2023年 

コロナ禍で自粛生活となったのをきっかけに、いろいろな出来事を記録しようというくらいの軽いノリで書き綴ってきた『僕の自粛日誌』も、なんと『その⑪』にまでになった。

一時はタイトルに “やや終わりに差し掛かった” と入れはしたものの、コロナ第9波の猛威から “また逆戻りとなった” と入れ直し、これからも自分の記録として、気楽に書き続けて行こうと思う。

 

9月末

前回の自粛日誌をブログにアップしてから数日後、予期せず嬉しい連絡があった。

僕の「絵になる景色でワンフレーズ」という募集企画で公開したハーモニカのミニ動画をモデルにして、水彩の絵を描かれたという方がおられ、わざわざ同じ絵をもう一枚描いて並べ、Instagramで間違い探しクイズ企画を考えてくれたというのだ。

 

 

今までにも数回ほど僕のハーモニカのショート動画にコメントをくれた事のある女性で、僕はあまり考え無しに英語で返事を書いていたのだけれど、今回改めて翻訳ソフトで言葉を調べると、なんと「ロシア語圏」の方だった。

急ぎ翻訳ソフトで作成したロシア語で返事を書き直し、クイズイベントに協力をするべく、自分なりに間違い探しの答えを添えて、ご本人へDMを送ってみた。

何度かやり取りをしたところ、とても感じの良い方だった。

その翌日、別の動画作品を気に入ったという方からコメントをいただく。早速同じソフトで翻訳をしてみると、今度は「ウクライナ」の方だった。

ロシアのウクライナ侵攻は依然として終わる気配は無い中で、こうして自分のSNSですれ違いにコメントが行き来するのが不思議な感じだった。

もちろん毎日ニュースに目を通すようにはしているし、僕は個人的にロシア研究の第一人者である小泉悠さんのファンなので、ウクライナ侵攻には関心のある方だとは思うけれど、この事でなおさらに、できる限り双方を色眼鏡で見ないようにしようとは思った。

ロシアにもウクライナにも、いろいろな人がいるはずなのだ。

 

 

10月になる。

嬉しいニュースをX(旧Twitter)に出せる事になった。僕の「ベンドのやり方」というハーモニカの技術面の紹介をしたYouTube動画が、なんと20万回再生を突破したのだ!!

 

 

YouTuberではない僕なんかからすれば凄まじい数字ではあるものの、なんだかあまり実感がない。特に「バズった」という訳でもないのだけれど、5年もの長い間、とにかく早朝から夜中まで、なんとなく回り続けていてくれる、僕のようなマイナーミュージシャンには奇跡の動画だ。

この動画のおかげで、チャンネル登録をして下さる方も多く、広告も付けられたのでありがたい限りだ。

改めて、この場で御礼を申し上げたい。

みなさま、誠に有難うございました!!

 

さて、涼しくなって来たという事で、すぐに始まるのが「季節待ち」で先延ばしにしていた課題への着手だ。

僕が企画した「hamonicafe_one(ハモニカフェ・ワン)」という動画投稿の募集企画のための撮影で、基本は外でのロケになるのだけれど、この頃、予期しなかった理由で外で動ける日が増える事になってしまった。それは、僕のオンラインレッスンの生徒さんからの、コロナやインフルエンザなどの感染の連絡が相次いだからだった。みなさん地域もまちまちなので、リアルに全国的な感染の拡大を感じざるを得ない。

もちろん、僕のレッスンはオンラインなので感染には無関係なのだけれど、呼吸楽器なだけに感染時の心当たりを聞きたいところではあった。演奏などでなければ良いのだけれど。

残念ながら無症状で済んだという気楽な人はほとんどおらず、その後も体調が戻らなかったり、倦怠感がとれないという方もおられた。

僕のレッスンは最悪前日までにご連絡をいただければ、その日のキャンセル分のレッスン料は延期扱いで大丈夫というルールにしているのだけれど、コロナやインフルエンザなどの急病であれば、もちろん特例として当日キャンセルでも構わない。個人でやっている分そこらへんは自由にできるのが利点でもあるのだから。

 

逆にキャンセルが多い方は、前日頃に「明日の空いている時間は?」と聞いていただいてから決めるようにオススメしている。要は僕が空いていればいいのだから。

最近はLINEやMessengerを使う人も増え、バリエーションに戸惑うこともあるけれど、全てスマホのアプリで受けられるため、出先でもすぐに予約の返事ができるので大助かりだ。なんだかんだで、僕は時代に適応している方なのかもしれない。

 

 

 

10月初旬。

冒頭から、世間ではジャニーズの性加害問題が話題を席巻する。

ジャニー喜多川からの性加害相談窓口を設けるやいなや、2週間で500人近くの方から相談があり、その内300人以上が補償を求めているという状況となり、被害者の総数は3桁どころか4桁まで行くのは確実になって来た。ここまで来ると大げさではなく、人類史に残る性犯罪規模となるのかもしれない。これからはジャニー喜多川を異常犯罪者として分析する心理分析や性犯罪の専門書が、世界中で大量に書かれる事になりそうだ。

さらにすごいのは「被害者の救済後に廃業」「社名及び、チーム名の変更」などの反省色を強く出したジャニーズ社側の記者会見だというのに、司会者が「指名しないリスト」を持ち、不都合な質問を排除し続けたという事だ。それが会見の直後に証拠付きでバレてしまい、当然「反省の色無し」となり、さらに大炎上する事になった。

「鈴木エイト」や「望月衣塑子」といった癖の強いジャーナリスト達がそのリストに入っていたのだけれど、いずれも食らいついたら離さないプロの記者達だ。そのリストにのるという事は確実な仕事をしているという証だろうし、逆に今では、忖度をしない貴重な存在と知らしめた訳だ。

 

さらに会見中、ジャニーズ側の「落ち着いて、冷静に、子供達が観ているので」という発言に、数名の記者が拍手喝采を送るという珍事も起こった。

そもそも子供達の被害を作り続けた企業の謝罪会見の席で、このセリフを言う加害者側の代表も、それに拍手をするメディア側も、双方異常なものがある。まるで全体がカルト教団そのものだ。

後日判明するのだけれど、その拍手は、300人も集まった記者達に混じった数人のマスク姿で見た目を統一させた芸能専門の女性記者集団らしく、拍手については「言葉に感動した」「マイクを通さない記者の質問を打ち切った事への賛辞」との物言いだった。

かなり無理がある言い分だし、むろんジャニーズ側との利害関係の賜物だろうけれど、ここまで来ると、日本のメディアはいよいよ混迷を極めて来た感じがする。SNSレベルの落ちぶれ方だ。

 

何にしても、この会見はかなり大きなメディアの分岐点となったようにも感じた。

大手テレビ局、新聞社など、すでにまともに機能していない状況が鮮明となり、今後の自分で選んで行くしか無い「完全有料メディア時代」への幕開けのような出来事だった。

当然、ニュースには嘘や演出はいらない。記者達に好感度を求める必要もない。それらのせいで、日本は世界中の信用をすでに失ったのだから。

僕は、さすがにそういうメディアやスポンサーのボイコットまではしようとまでは思わないけれど、それなりに記事を閲覧できないような設定にしたりして、今まで以上にしっかりとその種のメディアの選別はして行こうと思う。

 

もう10年近く前にアメリカが言った。「テロの戦いは終わった。これからはカルトとの戦いだ」と。全くその通りになってしまったようだけれど、まさか、カルトにメディアまでも含まれていようとは。

 

この時期、厚労省から新型コロナの感染者により、5歳~29歳が70%前後抗体を保有という発表が出る。つまり「集団免疫を獲得しつつある」という主旨の話のようだけれど、なんとこれがあろう事か「誤報」らしいのだ。

抗体は2~3ヶ月しか持たないらしく、そもそもはコロナの集団免疫という考え方自体が間違っていたらしい。それを堂々と大手メディアを通して発表するって、一体どういう事なのだろうか。本当に、人口を減らしたいのだろうかとさえ思えて来る。これもまた、カルトメディアという事なのだろうか。

 

同じ頃、かみさんと車で外出をした際、たまたま立ち寄ったテーマパーク風の施設で、10分後には夜のライトアップのカウントダウンイベントが始まるという良いタイミングに出くわした。

 

 

肌寒さの中で観る幻想的な景色は、なかなかのものだった。

記念式典という事で、マイクを使ったスピーチで、市長や議員らしき役職の人物が数人登壇し、さかんに「コロナ明け」という言葉を使うのだけれど、今の状況を知らん訳でもあるまいに。ここまで来るともはや洗脳に近いものを感じた。

野外施設といえど、僕とかみさん以外にあと数えるほどしかマスクを付けている人はおらず、ほとんどの人はノーマスクで、コロナに対しノーガードの振る舞いだった。いかにも「コロナ明け」という感じがして来る。原因がコロナであれ、インフルであれ、2200以上の学校が休校や学級閉鎖をしてしまっている国の状況とは到底思えない。

 

 

10月中旬となる。

僕は新たなる動画コンテンツの編集で四苦八苦していた。今年発表した「ブルースハーモニカ音頭」という曲の「演奏者向け解説動画」を作るためだ。

撮影はわずかで済ませられたものの、事前に用意しておくはめ込み画像やイラストなどの制作もあり、事前準備に半月ほど掛けた大作となった。

1本あたり3分から6分程度の短い内容なのだけれど、なんと全14本ものシリーズ物で、もちろん全体の統一感が大切だ。そのためフォントや色味を合わせたりと、動画同士の監修作業が大変な手間になった。

おまけに、今回は「プレミア・プロ」という僕にとっては新たなるソフトを使っての作業のため、ちくいち使い方をかみさんに習い、自分用のアンチョコを作り、それとにらめっこしながら作業を続ける。そのせいで普段の3倍以上の時間が必要になった。

かなりの画面のクオリティーアップが見込めるこのソフトの使い方を、いずれは覚えなければならなかったのだけれど、充分に使いこなせるようになる前に配信する映像作品には、正直不安が残る。

 

今回の動画の内容は「ハモさん」という、かつて自分が配信したWeb番組で考えたマペットのキャラクターを使いながら「掛け合いトーク」で進めて行くもので、番組で最も人気があったコーナーだ。

さして考えず、安易に既製品の「セサミストリート」のヌイグルミに手を加えたものを使っているため、いつYouTube側にバンされてもおかしくはない状況なのだけれど、群を抜いて反響が強いため、なかなか変えられずにここまで来てしまった。

このハモさんは、キャラクター設定上「僕のハーモニカの師匠」という事になっているので、技術的な差をつけるため、ハモさんの方のハーモニカ演奏はちゃんとやって、僕自身の演奏は、あえてつたない感じでやるようにしている。

片手が完全に塞がってしまうため、ハンドビブラートなど、ハーモニカ独特の手を動かす演奏技術が全く使えないのが最大の難点で、今回は一部のシーンで人形側に「かみさんの手」を借りての収録となった。

 

今回の14本の動画の全てが「ブルースハーモニカ音頭」をどのように吹くかという、ハーモニカを吹く人向けのワンポイントレッスンのような動画コンテンツだ。

まだ、アプローチできていないハーモニカテーマもさまざまある中で、解説する曲名に「ブルース」という言葉がつく性質上、今回は王道中の王道のテーマを選ぶ事になった。それは「ブルースマン」をテーマにした内容だ。

「ブルースハープ」「ブルースハーモニカ」と言われるほどの楽器を使って来て、なぜ今の今まで「ブルースマン」をメインテーマにして来なかったのか。実はこれには訳がある。単純に「自分なんかがブルースマンについて語るのは、おこがましい」と思えたからだ。

ブルースマン達について公に話しても良いのは、レコードコレクターや、シカゴなどへの留学経験があるバンドマンくらいなもので、日本で細々とハーモニカを吹いて来た程度の僕が語ってはさすがに問題があるだろうと、これまではつい避けがちだったのだ。

 

では、なぜ今回はそれをしようと思えたのか。それは、僕がブルースマンについて語るのではなく、僕の師匠である「ハモさん」人形が語る事になるからだ。

師匠は堂々と、言いたい事を言い切れば良いし、僕は生徒なので、聞き手でしかない。ならば何の問題も無いはず、とまぁ、そんな言い訳をつけた事で、いよいよ長年避け続けて来たテーマに着手し、シリーズとして配信をスタートさせる事になった。

反響を考えると、今からハラハラしてしまう。そんな感覚は久しぶりなのだけれど、それこそが「今まで自分が大切にして来たテーマだった」という証なのだろう。

 

 

ブルースマンを中心に10人のハーモニカ奏者をフレーズの参考にトークを進めるのだけれど、その中の「ジェイムス・コットン」「ジュニア・ウェルズ」「シュガー・ブルー」「妹尾隆一郎さん」「リー・オスカー」の5人は、かつて実際にライブで演奏を観る事が出来ていた。お2人はすでに他界されたけれど、流石はブルースマン達、その音色は永遠だ。

 

 

そんな編集の忙しさの中で、世界はより激しく動いて行く。中東情勢の悪化だ。

聖地エルサレムを取り巻く問題から、パレスチナのガザ地区を実効支配している「ハマス」という過激派組織と、そのテロ攻撃に報復するイスラエル軍との間で、類をみない規模での戦争が始まったのだ。

もちろんロシアのウクライナ侵攻は依然として激化しているさなかで、これでは本当に第三次世界大戦の気配が漂って来るではないか。

「疫病の後に戦争が来る」これは今まで繰り返されて来た人類史だ。人が減り、経済が立ち行かなくなり、奪い合うという流れそのものだ。

コロナから始まったのだとしたら、実に愚かな流れだ。実際には防ぐ手立てなんて十二分にあるし、一時は謎の疫病を前に、世界中が手をとり合い掛けたというのに。

 

うなだれながら、10月の後半に入る。

僕ら夫婦の5回目のワクチン接種日となった。今回の接種は関心度も低く、受ける人もかなり少なくなったらしい。国は大幅にワクチンの準備数を減らし、それすらも余るかもしれないという。感染が再拡大し、インフルエンザと重なるツインデミック、さらには「プール熱」まで重なっている状況だというのに。

 

僕とかみさんは、また一緒に接種を予約する。予約は最初の電話で一発OKだった。

当日、掛かり付けの内科医の先生の説明を聞くのも、僕らとご高齢のもう1人だけだった。

先生はすでに言い飽きたと言わんばかりにワクチンの簡単な説明と「今回でコロナが根絶されるといいですね」と付け加える。

念のために2日分くらいの食料品を買い込んで帰宅。すぐに注射を打った腕が痛くなり、結構なだるさがやって来る。

そして翌朝には、僕だけが毎回のように「副反応」により38.6度の発熱。ウンウンうなるものの、接種から20時間後に反応が無事終了する。そして、また何事も無かったかのように動けるようになった。副反応は病気ではないという事だ。毎度ながら奇妙なものだ。

いつものように念のために買っておいた食料品が無駄になるのをおそれ、まるでノルマのように食い漁る。このワクチンから大食いまでの流れは、すでに一連のイベントになって僕らの生活に定着してしまった。

 

 

10月末に近づく。

僕が募集している「ハモニカフェ・ワン」という動画投稿企画に、仕組み的な部分で大幅なリニューアルを行う事になった。

今度からは専用アカウントの動画募集覧に直接動画を貼り付けてもらうのではなく、自分のpost(旧Tweet)にハッシュタグで「#企画名」か「#hamonicafe_one」を書き連ねて貰えればそれでOKという、かなり簡易的な参加方式に変更する事にしたのだ。

 

このハッシュタグがついたpostを僕が検索し見つけ次第repost(旧RT)を行う事で、今までの応募作品と同じように、専用X(旧Twitter)に投稿された動画が一覧化が出来るのだ。もちろん今までの参加作品も公開されたままで、記録はいつまでも残る事になる。

今までにもこの方法で参加下さった方もおられたのだけれど、僕が「動画投稿」として募集をスタートしたために、画面の仕組み上、順番が変わってしまうためrepostする事が出来なかったのだ。

なんでもやってみないとわからないもので、企画を開始して9ヶ月目にして、自分の提示したやり方がいかに参加者側に手間だったのかを、ようやく理解したのだった。

11月からこの方式をスタートさせるという事で、10日前から専用Xに告知を出し、再公開をスタートさせる。今後、参加者側は大幅に手間が減るはずなので、これで参加者数が増えてくれれば嬉しいのだけれど。

 

今までの投稿方式での僕の最後の投稿は「絵になる景色でワンフレーズ」という企画での、イベント施設の「ハロウィンの飾り付け」に便乗で、自分のハーモニカを並べた動画だった。

写真はInstagram版だ。

 

 

実はこの日、朝から数ヶ所撮影をして回ったのだけれど、なんと、この動画で撮っていた「オールドスタンバイ」というお気に入りのハーモニカの機種をどこかで失くしてしまったようなのだ。

大慌てで元来た道を逆走し、その日は暗くなるまで探し回る事になってしまった。

日も暮れて、もう閉まってしまった施設などもあり、駆けずり回れども収穫は無かった。

最後に、砂浜で撮影した時の階段がある場所へと戻り、真っ暗闇の中をスマホのライトで探すも見つからず。その砂浜での撮影で失くしたのであれば、トンビやカラスが光るものは見逃さないだろうから、おそらくはもう返っては来ないだろうと諦める。

 

翌朝、念のためにと、そもそものハロウィンのディスプレイの写真を撮った施設に問い合わせをすると、まさかの、あっさりと見つかったのだった。

なんと、僕がハロウィンのディスプレイにハーモニカを並べたままの状態で、普通に一般公開され続けていたのだった。

僕の使うテンホールズハーモニカはオモチャっぽく、特にハロウィンの飾り付けにはもってこいのため、誰もが施設側のディスプレイの一部だと思ったようだ。

電話に出られたイベント会場の方がディスプレイを見に行き、「あ~、置いてありますね~。今からとりに来られますか?」と言われた時は、なんだか笑えてしまった。なんともハーモニカっぽい顛末だ。

 

この時期、僕が参考にしている「下水サーベイランス」や「定点観測データ」などで、コロナの新規感染者数が大幅に減少して来たのを知り、この機に来月からの対面型のレッスンを再開すべく、ヤマノミュージックサロン有楽町店に連絡をする。

結局、僕の教室は半年も閉めてしまったため、すでにお辞めになった方も多いのだけれど、残られた方々はみなさんはレッスンに出席できるらしく、嬉しい限りだ。

またヤマノの方でも希望者には「飛沫対策用のパーテーション」を出してもらえるようなので、とりあえずは一安心ではある。どちらかといえば。今回の再開で気をつけなければいけなそうなのは、コロナよりむしろインフルエンザの方だろう。

 

そして10月末ギリギリで、僕とかみさんはインフルエンザのワクチンも打つ事ができ、一応、事前に出来る事は全てした上で、対面型教室を再開させる準備が整った。

この日に薬局で「薬が手に入らないという状況」に初めて出くわした。ニュースなどでは聞いていたものの、現実に薬不足を自分が体験するとは思わなかったので驚いてしまった。

なんでも保険の点数の問題で、どんどん薬のコストを下げ続けさせられた製薬会社が、もう今までのように薬を製造できなくなったから、というのが理由だというけれど、全くもってピンと来ない話だ。やはり、日本は根本的なインフラが崩壊して来ているのかもしれない。

 

 

11月となる。

僕が参加を呼び掛けている動画投稿企画が、おのおののSNSにハッシュタグを付けてもらい、専用アカウントからrepostさせる方法で、再スタートを切った。9ヶ月分の蔵出し作品が一堂に並び始める。

さすがに今までの9ヶ月分の作品数があるので、かなりの「賑わい感」があった。これならば1日数点ずつrepostしてもしばらくは画面も充実しているだろうし、「いいね」などの反応も順調に増えて行くのも日々わかった。

新作も同時に誕生するので、その順番なども考えなくてはいけない。

管理人の僕としては大変な労力という事も無いし、画面上もいつも真新しさが維持できるので、想像していたよりも上手く行きそうな気がして来る。

 

数日後、久しぶりの、ヤマノミュージックサロン有楽町店での、僕の対面型ハーモニカ教室の再開日。

ウィルスを吸い込んで飛沫を拡散する楽器ならではの判断で、他のレッスンより慎重に再開を検討して来たせいで、すでに半年間もの休講にしてしまったけれど、それでも再開に際しては、念には念を入れる必要がある。

僕自身もすでに「コロナの5回目のワクチン」と「インフルエンザワクチン」は済ませてあるし、電車移動用にかなり厳重なマスクに加え、今回は「横からのガード付き」伊達メガネも採用してみた。

 

 

後はレッスンでの二酸化炭素チェックや換気、手洗いとうがいだ。ここまでやって感染ってしまったというなら、それはもう仕方がないのかもしれない。とにかく出来る事は全部やる。呼吸楽器の教室として特化させるための、地道な努力といったところだ。

 

僕は、基本が車移動なので、電車に乗るの実にも久しぶりだった。

改めて、7割がたノーマスクの乗客で、手も当てず、平気でくしゃみ咳などをしている人もいる。おそらくコロナ禍が終わったと考えている人達なのだろう。

一方、僕は「気にし過ぎ」と言われても、これからも変わらず気をつけ続ける。そのように動くと決めたのだから。

 

教室の途中によく立ち寄っていたラーメン屋があって、今回もルーティンのように立ち寄るも、結局は食べぬまま、今回で卒業する事になった。

その店には半分外で食べられるテーブルが有り、そこだと感染を気にせずに食べれるのが大きな利点だった。

店内は2席ほど空き、あとは満席。外席には誰もいなかった。

僕は自然にその外席を指差し、座る意志を示すと、店主が自分の前を指差し、そこへ座るように伝えて来た。僕は嫌なのでそのやり取りを数回やる。

見れば店員を減らした不便がという訳でもなく、店側の不都合もなさそうだ。

そして、ふんぞりかえって腕を組む店主のその姿勢から、どうやら自分が効率良く動くためだけに客を配置しているのが伝わって来た。加えて、やはりなかなかの値上げもしていた。

かつて100杯以上は食べているラーメンだったけれど、値上げされた額、店主の態度等をもろもろ考えると、もう食べるほどの価値は感じなかった。

全てを受け入れるほどの旨さであれば別なのだけれど、そこそこの店は、おおむね最後の分かれ道は微妙な部分で決まって来るものだ。僕はラーメン屋を離れ、見慣れた食堂街の光景を後にした。

 

そしてレッスンの再開。生徒さん達も全員出席してくれて、みなさんの元気な顔を確認できた。

驚くほど当たり前のようにレッスンが始まり、まるでこの半年の休講など無かったかのようだ。

確かに30分しか時間がないのだから、世間話をしているのももったいないので、サクサクと進める方が良いのだけれど、生徒さんによっては、予め用意されていた質問の数や、自分なりの練習の成果の見せ方などの熱量が凄い方がおられ、こちらが驚かされてしまう。

この半年間の休講中に、猛特訓された方、反対に触りもしなかった方とそれぞれだけれど、さすがに対面型だとなかり細かいニュアンスのレッスンができた。

次の波までどれくらい開講を続けられるのかは解らないけれど、各自に合わせたハーモニカのトレーニングコースをしっかりと作ってあげられればとは思う。コロナ禍はまだ当分終わりそうもないのだから。

この日を境に、ヤマノでの仕事終わりに、スマホの専用アプリにデーターを入力する「新しい管理システム」でのレッスン報告が義務化された。教えて貰えればできるくらいの難しいものではないのだけれど、こういうシステムは待った無しで義務化されて行く。僕もいつかはついていけなくなるのだろうと不安になる。

 

ロシアのウクライナ侵攻がどこまでも被害を増やし続けていた。8月段階のロイターの発表で50万人以上の死傷者を超えており、さらに3ヶ月経った今も、一週間で数百名が当たり前のように被害に遭っているらしい。そんな中、日本ではメディアからの情報発信が止まりつつあった。イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への攻撃で、あっという間に双方で1万人以上が亡くなる戦争に発展したからだ。

これにより日本人の注目が完全に移ってしまい、まるで関心度合いを比べるかのように、ウクライナの情報を流さなくなってしまったのだ。

戦争と言ってもガザ地区側には対抗できる戦力はなく、ハマスのテロへの報復から始まったとは言え、イスラエル側の一方的な大虐殺に、日本も含め世界中が猛反発。ロンドンでは30万人もの人々が攻撃反対のデモを行ったほどの高まりとなった。惨劇の状況を考えると、その注目の高さも仕方がないのかもしれない。

そんな中、実は、我が家にもこの戦争が関係して来る事態が起こる。

かみさんが「イスラエルにNOを言おう」という事で、HP(ホームページ)を一新させる事を決心したのだ。

 

実は、僕のオフィシャルホームページはなんとイスラエルの企業のものだったのだ。

振り返れば急なコロナ禍の到来により、全てをオンライン決済に切り替えなければならなかった都合上、それが唯一できるこの会社しか選べなかったのだ。さすがは世界の金融を動かすイスラエル、そういった点は最も優れているらしい。

僕のオンラインレッスン自体は変わらず順調で、今後は「レッスンの予約中心のHPにしよう」という方針を立てていたのもあり、タイミング的にこのHPのリニューアルが決まったのだった。

まぁ、今までのHPは金融面とデザインは良かったのだけれど、維持費も高く不便もかなり多かったし、サービス対応も悪く、今までもそれなりに不満は溜まっていたので結果オーライでもあった。

 

切り替えの期日は12月。かみさんは相変わらずの猛スピードの突貫作業の日々となり、一方の僕の方も「ハモさんシリーズ」の配信が始まり、紹介するブログ記事を書いたりCM動画を拡散させたりと、それなりに慌ただしい日々となった。

14作品の内、まず週末の金土日で1本目から3本目までのコンテンツを連日アップし、視聴状況の反応を見る。今回、編集ソフトまで変えた気合いの入れようの僕としては、その反応が気が気ではなく、YouTubeの速報を何度も確認する日々だった。

 

数日後、なんとか良いスタートが切れた事が分かり、ほっと一安心。僕の場合は、オンラインレッスンが生活の軸な訳だし、その申し込みの主な要因はYouTube動画の影響なので、新作の反応に注目をせざるを得ないのも、仕方がないのだけれど。

新しいシリーズはほぼ3分ほどの短い内容であるとはいえ、全14回もあるので、僕にとってはなかなかの大勝負だ。なんとか途中で息切れをしないよう、マラソン的な頑張り方で拡散化に臨んで行く事になる。

 

そんな今までの配信の甲斐もあってか、この時期は新規のオンラインの生徒さんの加入が相次いでくれた。

「絶対にハーモニカを吹けるようになる!」と覚悟しての方、「ものは試しで」というくらいの気楽な方、中には本業がステージマンで「演奏仕事の幅を広げる為」という方など様々だ。

期間限定で急ぐ方もいれば、のんびり定期の方もおられる。常に、生徒さんは常連さんと新規の方が入り乱れる状況になるのだけれど、全員目標がまるで違うため、混乱する事もなく、並行して進んで行く。

先月は生徒さん方のコロナとインフルエンザの感染の連絡が相次ぎ、まだ回復されてない方の連絡もあった。どうしてあげる事もできず、心配な限りだ。

 

11月中旬。

共同通信社からの報道で、ワクチン接種により90%以上の死者を防げたようだとの算出が発表される。僕はワクチンを積極的に打った側なので、素直に良かったと感じる。

反ワクの人などの「それはデタラメだ!」との反論もチラホラあるようだけれど、そういった人達は、どの書き込みでもエビデンスのない記事ばかりを参照し続けている。

SNSでは相変わらず激論を繰り広げている人達が多いけれど、僕はどちらにも関わりたくない。要は個人の判断、すでにまともな情報は流れない国になってしまった以上、全ての判断は自己責任なのだから。

 

そして、いよいよ待ちに待っていた僕のWebコンテンツの新作「ハモさんシリーズ」の目玉である「ブルースマン」をテーマとしたコンテンツの配信が始まった。

伝説のハーピスト「サニー・ボーイ・ウィリアムソンⅡ」からその配信を始めるも、いきなり3日で800回転超えは実に驚かされた。「ベンドのやり方」や「ハーモニカの機種紹介」や「ハモニカフェ・ビギナーズ1話」などと並ぶ、バズらないまでも、常に回ってない時間がないという、配信する側には非常にありがたいスタートの状態だった。(まぁ、その一週間後には、他の動画と変わらぬほどに動きが収まってしまったのだけれど)

今回は大御所のお名前「Sonny Boy Williamson Ⅱ」を、スペルを間違えぬよう慎重に明記させていただいた。同じ時期にアニメで「サニーボーイ」という作品があり、ハッシュタグがかぶってしまう事への対策でもあった。

これにより本家サニー・ボーイの演奏動画と、僕なんかの動画がSNS上で並んでしまうのが本当に申し訳ない限りだ。同時に、いかに「Sonny Boy Williamson Ⅱ」の名前で世界中に動画が溢れかえっているかを改めて思い知る。

1日後に「ジェイムス・コットン」を配信するも、これは普通よりやや元気のあるくらいのスタートで、3日で120回転くらいでトーンダウンしてしまった。「サニー・ボーイ」と双方「バッド」もつかず「グッド」が競うように伸びてくれて嬉しい限りだ。

このシリーズはレジェンドハーピスト達の「虎の威を借る狐」作戦なので、大先輩のお陰としか言いようがない。あと8タイトルの配信も息切れする事なく、最後まで勢い良く回転して欲しいものだ。

 

 

12月となる。

久しぶりに脇腹がつる症状があった。つる後に訪れるあの痛みに怯えつつも、やはりつる時の痛みだけで、その後の悶え苦しむ激痛にまではならないで済んだ。確かに痛い事は痛いまでも、これならなんとか耐えられるレベルだ。

運転時だとハンドルを取られる怖さがあるものの、これならレッスン時でもなんとか出来るだろう。まぁ、ステージとなるとまだキツイかもしれない。まだしばらくはじっとしていないと、すぐに連発してしまう可能性もある。

同じく久しぶりに膝が腫れる。歩くのも怖いくらいの痛みではあるものの、やはりこれも痛みが引いて行くタイミングが今までより早めで、サポーターさえ巻いていればなんとかなる範囲だった。

症状は違えど、脇腹も膝もおそらくは食べ物のアレルギー反応だとは思うのだけれど、ここまで改善されて来ると、さすがに「漢方が効いた」と実感して来る。劇的な変化ではないのであまりピンとは来ないものの、これでようやく、本当に長かったトンネルから抜け出られそうだ。

 

うっすらと年末のムードが漂い始めて来る。

家の荷物を減らすべく、年末恒例の、リサイクルショップへの処分品の運び込みを行う。減らしても減らしても、不思議と次々に不要な物が積み上がって行くものだ。

リサイクルショップ側も年々つける値段が下がって行く。こちらが真新しいものを持って行こうが、状態をキレイにしていようが、お構いなしにクズ金額にされてしまう。それも仕方がない。ゴミの処分料のほうが値上がりしたのを、相手も良く解っているのだ。

 

このリサイクルショップに加えて、今年は初めて「金券ショップ」にも行ってみた。

僕は割りとお祝いで「金券」を頂く方で、いつかは買い物をと思いながらも、気がつけばすでに10年くらいが経っていた。

無理に買い物を考えるのもおかしいし、何より「金券」が活躍する百貨店自体が減って来ているのだから、早めにお金に変えるのが現実的だろうと、急に思い立っての事だった。

調べてみると地元の駅に金券交換ショップというものがあって、おっかなびっくり行ってみる。

僕の前にはすでにガラの悪い人がおり、何やら店員さんに憎まれ口を叩き、からんでいるところに出くわした。

捨て台詞を吐く人とすれ違いながら僕の番となるも、小声で「金券の換金を」と言うだけで、後はすごい速度で会話のやりとりが進んで行った。

「換金率」「評価の説明」「身分証明書の提示」等々。なんだか、漫画の「ナニワ金融道」の世界みたいだった。僕は未経験だったので半分くらいの額だと思っていたら、なんと90%~95%という交換率に度肝を抜かされた。つくづく、いらないギフトセットなんかを無理に買わなくて良かったと、胸を撫で下ろす。

食うや食わずという状況でもないのだけれど、急な思いつきの金券交換で、年末を迎える不安が少しだけ減らせる事ができた。今年は誰のためにもならない「インボイス制度」までも導入され、自営業者達の誰もが、今まで以上に年末年始を不安な気持ちで送るのだ。

 

 

12月中旬。

いよいよ年末感が強く漂って来る。

ヤマノミュージックサロンの僕のハーモニカ教室では、早くも来年1月からのスケジュール調整に入る。第1・3週の隔週でやっているため最初のレッスン日が正月休みの範囲に当たり、そのズレのため1月は1回のみのレッスンで、代わりに2月は3回のレッスンに調整をするらしく、その連絡や生徒さん側の事情確認などを講師側が行う。

僕は今まで他のどの教室よりも「コロナによる休講を長くとって来た講師」なので、生徒さん達もさすがにスケジュール確認を真剣に聞いて来る。全く持って申し訳ない限りだ。けれど、唯一の「吸って吐く」呼吸とともにある楽器なので、まだまだこの慎重さは必要だろう。

 

一方のコロナの新規感染者の増加の方は、例年よりは遥かに控え目ではあるものの、やはり地元に近い川崎の下水サーベイランスなどの数値が上昇し始めている。なんとかこのまま、急激な感染拡大とまで行かなければ、まだしばらくは対面型のレッスンを続けられるのだけれど。

そんな中、現状教室には飛沫防止パーテーションを2枚用意していたのだけれど、「今後は1枚にしてもらう事になる」との連絡を事務局から受ける。会社の判断という話だけれど、僕には一体誰が何を見込んで指示を出すのかが全く理解できない。荷物を減らしたいのだろうか。それとも、大手として国の方針に合わせたいのだろうか。

何にしても会社の指示には従うしか無い。代わりに「その変更によりレッスンの続行が難しいと判断した場合は、また休講に入る」事になるのだけれど。

 

僕のオンラインレッスンの方は年末30日までの予約が入っていた。年始は5日からという事になるのだけれど、ギリギリまで仕事があるのはありがたい。

特に僕はアレルギー対応の食事療法を始めて以来、酒を飲む機会もめっきり減ったので、年中ほぼシラフだ。それにレッスンを受け付けていなくとも、動画の編集作業や新しい企画の準備などで、どうせまたいつものバタバタとした年末年始になるのだから、はなから特別感はない。

 

まず、今年の年明けから始めた「はもにかるた」という企画が、一年分のしめを行う作業に入る。

僕が毎日のように自分で上げたネタは別として、217作品もの応募作品に恵まれ、それを一覧化できるようなビジュアルに整えて行く。

その中で8点ほど新作に入れ替える事になった。そして、元旦から「ハモ二カルタ2024」として、また新たなる募集が始まる訳だ。

初年度という事で、1人で「あ」から「ん」までの全てを制覇した方や、イラスト入りで大量に作品を出された方もおられたので、今後はこれほどの作品数はもう集まらないとは思うものの、ほそぼそと続けて行くつもりだ。

 

ハーモニカを旅先に持ち出す「絵になる景色でワンフレーズ」企画や、あえて走って息を荒げてから音を出す「ダッシュで息切れワンフレーズ」企画などは、人気こそイマイチながらも、はもにかるた同様に今後とも細々とは続けて行けそうな下地はできた。

 

さらに、新たに来年に向けて力を入れて行くのが、僕が今年PVでカラオケを発表したオリジナルのコミックソング「ブルースハーモニカ音頭」のキャンペーン企画の数々だ。

この曲の間奏に出て来る「12小節ブルース」をご自分の楽器で演奏してもらう事で参加していただく企画なのだけれど、ここに「演奏していただいたた時間(30秒)分を、その御礼として、PV風の動画に仕上げ、こちらで宣伝させていただきます」という展開を思いついたのだ。

要は、昔ビートたけしの番組でやっていた熱湯の熱さを我慢した分だけ宣伝をできる「熱湯コマーシャル」企画のようなものだ。

なかなかイメージがしづらいと思うので、こちらのテスト動画をご覧いただければと思う。

 

 

いかがだろうか。僕のメリットは「自分のオリジナルソングのカラオケを使ってもらえる事」で、代わりに自分のYouTubeチャンネルや各種SNS、ブログ記事などで、参加者側の宣伝の拡散面を担当する。僕の拡散では、さほどのメリットは無いだろうけれど、(面白そう!!)というくらいで気軽に参加していただけそうな相手に直接交渉して行く。

早ければ年明けすぐの開始になる。この企画には、初めて接点を持つ相手の方もおられるので、今からドキドキものだ。

これらのハーモニカで参加いただくための募集企画は、今後こちらのハモニカフェ・ワン専用HPで全てまとめて告知紹介して行く事になる。

 

●ハモニカフェ・ワン専用ページ(リンク)

 

そして、いよいよ僕の新しいオフィシャルHPが完成した。

今回はハーモニカのオンランレッスンの予約サイトといった感じで、今までの僕のプロフィールや配信しているハーモニカ番組の紹介などは後回しになっている。

 

●ハモニカフェHP アドレスは今までと同じです。

 

 

デザインフォーマットがあるので、雰囲気が様変わりし、全体的に真面目な印象となった。時代的な事も考え、スマホに寄せたデザインとなっているらしい。

「予約サイト」という通り、まるで歯医者さんのサイトのように、スケジュールを開くと、僕のレッスンの予約状況がわかるようになっている。

今まではメールや、各SNSなどでやり取りをしてきたのだけれど、これからはダイレクトに開いている日に予約を申し込めるようになったのだ。

今までの定期レッスンの生徒さん達の多くは、レッスン終了後に次回のスケジュールを決めてしまうので、このHPはあまり意味をなさないかもしれないけれど、あまり細かいコミュニケーションを取りたくないという生徒さん方もおられるので、このようなシステムの方が便利なのかもしれない。

 

このリニューアルを一手に引き受けたかみさんには、本当にいつも申し訳ない限りだけれど、すでにこの時期には「イスラエルにNOを言おう」という発想が「まさにの決断だったんだな」と思えるほど、ガザ地区への侵攻は地獄絵図そのものとなっていた。もちろんイスラエル軍にも多数の被害が出ているようだけれど、ガザ地区の民間人達は誰も生き残れないのではとまで思わせる。

 

さらに、ロシアのウクライナ侵攻の方も止まらず、アメリカの支援が滞りそうで、一気に形勢が不利となってしまいそうだ。もしこのままロシアが勝利となった場合は、文字通り世界は再び武力による覇権争いに突入する事になるのだろう。

 

そんな殺伐とした年末に、なんと政府与党の主だった大臣達が、一斉に5人も裏金問題で更迭される事態となった。

世界中が大混乱し、日本でも貧困層が大幅に増加するのを無視してまで増税を重ねて来た連中が、まさかまさかの、という考えられない悪党ぶりではないか。

こういう連中は、本当にどういう神経なのだけろうか。マイナンバー、原発処理水放出、インボイス、そしてこれからの大阪万博等々、国を潰そうかというほどの失敗を繰り返すだけではなく、その上、自分達だけはひそかに利益を得たいというのだろうか。これでは漫画やアニメ顔負けの悪ではないか。

しかもどいつもこいつも「コメントは差し控える」と口にするのは、全く犯罪レベルの非常識さだろう。

 

今回は「検察が、本格的に切り込むらしい」と話題になっているのだけれど、どうだろうか。いつもそれをしたためしがないのだから。

やれやれ、本当に救いがない一年だった。これでまた、当たり前のようにコロナ禍に戻されて行くのであれば、まさに泣きツラに蜂だ。

 

そして年末に差し迫る頃。

突如として思い立ち、僕とかみさんはちょっとしたプチ旅行に出掛ける事にした。

メインはいつものハーモニカ動画企画の撮影のためなのだけれど、そのタイミングに合わせ、来年からの企画でご協力をお願いしたい人達に、直接お会いするためでもあった。

 

その1人が、静岡のハーピスト山口 牧さんだった。

もともとハーモニカの工場でも働いておられた方で、テンホールズはもとより、クロマティック、複音と全てのハーモニカを自由自在に吹きこなす。

鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)の草野由花子さんとの牧草ランドというユニットでも活動中で、その活躍は実にユニークで幅広い。

特に彼の執筆されたハーモニカの教則本シリーズはかなりの人気で、僕の生徒さんも多数買われている。ハーモニカの普及のために、ネットでもリアルでも、日本のハーモニカ業界を動かしている1人と言えるだろう。

 

僕とほぼ同い年のプロハーピストで、初めてお会いしたのは20年くらい前で、ハーモニカの神様八木のぶおさんと牧さんが京都で、ツインハープによるツアーライブをやっているのを観に伺った時だった。

八木さんの近くに自分以外のハーモニカ吹きがいる悔しさで露骨に嫉妬し、当時のまだ若かりし僕は、大した会話もせず逃げるように帰ったのを覚えている。

 

その後かなりの年月が過ぎ、僕の相方の中村アキラさんと牧さんが知り合いという事で、以前なにかのイベントの打ち上げのような場で、僕の「ブルースハーモニカ音頭」を中村さんとコラボっぽくデュオ演奏している映像を観た事があり、とても驚かされた。

それを僕に観せた中村さんの「あの曲、ちゃんと撮ろうか?」の一言で、数年後PVまで作る事になったのだ。

 

それがこちらだ。

 

 

なので、牧さんは僕には縁のある方という訳だ。

いわんやハーモニカの実力は確かなもので、僕が演奏力で断られたレコーディングの仕事を彼が引き受け、見事に大きなメディアで流れている。そうなるとひがみで悪口のひとつも言いたいところだけれど、温厚で人柄も良く、およそ弱点と言える部分がない。となれば、味方につけるしかないと、ご連絡をとらせていただくようになったのだった。

 

SNSでのやりとりから始まり、いろいろと情報をもらったり意見を聞いたりと、助けてもらうようになり、メールの連絡からLINEとなり、たまに電話でも話すようになった。

かなりの期間僕らは会わずにやり取りをして来たものの、今回は実際にお会いできたのだった。

そうなると、もちろん50歳のいい大人が「ただ会いましょう」では済まない。当然、僕の企画で一方的に、協力をお願いしてみたのだ。

それが「吹いて宣伝、ブルースハーモニカ音頭」企画だ。

この企画は僕の曲の間奏を演奏していただいて、その時間分だけ、ご自分の宣伝をして下さいという、まるで曲をヒットさせているかのような勘違いな申し出だ。

正しいニュアンス的には、「お願いですから私の曲を演奏して下さい。お礼に宣伝動画を制作し、出来る限り拡散するよう努力しますので」という感じだろう。

 

この企画は僕のサイトで公開するのだけれど、牧さんのサイトの方が遥かに拡散力はある。なんせYouTubeの登録者は僕の倍以上で、軽く一万人を超えている。ハモニカフェ番組チャンネルと僕のライブ活動のサイトを2つ足してもまだ張り合えないほどの人気だ。

テラフォーマーズ風に言えば、「ハーモニカ・マーズランキング」で、かなりの上位な戦士のはずだ。

 

●山口牧YouTubeサイトリンク

 

という訳で、「ブルースマン」に続き「知人の威を借る」事でこの企画は実に確固たる一歩を踏み出す事が出来そうだ。

その第二弾も大変にありがたい方々のご参加を打診中だ。専用ページも作っている。

この企画には「プロハーピスト」とか「ブルースミュージシャン」と言ったおなじみの方々ではなく、あえてさまざまな街の「やや個性的な仕事や活動をしているハーモニカ吹き達」に直接交渉して、ご登場願おうと思っているので、乞うご期待!!

 

そしてこの旅の翌日は山梨経由で、これまたネットだけでつながっていたハーピストの「テッドさん」に、初めてリアルでお会いする事ができた。

テッドさんはハーピストという以外にも、文章では書き尽くせないほどの様々な顔を持つ人で、そのひとつの顔が「青木ヶ原樹海」の観光ガイドだ。

一昔前なら心霊スポットとしておどろおどろしいものがあったこの場所も、今ではそこでしか見られない貴重な自然の価値により、随分と魅力的な地へと見直されて来ているらしい。それを愉快に語るテッドさんは、ガイドというより、まるでエンターテイナーのようだった。まだ会いしたばかりの方なので、これからのお付き合いが本当に楽しみだ。

来年にはテッドさんにもご参加いただいた動画を上げられると思うので、改めてご紹介をできればと思う。

 

という訳で、とりあえず樹海に来たからと、ダッシュ企画を撮影してみた。

 

 

この場所で1時間ほど過ごしたのだけれど、なんだか独特な重みを感じる場所だった。

後で見て誰か知らない人が映っていたらと、ヒヤヒヤものだった。

 

そして翌日からはまた予定が立て込むため、山梨から神奈川へ急ぎ帰宅。

いつもの猛スピード洗濯、もろもろの片付けを済ませ、翌日からはまた当たり前の日常に戻る。

 

いよいよ年末。

コロナはじわじわと来ているようだけれど、深刻なのはインフルエンザの方だ。

SNSでお子さんをお持ちの方が、感染に無関係な家族はないくらいの感染拡大のレベルだと書かれていた。

なんとか対面型レッスンの有楽町教室の開講は続けられそうな状態ではあるのだけれど、新年からが心配な感じではある。

 

そして最後のしめは、「はもにかるた」のリニューアル作業だ。

来年も、会社の通勤時に、授業中の気分転換に、家事の合間の一息に、ぜひお気軽にご投稿いただければ嬉しい限りだ。

さらにこの機会に(よくよく考えてみれば、ハーモニカって実に個性的な存在だよなぁ)とお感じになられた方は、久しぶりにこの小さな楽器を手に取ってみて欲しい。間違いなく人生が彩り豊かになるはずだ。

 

という事で、また長々と書き連ねて来たこの自粛日誌だけれど、今回は人に会いに行けるくらいにはなって来たので、なんとなく朗らかな内容にはなったものの、ロシアのウクライナ侵攻に加え、イスラエルのガザ侵攻も始まり、まさにお先真っ暗という感じだ。

そんな中ではあるけれど、せめてなんとか元気にだけは生きて行こうと拳を握り締め、本年を締めくくりる一区切りのアップをしたいと思う。

前回の『その⑩』から、タイトルに“また逆戻りとなった” とつけるしかない感染状況にはなってしまったけれど、いつかは「もう“終わりとなった”自粛日誌」と銘打ちたいものだと、『その⑫』に期待したいと思う。

 

2023年12月27日 広瀬哲哉