

 これを当たり前だろと思ったそこのあなた、人間を嘗めない方がいい。これはガチで理解していない人がそこそこいる。経験則だがこれがガチだ。

 自分の主観でしか物事を語らないのは視野が狭いと言うなら言い返そう、視野ではなく世界の方が狭いのだ。

 

 さて、言葉遊びはどうでもいいから式変形をしよう。

 こういうことだ。

 つまり、エクセルなどにおける「/」という記号は「÷」なのだ。分数の横線じゃない。

 

 これを理解したなら、今度はこの式変形を右から左に読んでみよう。そして「割り算は逆数をかける」というルールを思い出してみよう。

 ただ単に「割り算は逆数をかける」というルールに則っているだけだということが伝わるだろうか。

 ただひっくり返しただけ。それを横長だから縦に並べてコンパクトにしただけ。それが右から左への式変形なのだ。

 

 

 

 さて、じゃあ次は指数の考え方に移ってみよう。

 ではまずこれをエクセルに打ってみよう。

 ちょっと悩むだろうか。

 まぁ答え書いちゃうけど、

 

2*3/4/5*6

 

 となる。

 これも「割り算は逆数をかける」というルールに則れば、逆の逆は元通りやろがい、という話なのだが、それを数学的に説明する。 

 

 これをちょっと変な変形をすると、

 となる。

 そして「÷」という記号を「×」変換する際に、指数の符号を逆にするという特性があることから(この文章を読めるなら読む必要がなく、読む必要がある人にとっては読み難いというような説明のすっ飛ばし方をしている)、

 と表記することができる。

 よって、分母にある「÷6」とはただの「×6」である。

 なので「2*3/4/5*6」である。

 

 

 

 さて、最後は少々強引な論調だったが、まぁなんとなく割り算って難しいっていうことが伝わったかと思う。

 私はこれを「暗算をラクにするためのルールが四則計算の中では特に非常に多」いと称した。

 本当にお前四則計算か、というぐらい手計算におけるコツがクソみたいに多いのだコイツは。

 

 計算としては「割り算、除算」もただの「かけ算、乗算」なのだから、その理解を阻害する「÷」という存在が戦犯で、こいつがだいたい悪いが、「割り算、除算」の概念を学ぶことにおいては「÷」から学ばなくては何の計算をしているかがわからない。

 5個のお菓子を3人で分けると2個余って戦争が起きるというアレ。

 この相反する関係が割り算を無駄に難しく見せている原因なのではないかと私は考えている。