「シンギュラリティ」という言葉があります。技術的特異点……とかいう訳語が編み出されていますが、元の言葉の響きをガン無視した訳です。意味は、検索するといろんな人が解説していますが……スピリチュアル系の方々が使い倒しているので、「頭がちょっぴり不思議な人が好んで使う言葉」「定義は人によって違う。みんな好き放題に使っている」てな言葉になっているかと思います。

が、改めて記憶を辿ると、確か「人工知能が人間の知性から独立して自力で進歩をはじめ、その結果を実社会に反映させられるようになり、人間が完全に置いてけぼりにされる時」てな感じだったかと思います。そのためには、人工知能が進歩するだけでなく、人工知能が考えたことを現実に移すための手足が必要です。世界中に増加し続けているネットに接続した装置を手足として使えば、あるいはすでに手足は用意されているのかもしれませんが、基本的にはAI開発も途上なら、そのAIに手足となる機械の制御をさせる事も、まだ少しずつ実験が始まったにすぎない。

が、このニュースはどうでしょう。

「AlphaGo」が進化 囲碁の打ち手教えずに従来型破る
10月19日 4時30分 NHK NEWS WEB

……囲碁の基本ルール以外には何も教えず、わずか3日間で500万回の対戦をひとりでに繰り返して強さを身につけた結果、トップ棋士を破った従来型の人工知能に圧勝したということです。
さらに、新型の人工知能は白紙の状態から学習する中で、数千年におよぶ囲碁の歴史で人間が編み出してきた「定石」と呼ばれる、最善の手をいくつも思いついただけでなく、全く新しい「定石」を生み出したとしています。
研究チームは人工知能はもはや人間の知識に制約されなくなったとしており、今後、地球温暖化対策や医療システムの改善など、さまざまな課題の解決に役立てられるとしています。


額面通りに受け取れば、人間の手ほどきも、人間のこれまで蓄積した知識も不要で、三日で人類の(囲碁の)歴史を更新した、と読めます。さらに、この成果は囲碁だけでなく、環境問題や医療にも適用する、と。

シンギュラリティぽくないですか。人間なんかもういらないよ、的な。

医者も、環境問題の研究者も、もしかすると企業経営者も、現実を数字に落とし込むのが上手なデータサイエンティストとAIに置き換えられていくのは、どうも不可避な気がしている昨今です。
仕事が単純で数字のみの問題だった金融トレーダーは、既にかなりAIに置き換えられているみたいに聞きますしねぇ……
そんなこんなで衆議院選挙の投票日が迫っている。政権の支持率は上がらず、与党・自民党の候補者が政権幹部の選挙応援演説を忌避しているとか。そんな選挙だが、選挙といえば同時に最高裁判所裁判官の国民審査が行われる。

Twitter経由で聞くところでは、今の最高裁の裁判官には「元・加計学園理事の木澤克之」なる人物がいるとか。あの加計学園関係者である。これはかなり怪しい臭いがする。

元来、私は日本の三権分立は全く機能していないと感じてきた。衆議院の最大会派が首相を決める以上、内閣と国会がある程度共同歩調になってしまうのは仕方がない。(むしろ両者が完全に対立したら政治が滞るのはアメリカでよく見られる風景)だが、司法はわりと独立していて欲しいと感じる。
まぁ、これがアメリカでも共和党が選挙で勝ったために最高裁判事の空席が共和党支持者になったとか聞くので、日本だけの現象でもないのだろうが、あまりベタベタに癒着しているのは、極めてまずい。自民党が調子に乗っている事なんかより、この「司法の独立性に疑問がある」事こそは日本政治最大の問題ではないかと思っている。

というわけで、木澤克之にはバツのつもりでいる。
というか、これまたTwitterのTLに流れてきた意見だが、今の最高裁判事はテロ等準備罪にも違憲立法審査を行わない時点で全員バツ、なんて意見も聞いた。それもそうだな、と思ったので、今回は全員にバツをつける予定。乱暴だけれど、これ以上丁寧にはやっていられないし、乱暴になるならやるべきでない、と言っていられるほど世間は穏便ではないと思っている。


ところで、NHKがWEB特集で、この国民審査を取り上げていた。

お忘れなく! “憲法の番人” 国民審査
WEB特集
10月19日 18時20分 NHK NEWS WEB

ふーん、と目を通していたら、「木澤克之 裁判官は東京都生まれの66歳です。弁護士として司法研修所の教官などを歴任し、学校法人「加計学園」の監事を経て、去年7月に就任しました。」と、バッチリ書いてあって「フォッ!!」と上ずった声を上げてしまった。NHKは御用メディアだ等とバッシングされる事もあるし、近頃では記者の過労死問題なども話題になったが、なかなかどうして、ちょいちょい良い仕事もしていると思う。障がい者への理解を求める記事を出し続けたり、中国共産党大会について、かなり充実した特集を組んだり。


そうそう。衆院選に向けてポリタスも動いている。


今般の社会情勢は絶望的でカナダあたりに亡命も検討、などと書きたてた後で恥ずかしいが、別にあと三ヶ月以内に移住を完了するというつもりでもないし、選挙が終わっても社会の事はきちんと見て、発言力などは無いけれど、少なくとも自分の意見というものを持つようにしたいと思う。
後のための備忘録、という面も含めて、思い出す関連事項をいろいろ盛り込んで書いています。お読み下さる方々におかれましては、読みにくい点がある事、ご容赦下さい。

2017年秋、安倍晋三首相が突然、衆議院解散、総選挙を言い出した。

森友学園・加計学園のスキャンダルが盛んに報道され、続報も出ていた最中。モリカケ隠しのための解散総選挙ではないか、と言われた。

それ以前の自衛隊南スーダン派遣あたりから続く防衛省、財務省、文科省などでの文書破棄ないし隠蔽の疑いでも安倍政権は揺れていた。南スーダンと防衛省の件では、当時の防衛大臣、稲田朋美が辞職に追い込まれた。内閣改造が行われた。しかし、新内閣の閣僚が国会答弁に立つことは一度もなく、解散総選挙が行われ、改めて首相の指名と、組閣が行われる。

一方で北朝鮮・金正恩体制のミサイル開発がアメリカ本土を射程に収めるのではと言われるようになり、水爆実験と思しき核実験も強行され、アメリカのトランプ大統領はTwitterで武力攻撃を示唆する発言を続け、かつ金正恩を「チビのロケット野郎(たしかlittle rocket manだったか)」と嘲弄。個人的には、金正恩体制からのメッセージが、例えばグアム攻撃を示唆する場合には「グアムにミサイルぶち込むぞゴルァ」ではなく「グアム周辺にミサイルを撃ち込む計画を慎重に検討するぞゴルァ」とか、キレてるようでいて留保も忘れないような計算高さを感じる反面、トランプは全てを忘れて気ままにツイートしている感じがして(側近が苦しい言い訳をしたり、大統領の演説中に側近が険しい表情をするあたり、マジで大統領は気ままに振舞っているとしか思われない)リーダーに関して言えば北朝鮮の方がアメリカよりマトモと思ってしまう国際情勢。
中国の習近平体制と、ロシアのプーチン大帝は、常に国際秩序に挑戦し、自国の国威発揚に努めている。

国内の情勢は悪化の一途をたどっていると私は思う。根本的な問題は少子高齢化で、それが需要の不足による経済の停滞、労働力の不足、介護や医療など社会保障負担の増大(国家財政の悪化や、それを改善するための増税といった事もあるが、親の介護のために仕事を離れた中高年世代が生活に行き詰まる問題も極めて深刻だと思う)に背景から地味に効き続けている。少子高齢化が改善されない以上は、これらの諸問題も改善は難しいと思う。だが、恐らく少子高齢化は10年以内に改善の目処が立つことはないと思う。今もそれなりに無残な状況だが、これから更に地獄は深まる。