スタッフ矢野です。

6月3日に、イベント「水俣・長崎から福島へ 世代や地域を超え語り継ぐこと」を開催しました。イベントの後半におこなったパネルディスカッションの様子続きをお伝えします。
前半の記事はこちらとこちら。

 

 

 

 

 

長崎の高校生平和大使との出会い


 

 

 

一万人署名の「微力だけど無力ではない」長年署名活動を伝えるというテーマで


Bさん:高校生平和大使の人たちとお話しした時に違うなあと感じたのは、彼女たちは周りから聞いた話を伝えていくのが主体となっているせいなのか、伝えていかないという重みの感じ方が違うなって、交流をしてて自分は少し感じました。

深草:自分が体験したことを話していくということと、水俣も長崎も、実際に体験した方は、かなり前のかた、もちろん現在進行形で続いていくこともありますが、高校生平和大使は聞いた話を伝えていく、または3世4世で自分たちが当事者であるのですが、そういった違いがあったのではないか今回学びになったと思います。

Aさん:高校生とお話ししたんですけれど、そういう高校生が現地にいて、福島ではまだそんな形に全然なっていないところが大きいし、すごかいと思った。ですが、実際に福島で何があったかということは知ってましたかと、わかってここに来ていましたか、と聞いた時、あまり知らなかった。多分大変なことはあったかもというくらいで、実際に私たちが経験したそういうことが起こっていて、私たちはこのためにここに学習旅行に来ているという内容は伝わってなかった。
 長崎(で会った高校生)は、「伝えていかなきゃ」という若い人たちだったと思います。でも彼女たちが戦後何十年経っても、伝えていく形を作っているというのが私は驚きというか、逆にこういう方法で伝えるってこともあるんだと目からうろこでした。

矢野:交流会では2つのグループに分かれて話しました。(交流会で出会った)高校生は当時Cさんと同じ幼稚園児、幼児だったから、記憶がないのはわかるんだけど、津波は知っていて、3.11は知っているけれど、福島の原発事故を知らない。平和大使だから(福島原発事故の事も知っているんじゃないかと)ちょっと期待してしいたんですが、こうやって実際に来て、いろんな人の話を聞く、見聞きするということの重要性を感じました。これをきっかけに、平和大使のみなさんにも知ってもらうことが出来たかなと思います。

深草:水俣長崎訪問のきっかけは、「伝えていく」というテーマについて考えるところだったんですが、それは福島で暮らす人々や家族と活動をしているFoE Japanだけの問題ではなくて、いろんなところで(いろんな課題を)どう伝えていいかわからない、全然伝わってない、先ほど永野さんからも隠されている公害がたくさんあるという話がありました。その中で私たちは、Aさんたちとご縁をいただいて、水俣・長崎に行くことが出来て、私たちに伝えられることはなんだろうと本当に改めて考える機会になったと思います。

ぽかぽかについて

 


矢野:ぽかぽかに初めてきた時、Cさんは幼稚園生、Bさんは小学生でした。今二人ともボランティアで活躍してくださっていますが、Cさんは今、ほとんどのぽかぽか(年10回)にボランティアで参加してくれています。

Aさん:ぽかぽかプロジェクトに初期からお世話になっていて、私も避難している時期が少しあって、1か月くらい体育館生活をしていたんですけれど、その時最初に体育館に貼られていたのは、「放射能は飛行機と同じレベルです。安心してください」というチラシを市役所の方が貼りに来ていて、そうなのって思うほど、無知でした。この件に関しては。
 その後、FoE Japan方々が福島に来てくださって、そうではなくて今大変なことが起こっていると満田さん、阪上さんはじめスタッフの方々が、丁寧に勉強会をしてくださり、どうやったら子どもを守れるのか本当に助けられました。それで今に至るのですが、今までぽかぽかに支えられて来て感謝しています。本当にありがとうございました。

Bさん:私はぽかぽかプロジェクトに初めて参加したのは小学生の頃で、4・5年生のころ初めて猪苗代での保養に参加しました。それまで、外に出て遊ぶというのも時間も限られていて、友達と遊ぶ時間も削られている中だったので、正直外で遊んだりすることは、抵抗があったけど、ほかの地域からきている子たちと一緒に遊んでいるうちに、あぁ自分は原発前には、こういう風に楽しく遊んでいたなと記憶を呼び覚まされながら、過ごせるような素敵な場所が出来たのと同時に、新しい友だちも増えていって、自分の中では小さい頃の思い出であるし、素敵な記憶であるなと感じております。本当にありがとうございます。

Cさん:私は、物心つく前から保養に参加していて、遊ぶのが当たり前とか、ものが食べられることも当り前と思いながら、過ごしてきたけれど、ボランティアとして参加したり、学習旅行に参加して、全部が当たり前じゃないし、外で遊べるのも当たり前じゃないということを気づかされて、それをちゃんと周りに伝えていけるような、次の人たちに伝えていけるようになりたいなという思いになりました。ありがとうございました。

 

 

 



深草:4月の頭に学習旅行に行ったばかりで、私自身も経験を消化するのに時間がかかっている中で、3人が本当に言葉にしてくださったことに感謝しています。私たちのこの活動は、皆様からの支えによって成り立っていますので、この保養のプロジェクト、ほんとにいろんな発展をしてきていて、いろんな意味があると思います。素敵な場所にもなっているし、新たな世代が羽ばたいていく場所にもなっています。それはみなさんが支えてくださっているおかげでもありますので、今後も引き続きご支援いただけたら本当にありがたく思います。

 

 

 

最後に

総会イベント報告、とても長くなってしましました。お読みいただいたみなさまありがとうございました。

「福島ぽかぽかプロジェクト」は、猪苗代に拠点を持って10年が経ちました。

ご支援、ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 

矢野