日本のお茶の間応援団の皆様からメッセージをいただいています。
言霊を信じてコメント欄じゃなくてメッセージにしてくださっている皆さんの優しい心遣いとご心配に、現地にいた者として率直な印象をお伝えしますね。
現地にいると情報難民になるので、日本のメディアがいったいどんな報道をしているのかあまりわかりませんが、結弦くんは絶好調に近いコンディションにあるという印象は変わりません。
ヘルシンキに来る時に偶然ブライアンと居合わせたという友人が聞いたことは、間違いないと思います。ブライアン曰く、結弦くんは『かつてないほど好調だ』と。
今日はパーフェクトを狙い過ぎて少しサルコウに入るスピードが慎重になっただけかもしれない。結弦くんは依然として、フリーで世界記録を更新するチャンスがうかがえるほど、調子がよく見えます。
今日、彼に起きたことは誰にでも起きうるし、たまたま今日は彼の番だったというと語弊があるかもしれませんが、高難度ジャンプに皆が挑戦するようになった結果、こうしたことは誰の身にも起きうる時代が到来したのです。
今日のクレイジーは、本当にクレイジーな演技で、サルコウのちょっとしたミス以外は完璧で、演技終了後のアリーナは100点越えを疑う余地もないほど、興奮のるつぼと化していました。
どよめきはしばらくおさまらず、スタンドの興奮指数はマルセイユを上回りました。私も思わず叫んでしまったほどです。
公開練習から6分間練習、そして本番への流れを見てきましたが、上がってきているのは素人目にもわかるくらい、結弦くんは調子が良さそうなのです。
たまたま起きたことに悲観しちゃいけません。
それに、結弦くん、本当に楽しんでいました。今日の男子の演技の中で、一番観客をクレイジーにさせ、観客とコネクトしたのは、間違いなく結弦くんでした。
だから、皆さん、眠れなくなるほど心配なんてしないでくださいね。
ジャンプは本当に修正にかかる時間が短くなっていて、上がり調子なんです。
一番滑走で現れた課題を克服する機会がまたすぐ来るなんて、彼はどこまでスケートの神様に愛されているのでしょう。
結弦くんとネイサンがこのままで終わるはずがありません。一番注目を集めた二人にかかったプレッシャーはこの結果によって分散されます。結弦くんは少し解放されるのです。
シーズンの出遅れをここまで戻し、それだけじゃなくて難易度を上げてきた結弦くんのホプレガの完成には、これぐらいの『起爆剤』が必要だったのです。
フィンランドでホプレガを連想してきた不思議・・・。今、こうした筋書きだったのかと思いました。
フリーまで一日あります。フィンランドの大地に、風に、木に、月に、太陽に祈りましょう。私たちの結弦くんへの感謝の気持ちが、今こそ、彼を支える力となりますように。
結弦くん、今日のクレイジー、本当に素晴らしかった。生涯忘れられない瞬間をありがとう。
フリーはきっと、思い通りの演技ができますよ。そのために、今日の出来事があったのだから…。
すべてはひとつの線でつながっている。それを誰よりも知っているのは結弦くんです。
結果は後からついてくる。ホープアンドレガシーを全身全霊で演じてください。
私たちにとって、結弦くんは永遠の金メダリストです。期待になんて応えなくていい。ただあなたのスケートに幸せをもらった私たちは、感謝の気持ちでいっぱいです。