※当記事、投稿日の23時過ぎに誤植二カ所と、マクマスター氏の肩書きを書き換えました。また同時に、トルコ政府とクルド人の関係について、一方が他方に攻撃しているように読めたので、双方に言い分あり、という感じに書き改めました。私の傾向は、ややクルド人贔屓だと思います…クルドについて、そう詳しいわけじゃないんですけどね。「アメリカの大義」を、どっかで信じ続けているからかも…



おいおい、トランプまじで一貫性ないな!と思った件。

シリアという国があります。本ブログでは何度か言及してきましたが、「第二次世界大戦後最悪の人道危機」とまで言われる状況にあった国です。「あった」と過去形なのは、去年末にアレッポという町で、民間人の犠牲者が出るのも構わずロシアなどが市街地に苛烈な空爆をし、それが一つのクライマックスとなって、アレッポでの戦いが落ち着いてからは報道も減っていたためです。

が、未だに互いを敵視する複数の勢力が存在する状態は続いているし、問題はこの国のアサド大統領。民主化を求める運動を、軍を動員した殺害を含む手段で圧殺しています。(もっとも、民主化を求めるデモとアサド政権の対立構図に、見る間にISやらクルド人やら、いろんな勢力が混ざったから、もはや素人には誰と誰が戦っているのかパッと見では分からない……)

ロシアはアサド政権を支持しています。他方、アメリカの前オバマ政権は一貫してアサド大統領の退陣を求めてきましたが、ロシアと仲良し・トランプ政権になって、「アサドでもいいんじゃない?」「アサド政権で良いかどうかはシリアの国民に任せるべきだよね」などと、アサド批判を弱めてきた。

それが、一転、これだ。


米 シリアの化学兵器疑惑でアサド政権に対抗措置検討
4月7日 6時04分 NHK NEWS WEB
※リンクはすぐに切れてしまうかも……

アメリカのティラーソン国務長官は、シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことについて、アサド政権によるものだとしたうえで、「重大な措置が必要だ」と述べ、トランプ政権として対抗措置を検討していることを明らかにしました。アメリカの複数のメディアは、アサド政権に対する空爆が選択肢として検討されていると伝えています。
……(中略)……
また、ティラーソン長官は……(中略)……アサド政権を支援するロシアに対し、関与を見直すよう求めました。
この問題で、トランプ大統領は5日、「一線を越えている。シリアとアサドに対する私の姿勢は大きく変わった」と述べて、アサド政権に対し、より厳しい姿勢で臨む構えを示しています。



まぁ、良いんだが。アサドはやりすぎだと思うから。そんなことばっかりしてると潰すぞテメェ、ってことで良いと思うんですが。(潰したら良くなるか、というと、ならないんですけどねぇ……)それにしてもトランプ政権、方針が変わります。
まぁ、まぁ、コロコロ変わるというよりは、トランプやバノンを中心とするエキセントリックな考えが力を失って、マティスやマクマスターあたりがまともな路線を打ち出してくれているのかな。

なお、関係する他国の反応。引用もとは、引き続きNHK NEWS WEBです。


プーチン大統領は6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、シリアの反政府勢力や欧米諸国が、アサド政権が化学兵器を使用したと非難していることについて、「入念で公平な国際的な調査も行われておらず、根拠のない非難は受け入れられない」と述べ、強く反発しました。


ん? ロシアはイスラエルに擦り寄っているのか???
私の不勉強で、前からかも知れないですが、現状ではトランプの深く信任する娘婿(イヴァンカの旦那)ジャレッド・クシュナーが敬虔なユダヤ教徒だそうで、その彼が中東政策に関わっているせいか、イスラエルとは過剰に仲良しという印象でした。だったらロシアとイスラエルは……いやロシアとトランプが仲良しなら、「米・露・イスラエル」の三角連合が成立するのか。
だが、トランプ政権はイスラエルとも距離を取りつつあると言われており、ロシアとイスラエルが改めて接近している可能性はあるかも?

ちょっとこの部分はよく分からない。
お次は、トルコの反応。


アサド政権に対し、アメリカのトランプ政権が対抗措置を検討していることについて、アサド政権の退陣を強く求めてきたトルコのエルドアン大統領は6日、地元テレビのインタビューで、トランプ政権の姿勢を歓迎したうえで、「発言が実行されないままであってはならない。行動が起こされれば、われわれも役割を果たす用意がある」と述べ、アメリカが対抗措置をとれば、トルコとして支援する考えを示しました。
また、アサド政権を支援するロシアが政権側の関与を否定していることについて「悲しむべきことだ」と述べ、ロシアに姿勢を改めるよう求めました。



あれぇ?? こっちはいつの間に仲良くなった??
トルコのエルドアンという人も独裁者と呼ばれている人ですが、ここのところずっと、アメリカを敵視しロシアと共同歩調をとっていた。理由は明瞭で、トルコはクルド人が嫌い(国内に多数居住しており、国家分裂の火種になりかねない存在。すでにトルコ政府に対してテロを繰り広げているし、トルコ政府はクルド系住民に抑圧的な対応をとっている模様)なのに、アメリカはシリアのクルド人勢力を支援して、打倒ISの戦力にしようとしたから。
でもまぁ、元からトルコはアンチ・アサドだったから、アメリカのクルド人支援は気に入らないが、アサド批判はオーケーなのか。



とか書きかけて赤ん坊に気を取られていたら、もう米軍がシリアの空軍基地に空爆をした!
攻撃決めるのはやっ!
そんなんでいいのか? 事実関係や攻撃目標の選定は正しかったのか?? 関係国への根回しはしたか???
軍事作戦はマティス長官やマクマスター安全保障担当補佐官が関わっているだろうから、そう無責任な動きだったとは想像しないんでありますが……
こういうことされると、北朝鮮にも、何かあって10時間以内にはすでに平壌に攻撃がなされているとか、ありそうでおっかないですねぇ……
それで正恩くんが自暴自棄でありったけの照準設定済みの核を発射したりすると、日本に核が降ってくるリスクがあるんですけども……

ブレーキが効いているんだかいないんだか。。。
朝から「ウホッ」としょーもないセリフを口走ってしまった……いいニュース……
アメリカ版ネトウヨの領袖にして、大統領選中から一貫してトランプ政権の影の実力者と目されていたスティーブ・バノンという人がおります。


迷走人事が浮き彫りにしたホワイトハウスの権力者バノン
2017年2月23日(木)10時30分
ダン・ドゥ・ルース(Newsweek日本版)


が、この人がNSC(国家安全保障会議)から外れるそうで。


トランプ大統領、バノン首席戦略官を国家安全保障会議から外す
2017年4月6日 01:01 JST 更新日時 2017年4月6日 04:39 JST
Jennifer Jacobs (Bloomberg)


ざまみろ。
とか思うわけですwww

代わって権限が強化されるのはマクマスター氏。


トランプ政権のマクマスター新補佐官、安全保障に食い違い
2017年2月23日(木)09時59分


軍人。良くも悪くも、我々のよく知っているアメリカ的な対外政策・安全保障概念の持ち主。
個人的には、国務長官のティラーソン(前職は石油メジャーの一角・エクソンモービルのCEO。最初はロシアと近いと言われたり、トランプと同類と看做されることも多かったが、就任以降はイメージが変わった)と、国防長官のマティスと、この安全保障担当補佐官マクマスターの三人が、「安心感のあるトランプ政権閣僚」と思ってます。ティラーソンはハブられ気味という説もありますが。


来日したティラーソン米国務長官、同行記者1人、影響力なし
2017年3月17日(金)06時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


そして、バノンを追い出したのは「安心できる」マクマスターじゃなくて「不安にさせる」ジャレッド・クシュナーかも知れないですが……そのへんは、また。

※17:05追記
政権は否定するも、バノンとマクマスターの権力闘争でマクマスターが勝ったとの見方。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/nsc-1_1.php
エジプトは2017年4月現在、シシ大統領という人が政権を握っています。悪名高い独裁者。と、以前他の記事に書きましたが、実はワタクシ、あまり実態を知らなかった。「ひどいらしい」という程度で。
しかし、この記事を読むと想像以上だ。

独裁エジプトに再度の市民蜂起が迫る
2016年5月18日(水)19時21分
ジャニーン・ディジョバンニ(中東担当エディター)Newsweek日本版

一年近く前の記事でした。読んでいなかった自分の不勉強が恥ずかしい。
ちなみに、そんなシシ大統領とも、我らが合衆国皇帝・トランプ閣下は握手を交わされます。

トランプ、オバマが嫌ったエジプト大統領に「素晴らしい仕事」
2017年4月4日(火)15時44分
マシュー・クーパー Newsweek日本版

まったく面白いギャグを連発する男だな……さすがバラエティー番組の看板。
なお、エジプト政府もちょっとしたギャグをかましている。

困窮エジプトの無謀な宇宙開発
2017年3月29日(水)10時30分
ルース・マイケルソン Newsweek日本版