たとえ話。 | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
至高のアスリートにしてアーティスト、
羽生結弦選手を応援しています。

■ 今日の一枚

 

 

同じ花を見て孔雀を連想する人もいれば、星を連想する人もいる。面白いですね。

 

■ 結弦くん、いい笑顔ですね。

 

 

■ 惑星ハニューにようこそ!

Nympheaさん、いつもありがとうございます。動画に早速字幕を入れてくださったエレナさんもありがとうございます。イタリアも今コロナウィルス感染再拡大で大変なことになっているとニュースで聞きましたが、どのようにお過ごしでしょうか。とにかくイタリアのファンの皆さんが無事でいらっしゃることを心から祈っています。

 

 

「Poligono 360 Live」、こんな番組が日本でも見られたらいいのに・・・。

 

マッシさんの結弦くんへの熱い思いが伝わってきて、私も「感情の火山」になりそうでした。イタリアの方は普段の会話でもこんなに豊かな比喩表現を使っていらっしゃるのでしょうか!?もしそうなら、国民全員詩人ですね!!!それともこれも結弦くんにインスパイアされて心の泉からあふれ出る表現なのでしょうか!?

 

アンジェロさんの「フィギュアスケートは主観の占める部分が非常に多いスポーツだ・・・」というくだりは、このスポーツの抱えるナニカを端的に説明しているんじゃないかなと思いました。

 

お話の中で、シャンペリーの学校でアンジェロさんが結弦くんの2017年のヘルシンキでのフリーと、ネイサン選手の2019年のさいたまでのフリーとでバーチャル試合をして激しい議論になった、というくだりがありました。

 

「だから・・・この競技の「美」は間違いなくダリオが先ほど言及したパフォーマンス(ヘルシンキのHope&Legacy)の中に詰まっているけれど・・・見る人の視点によって別の何かが見えることを知り、この競技に貢献している、そして貢献してきた他の選手達を評価するのも素敵なことだ」

 

というアンジェロさんの言葉。マッシさんもそうなんですけれども、なんといいますか、結弦くんを理解し、応援してくださっている方は、本当に今起きていることを冷静で公平な見方をされる方が多くて、そしてそうした見方をされている上で、結弦くんが最高だとおっしゃってくださっているのがいつも嬉しいと思っています。

 

フィギュアスケートって、本当に主観的なスポーツですね・・・。それはこのスポーツの宿命なのでしょうか。

 

だったら・・・そうだとしたら、結弦くんが引退したら、完全に別のスポーツになってしまうんじゃないか、そんな気もしています。いや、でも、結弦くんに憧れている未来のちびっこたちも大勢いますからね、これからも芸術か、スポーツか、いや、どっちもだ、という議論は続いていくのでしょうか・・・。

 

でも、ユヅル・ハニュウのようなスケーターは二度と現れません。フィギュアスケートをフィギュアスケートを超えた高みに導いてしまったことで、そこについていけない、あるいは別の方向性を求めるフィギュアスケート界というものもあるのかなとも思います・・・。

 

それでも、同じ土俵で採点される以上、やはり公平で透明性のあるジャッジでなければ選手も観客も楽しめませんよね・・・。

 

ひとつたとえ話をします。

 

私の父はフィルム写真時代の写真家でした。デジタルカメラの時代が到来し、父はシャッターを切ることを止めてしまいました。私は今もその当時の気持ちを父にたずねたりすることはありません。

 

でも・・・。先日、最近デジタル一眼をいじくりはじめた私に、父が手渡してくれたものがあります。古い、1冊のノートです。それは、半世紀ほど前、父が写真学校で撮影技術を学んでいた時の研究ノートです。

 

撮影時のライティングや、絞り、ピントの合わせ方・・・。状況に応じてこの時はこうした方がよい、という自分なりの研究が、細かな字でびっしりと記されていました。それ自体は、デジタル化された今の時代だって、撮影者は一通り勉強しなくてはならないことでしょう。

 

でも、私はあるページを見て胸が詰まりました・・・。

 

メチルアルコール 50cc

メトール       14g

無水亜硫酸ソーダ 50g

ハイドロキノン 14g

か性ソーダ 9g

臭化カリ 9g

水を加えて 1000cc

この現像液は使用10時間前に調合し、保存が効かない。20℃ 4-6分で使い、その都度捨てる。アルカリ性が強いから感光膜軟化に特に注意・・・云々

 

現像液の配合と注意事項ですね。読んだって何を言っているのかさっぱりわかりません。

 

でも、その昔、写真は今の時代のように撮りながら確認することはできませんでした。ひととおりライティングをセッティングした後、ポラロイドカメラで撮影して状況を確認することもあったけれど、すべては現場で一発勝負で撮影していたのだと父に聞いたことがあります。

 

そして、撮影と言ったら現像まで自分でこなして、ようやく1枚の写真が仕上がる訳です。その現像液ですら使用10時間前に調合しなければならなかった。

 

現像の過程も撮影の過程ですよね。そうした途方もない手間暇をかけ、やがて現像液に浮かび上がる作品の影・・・。その時代、写真を生業とされていた人々は、いったいどんな思いでその「瞬間」を待っていたことでしょう。

 

たった1枚の写真が浮かび上がるのを、固唾を呑んで見守っていたに違いありません。

 

もちろん、今だって現像液は存在しますが、おそらく使われる方は配合済みの出来合いのものを使うことが多いのではないかと思いますし、第一、スピードが求められる現代です。フィギュアスケートの写真だって、撮った瞬間にネットニュースに流れていくぐらいのスピード感で時代は動いていますから、現像液を使って呑気に現像しているような時代ではなくなってしまいました。

 

デジカメもミラーレスの時代になり、高画素化、軽量化、高性能化が恐るべき速さで進んでいます。現像液の配合の仕方なんて知らなくたって、写真を撮ることはできるし、同じメモリーを初期化すれば、何度だって撮影の練習もできますし、現像だってプリンターで好みの設定をすれば一瞬でオーケーの時代です。

 

およそ半世紀前の父の撮影研究ノートを眺めながら、「フィルム写真には敵わないなぁ・・・」と、私は、思いました・・・。

 

もちろん、デジタルにはデジタルにしかできない表現というものがあります。特に色彩の豊かさだったりスピードが問われるジャンルでは、フィルム写真は敵いっこありません。

 

それでも、「表現」というテーマを考えた時、ここまで表現者自らが関わり、手を加え、我が子を取り上げるように現像液からすくい出した一枚というものが、たとえ古い、昔のものだ、と言われようとも、現代のデジタル写真に劣るとは私には思えないんですね・・・。

 

いや、「表現」というテーマを考えた時、むしろより大きな自由さを獲得できるのはフィルム写真の方ではないか、そんな気すらしました。

 

父はどんな思いで、この時代の移り変わりを見届けたのだろう・・・。それを思うとふと切なくなることがあります。

 

「写真」と一口に言っても、こうしたフィルム写真とデジタル写真ではこのような違いがあります。

 

このたとえ話は私にしかない感覚なのかもしれませんが・・・。

 

例えて言うならば、結弦くんがスケートで挑戦している『表現』というものは、このフィルム写真でなされる表現と近いような気がするのです。

 

 

衣装の色、デザインへのこだわり、プログラムの背景の研究と解釈等々・・・それらは、フィルム時代の現像液の調合と似ています。出来合いのものは使わない。自分が表現したいイメージに向けて、配合を変え、温度を変え、時間や浸し方までをも計算する。

 

そんな気の遠くなるような作業のすべては・・・

自分が目指すイメージを表現するため、ただ、そのためなんですよね。

 

今更ながらですが、あちこち破れた半世紀前の父の研究ノートを見て、私は父は芸術家だったんだと思いました。

 

フィギュアスケートがこれからもスポーツと芸術の融合を求めていくものならば、後にも先にも、羽生結弦を超える選手はいません。結弦くんこそアスリートでありアーティストです。

 

陰になり日向になり、ファンの皆さんはいつも結弦くんを守ろうとしてくださっています。スケートの神様もいつだって結弦くんの味方です。その力は決して、無力ではありません。

 

結弦くん、辛いこと、苦しいこと、誰よりもたくさん抱えているだろうと思うと胸が詰まります。

 

でも、結弦くんがスケートで、言葉で、励まし続けてくれた人々は世界中に数えきれないほどたくさんいて、どんな時も、結弦くんを守ろうと、どんな時も、結弦くんの幸せを祈ろうと、いつも心から思っています。

 

多くの人々に、結弦くんの途方もない時間と努力を注いできた表現、その芸術性は、魂に沁みとおるように伝わっています。だからこそ、結弦くんにはこんなにも多くのファンが世界中にいるのです。

 

どんな言葉も、それを向けた相手ではなく、それを発した人が、一番大きな影響をうけます。なぜなら、一番近くでその言葉に接するのは他でもない自分自身だからです。

 

結弦くん、こんな時間が長く続いて本当に大変だと思います。でも、必ず、今の努力がカタチとなって実る日がやってきます。それまで、私も成長し、またたくましくなった結弦くんに会えることを楽しみに、このコロナ禍を生き抜いていきたいと思います。

 

明日も、結弦くんとファンの皆さんの健康と幸せが守られますように。

 

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