コロナ禍で自粛生活となったのをきっかけに、いろいろな出来事を記録しようというくらいの軽いノリで書き綴ってきた『僕の自粛日誌⑱』も、なんと『その⑲』にまでになった。
今回はタイトルに “いよいよ収束かもと予感させる” と入れてから書き始めてはみたものの、アメリカのイランへの軍事侵攻によって世界は大混乱し、もはやコロナどころではなくなってしまった。それでも自分の記録として、気楽に書き続けて行こうと思う。
昨年末は12月30日のオンラインレッスンが仕事納めだった。
ネット的な仕事納めとなる「はもにかるた」のSNSリニューアルや、この「自粛日誌」のアップなども終わり、大掃除などもぼちぼち済ませていたので、久しぶりにのんびりとした年末だった。
コロナは完全に「収束」とは言えないまでも、一応の落ち着きも見せ続け、どちらかと言えばいつまでも集団感染を引き起こしている「インフルエンザ」の方が問題視されていた。通常の風邪の人も多く、街ではそれぞれの店の店員さん方も客も、マスクを付けている方が半数くらいという状況のまま、「それなりに気をつけようね」といった具合でなんとなく収まりがついている感じだ。
僕と妻もマスク手洗いくらいしか行わず、コロナ前のようにいろいろと出歩きはするものの、今となっては人混みのストレスの方がうんざりしてしまうので、行動パターンは自然と物静かな閑散とした環境を選ぶようになっていた。
いよいよこの自粛日誌も、次回くらいには、長かったコロナ禍を脱出して「通常のブログ」に戻すかもしれない。まぁ、溜めてアップする癖がついてしまったので、すでにブログっぽくもないのだけれど。
2026年元旦
迎えた2026年の年始は、1月3日のオンラインレッスンのスタートからだった。なんと、珍しい事に定期の生徒さんではなく、無料体験の申し込みをされた方からの仕事初めとなった。「はじめまして」と「あけましておめでとうございます」が入り混じる、不思議な第一声となった。
元旦からこの3日までは食っちゃ寝てのダラけた3日間をおくり、すっかりだらし無さが定着してしまったせいで、何をするのもおっくうとなり、大した用事でもないものすら(明日からでいいか‥)と、本当に怠惰な日々を送り続け、実にお正月らしい平和な日々となった。
ところが同じ3日、世界では一大事が起こっていた。
アメリカがベネズエラに対し軍事攻撃を強行し、マドゥロ大統領夫妻を拘束してしまう。
これを強行したトランプ大統領側の言い分では、長きにわたり、両国間の石油ビジネスでの不当な独占に抗議し続けて来た流れに加え、アメリカへの麻薬の輸入問題なども解決しようとしなかった事に対抗してのやむを得ない措置、との説明だった。 さらに驚いた事に、これからはアメリカがベネズエラの統治に関して協力を行う、拒んだ場合は再度攻撃をするとの方針を発表、同日ベネズエラの副大統領がこの協力を受け入れるとの回答を行った。事実上アメリカの石油を狙った軍事侵攻となったのだ。
近々、ロシアとウクライナの終戦の調停を、アメリカが執り行う事になっていたのだけれど、もはやそれどころではない。ロシア、イスラエル、そしてアメリカまでもが、一方的な軍事侵攻を行ってしまったのだ。しかも、そこに説明されている理由は、ただの自国の利益や個人の解釈によるものなのだから、到底受け入れられる内容ではない。まさに、世界が震撼する出来事が、年明けから起こってしまったのだ。
昨年新総裁になったばっかりの高市総理大臣は「トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する」という誠に滑稽な判断をしたばかりであったので、まさに取り返しのつかない状況となってしまった訳だ。もちろんこのトランプに対して文句を言える状況でもなく、昨年の中国への大失言も重なり、ただいつまでもノーコメントを通すしかない日々が続いて行く事になった。
1月中旬。
定期の生徒さん方のレッスンを中心に、正月のだらけたムードとは若干違う「通常モード」での「ややのんびりとした日常」に戻って行った。
この頃は、僕の新しいWEBコンテンツ「ハモニカフェ・ドライブ」の第8話を公開した頃だった。
全20話のうちの3分の1くらいといったところだろうか。それらを公開し、ある程度、全体的な視聴の反応がわかって来る。
ショート動画以外はほぼ回らなくなったと言われる昨今にあって、なかなかの健闘をしてくれているようだった。今までの動画シリーズとかなり反応が違うのは、全話が動く日、どれも動かない日と、非常にメリハリが効いた反応となる点、つまり興味がある人が、ある程度限定されて来るという事だ。
またこれに伴って、番組の新規登録者の方々のアイコンの中にも「ドライブ」という言葉にちなんでか「車」や「バイク」などが目立つ。僕からすれば楽器や音楽から入るだけではなく、別の分野からハーモニカにつながってくれれば良いとの想いから始めた企画なので、さすがにこれにはニンマリとしてしまうところがあった。
最初の動画を公開してからまだ1ヵ月半というところだけれど、僕のYouTubeコンテンツは3ヶ月を過ぎたぐらいから「すごく回る」「ほぼ回らない」といった大体の状況が確定するようなので、今はまだなんとなく臨戦態勢のような状態で、日々のアナリティクス(YouTubeの集計表)を眺めている。実際、一旦コンテンツが出来上がり公開を始めてしまうと、もうできる事は「タイトル」や「サムネ」の変更くらいしかないのだ。
この頃、日本の政界ではとんでもない動きが出ていた。自民党の高市早苗総理が、おそらく独断と思われる解散総選挙を、一方的に決定してしまう。
これは隣国である韓国の旧統一教会の捜査が大詰めになったところで「自民党関係者のかなりの人数が金銭的な関係がある」と発表され、それをあやふやにするための、いわば「大義なき解散」との見方が一般的だ。
そして公明党との連立を解消したことで、代わりに連立を持ちかけた勢力、大阪「維新の会」もこのタイミングに合わせたように、単独でダブル選挙を決定する。こちらは「国民健康保険詐欺」とも言われる悪質な詐欺商法により私服を肥やしていた議員が、なんと全体の50%近くに上るという超特大スキャンダルが明るみになり、自民党と同様、それを隠すための「大義なき」という事なのだろう。加えて「国民年金」の未納者も多数いる上、幕を閉じた「万博」の工事費の未払い問題を始めとした、特大スキャンダルが山のように明るみになっている状況だった。
この与党側の都合による異常な選挙決定に対抗するために、野党側は第一党の立憲民主党と公明党とが新しい政党「中道改革連合」を立ち上げる。ネーミングも最悪ながら、ここまで来るともう「クラスメイトの席替え」のような、ほとんど漫画の中の動き方だ。日本の政局は益々混迷を極めるだろう。一体どうなるのであろうか。
迎えた19日、高市総理による記者会見で正式に解散が発表される。
しかも冒頭、この選挙は「高市総理でいいのかを国民に問う選挙だ」と伝えたのだ。アメリカの大統領選などではなく、三権分立制で、しかも党を選び、その党内選挙で総裁を決めるという幾多の手続きを必要とする日本の総理大臣の決定を、そのように呼びかけるなんて、およそ考えられない事態だった。もちろん政策の話もなければ、自分が招いた中国との不仲による国難をどうするかの説明もない。ここまで来ると、ほとんど学級委員長を決めるレベルの演説内容ではないか。
大手の新聞テレビの記者は、誰も「旧統一教会問題」「維新の国保逃れ問題」を質問しなかった。フリーの記者は「あらかじめ決めた人だけでなく自分達にも質問をさせてくれ」と声を荒げ続けるも、一度として指される事はなかった。そりゃあ、テレビも観られなくなるし、新聞も売れなくもなるはずだ。権力の監視役という最重要の存在理由をすでに持っていないのだから。
その一方的で(これは、いよいよ自分達も本当に戦争に参加させられるかもしれないな)と、強く感じさせられる異様な光景が広がり続ける。さしたる理由もなく「外国人のせいで日本が悪くなった」という、政治活動や選挙演説の乱立だ。無論どれも真っ赤なデマだ。けれど、こうも増えたのは、それが今の与党の政治家達を選んでいる彼らにとってありがたいデマだからだ。
以前は「誰も選挙に行かなかった結果、選ばれたのが今の政治家だ」という言葉がよく聞かれたけれど、今のデマまみれ選挙になってからは「バカが選挙に行った結果、選ばれたのが」と言われるようになった。正に、という感じだ。
ちなみに今回発表されている選挙での国の無駄な支出を、自分の備忘録として記しておく。「高市早苗で良いかを国民に問う」という選挙に自民党が855億円、「国保逃れを指摘されたくない」大阪維新の会が28億円を支出。僕らは今日も、ガソリン代を気にしながら、安い食材を探し回る日々だというのに。
1月末。
少しずつ進めていた僕の5枚目のアルバム「Five Blues on Harmonica」のダウンロード販売がスタートする。
これは、今までの全てのアルバムで一緒に演奏してきたジャズギタリストの中村アキラさんのオリジナル曲の中で、フュージョンぽいアレンジでまとめられた5曲を、ハーモニカの僕がゲスト演奏で参加したようなイメージでまとめてもらったアルバムだ。
こちらが宣伝用のYouTubeだ。
ギターの演奏はもとより、ハーモニカ以外の全ての楽器パート、ミキシング、マスタリングにいたるまで全て中村アキラさんのひとり作業である上に、デザインは妻の玲子が担当しているので、ハーモニカを吹くだけの僕がオリジナルアルバムと言うのはおこがましいところもあるけれど、まぁ、便宜上そのように展開して行く事になる。(実は1曲目の「Lay Up Blues」はピアニスト&鍵盤ハーモニカ奏者の草野由花子さんが、ピアノ演奏でゲスト参加してくれている)
さらに、今回は初めてのダウンロードサイトを試してみる事になった。日本語訳のない海外のサイトで、Bandcamp(バンドキャンプ)という。もちろん日本円で買う事ができるけれど、完全なカード決済だ。全文英語なのでどうもピンと来ない。慣れるまでは「翻訳アプリ」とにらめっこの日々になるだろう。
近々ストリーミングも新しいサイトで試してみる予定だ。そちらは国内のサイトではあるのだけれど、何とも入力フォーマットがわかりづらく四苦八苦だ。やはり、おじさんが生きて行くには、なにかと現代は大変だ。
2月になる。
インフルエンザB型の爆発的な増加傾向で、東京都は再び警報を出す事態となる。コロナの方は有難い事に一段落しているようだけれど、結局マスク手洗い生活は少しも変わらないままだった。
そんな2月はまさに激動の月となった。
テレビや新聞などは見ないのでわからないものの、ネットの話題は「選挙一色」となった。右も左も激しい舌戦、というか異常なまでの罵り合いが続く。何が本当かわからないような「デマ」と思われるトピックが朝から晩まで連発され続け、もうほんとぉ~うに、うんざりするレベルだった。
そんな中で、緊急なスキャンダルも連発される。さすがの「文春」が報じたのは、高市首相の「裏金の二重帳簿」さらに「裏金を隠すための方法を指南」していたという特大スキャンダルだった。自民党は「コメントは差し控える」の一点張りで、NHKの党首討論ですら、間際に持病の悪化を理由にドタキャンした末、その言い訳を忘れたように、地方の選挙活動へは回ってしまったのだ。さらに加えて、野党に張り合うように選挙前に、急遽とってつけたように提案された「食品の消費税ゼロ」の裏で、その後に財源として消費税を12%に引き上げようとしているという根回し情報だった。ここまで来ると「裏金議員をかばう」「旧統一教会問題との変わらぬ癒着を隠す」どころの騒ぎではない。
ここまで連日スクープ続きだと、全てを把握した上で投票したい気持ちもあるものの、大雪による天候の悪化予測が次々に報じられ始め、南国ばりの晴天続きが日常である僕の地元小田原ですら、期日前の投票者が目立っていた。僕ら夫婦も念の為早めに行くかと向かった投票所では、やはり天候の不安からか隣近所の方々や、知人などと顔を合わせる事にもなった。なんにしても、誰にとってもできるのは、一票を投じる事だけなのだから。
2月初旬。
投票日の前日、僕は「春風亭小朝師匠」の独演会でのお仕事をいただき、横浜の青葉公会堂へ。注意報が入るほどの大雪と言われた日ではあったものの、まだ降り始めの内に会場へと到着し、久しぶりの小朝師匠をはじめ「シゴデキ=仕事ができる人」のエキスパートの皆さんにお会いできた。
場内は当たり前のように満員御礼で、久しぶりに師匠のドッカンドッカンと笑わせる姿を間近で拝見する。
幕間後に出て行く僕はと言えば、当日になるまで誰にも知られていない無名の謎の人物なので、全員から(なんだこいつは?)と思われてはいるのだろうが、それでも休憩明けの空気を少しばかり変えるくらいのお役には立てたと思う。とにもかくにも、広い会場で鳴らすハーモニカの音色は、本当に心地良いものだ。
仕事も終わり、久々に付き人へ早変わりしてくれた妻と僕は、この日もまたたくさんのお土産をいただきつつ、雪の影響を受ける前には無事に帰宅ができたのだった。
翌日は衆議委員選挙投開票日。記録的な大雪で、窓から見るに吹雪に近い状況だった。1日前だったら独演会の会場に行くのも一苦労だったろう。師匠は今日も独演会のはずだ。シゴデキの皆様方は大丈夫なのだろうか。
夜になり伝えられた選挙速報では、3分の2の議席をしめる歴史的な与党・自民党の圧勝となっていた。もう話し合いなど無しに全てを自党の多数決だけで決められる訳だ。「高市現象」などと言われる中、まさにそれが圧倒的な形になったのだ。
やはり危惧された通り、選挙はネットを中心に「デマまみれ」のものになっていた。ファクトチェックをされデマと判明した段階で、もうすでにそれが広まり切ってしまっていて、大袈裟に言えば「あいつは泥棒だ!」と言えば、それがすぐに定着をしてしまう状況なのだ。そして、なんの政策も論じられず「外国人は危険だ!」と言えば支持が集まる安直な図式のまま、一方的なデマヘイトが広がった異常な選挙の結果が、これなのだ。
これでは、おそらく日本が今以上に世界的に評判を落とすのは、まず間違いないだろう。もはや移住したくない、働きに行きたくもない国の方に入る、いや、もうそのフェーズに入っているはずだ。子供も産まれず、高齢者ばかりで、おまけに労働人口がますます減るのだから、これは「国が滅ぶ」という可能性がいよいよ現実として迫って来そうだ。
この高市ブームは一体なんなのだろう。医療負担も増え、おそらくさらなる増税も間違いない。しかも防衛増税だ。「ネトウヨ(ネット内で破壊的な右寄りの発言をする未確認人物達)」と呼ばれる人達が煽動するこの政権の支持者達は、自分達を苦しめる相手を讃える「肉屋を支持する豚」などと揶揄されている状態に、何の疑問も持たないのだろうか。今後もっともっと、明らかに自分達の生活が大変になって行くのが、本当に想像できないのだろうか。
2月中旬。
僕の新作動画シリーズ「ハモニカフェドライブ」の公開が早くも13話を迎え、いよいよ順調に視聴いただけている感が出て来た。
もともとこのシリーズは、時代の流れもあり、画面を見ず音だけでも楽しめるように構成して制作している。業界用語で言うところの「作業用聞き流し」というやつだ。このまま順調に動き続けてくれると嬉しいのだけれど。
このドライブシリーズが残すところあと7話ながら、そろそろ次の事に手を出しても大丈夫そうだと感じた僕は、少し前から気になっていた「手直し作業」を行う事にした。
実はハーモニカのショート動画の投稿サイト「ハモニカフェ・ワン」が、今年で4年目に入る。そこで一緒に立ち上げたマルモさんと相談して来た各種シリーズの問題点を、この機に、一気に改善してしまおうというのだ。
そのひとつが、タイトルについての改善だった。
「絵になる景色でワンフレーズ」というシリーズの企画名について、タイトルが長い上、自分でも「イマイチだ」と感じているままに動画作品の募集を始めてしまったのだけれど、シリーズの作品集の5作目を制作した時に、何気に使ってみた「ハーモニカと旅に出よう!」というサブタイトルが、なかなかの好感触だった。
予想外の視聴の反応だったため、過去の作品集もこれに合わせてこのタイトルに変えてみると、微々たるものながらも、どれもすぐに反応があり、よりシンプルに企画内容を表現できている言葉なのだとわかり、この言葉で新しいタイトルを統一してみる事にする。
次に「ハモニカフェ・ブリーズ」というシリーズの企画名についてだ。メロディーの連なりという部分を「そよ風」に見立てて「ブリーズ」という言葉を使ったのだけれど、珍しい言葉なので当然ながらなかなか定着してくれない。ドライブシリーズも含め「ハモニカフェ」という番組の総合タイトルはもう十分に認知していただけているようなので、今回は全く違うタイトルにしてみようかと考えてみた。
そこで出たのが「風とセッション」という言葉だ。これに関しては、僕の動画を見た人側が「自然の音を聞きながらハーモニカを吹いているんですね。まるで自然とセッションをしているようだ」なんて嬉しい事を言ってくれるのもあって、この言葉を使う事にする。
さらに、参加者の北海道のハーピスト「ノンマルト原人」さんの動画で見掛けた、楽器のアップから最初の画角が始まるアイデアが素晴らしく良くできていたので、これも取り入れる事にする。実は、僕自身も洞窟で撮影した一番最初のブリーズ作品の時に使っていたやり方なのだけれど、何の音だかが明確にわかると言うのも大切なはずだ。
毎回使える訳ではないけれど、これもまた最初の数秒で勝負が決まるshort動画の世界では、有効なアピールになるのかもしれない。
そして、全力で駆け抜けて、あえて乱れた呼吸のままハーモニカを吹く「ダッシュで息切れワンフレーズ」というシリーズ。この企画名に関しても、どうやらイマイチなようなので、加えて再考する事にした。
YouTube版は自分の世代の大ヒットCMをパロって「ファイト!一発!ハーモニカ」としているのだけれど、やはり今の時代ではまったく通用していないようだ。
思い切って、そのまま「ダッシュブルース」に変えてみる。あまりにもシンプル過ぎて差別化が無い上に、曲名のようですらあるのだけれど、動画自体と違い、タイトルの方はいつでも変えられるものなので、反応を見てみるというくらいの段階だ。
最後まで悩んでいたのが、ハーモニカを探すゲーム「ハモニかくれんぼ」シリーズについてだった。
まずタイトルについて。本来は、動画を見た人の多くが「これって、ハーモニカ版の”ミッケ”だよね?」と口にするので、単純に「ハモニカミッケ」としてしまいたいところだけれど、有名コピーライターの糸井重里が考えた言葉なので、さすがにそれはまずいだろう。
いろいろ考えた中で「ハーモニカど~こだ」と言う無難なネーミング案を採用する事にした。まぁ「ハモニかくれんぼ」という企画名の方も気には入っているので、タイトルとしてはこれからもサブ的に使いつつ、キャッチコピーやハッシュタグはこの説明的な「ど~こだ」の方を使って行く事にする。こちらは他の動画に比べ海外からの閲覧が多いので、英語の「HIDDEN HARMONICA(隠れたハーモニカ)」も併用して行く。
こちらはさらに構成面でも手を加える事になった。
きっかけは、マルモさんからの素朴な意見だった。
「何を探すかがわからないと、やりづらいんじゃないですかね?最近はハーモニカの形すら知らないのかもしれないし。なら、先に見つけるハーモニカ機種を見せてしまって、これを探してね、っていう流れにしては?」というもの。この意見から、編集フォーマットを変えてみる事にする。
いろいろと映像を試作し「確かにこれならば改善と言えるだろう」というものが完成した。せっかくなので過去に公開した人気作品10点で作品集も制作してみたので、よろしければご覧いただきたい。
地味なリニューアルながら効果はすぐに見られた。まさにマルモさんのおかげである。
マルモさんは、いつでもサラリと、見事なまでの指摘をして来る人だ。
僕は他者とのコラボ企画のようなものは責任が曖昧になるので基本的にはやらないし、企画によっては専門家の話を聞いたりはするけれど、できる限り僕と妻だけで完結するやり方をとるようにしている。それでもマルモさんのような着眼点を持つ人の存在は重要で、いつも助けてもらっている。非常にありがたい限りだ。
ここで、マルモさんの「風とセッション」の投稿作品もご覧いただきたい。
2月末頃。
異常なほどの気温上昇で、観測史上初の夏日を記録した。2月とは思えない汗ばみに、今年初めての薄着を用意し、なるべく花が散らないうちにと、慌てて梅見物に行く。ハーモニカのミニ動画シリーズの中で、季節の花くらいは押さえておきたいからだ。すでに出遅れ、どこの名所も見事な満開にかなりの人混みとなっていた。
反対に、アメリカの方などは60センチを超える積雪で、不要な外出は禁止、飛行機も1万便以上が欠航するほどの大寒波となってしまっていたらしい。まさに世界中が異常気象真っ只中という事なのだろう。
2月末日。
初日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃し、戦争が再開する。大義名分としては「イランの核開発の停止を要求」であったが、後からとってつけたように、イラン人にとって「これはイラン国民が独裁政権の支配から逃れる機会なのだ」というメッセージが付け加えられた。ネットではリアルタイムで学校が攻撃され、40人を超える児童が殺害されたとのニュースが飛び込んで来て、のちにその数字は爆発的に増え続けて行く事になる。
翌日には「日本はアメリカを支持する立場である」という事が、小泉進次郎防衛大臣を始め政府の関係者から報じられる。
しかしこの説明には無理があった。当のアメリカ自体が「エプスタイン問題」から注目ををそらさせるために始めたと報じているからだ。
この問題は「病的な小児性愛の富豪達のための島」が存在するという、長くネットを中心とした都市伝説が、あろう事か、実は事実であり、しかも大物政治家や権力者の多くがこの島を利用し、そのせいで弱みを握られていたらしいという前代未聞の話が公になったのだ。
トランプ大統領もその顧客の中の一人で、今まで数多くの「セクハラ・パワハラ」でもその地位が揺らぐ事が無かった人物の、はっきりとした「保守層に支持されない決定的な要因」となったのだ。
この段階でのトランプ大統領は「イランの核の脅威」と不安面だけ叫び続け、次には、おそらく「イランの石油利権がアメリカのものになった」と国益を訴えるのだろう。
ロシアがウクライナに侵攻し、イスラエルがパレスチナに侵攻し、アメリカがイランに侵攻する。もはや中国が台湾に侵攻しやすい状況が生まれたと続ける専門家も多い。
一方、日本では高市首相の不用意な「中国を威嚇する問題発言」から「レアメタル」を始めとして次々に制裁が発動され、数ヶ月後の日本の各産業は大打撃を受けるのが避けられない状況にまで発展した。そんな中でも変わらず「ネトウヨ」達により「高市万歳」が叫ばれ続けている。これこそが、本当にナラティブロンダリング(戦争に入る前の世論誘導)なのではないのだろうか。そんな事を考えてしまう、ゆううつな春の訪れだった。
3月になった。
なお例年にはない異様な気温上昇が続く。花見のシーズン、あまり塞ぎ込んでばかりもいられないので、こんな作品集を作ってみた。
ハーモニカのミニ動画を募集する企画 「hamonicafe_one」 が始まって、早4年目となる。少しずつ作品を出して下さる方々もみえ、自分だけでも、もうかなりの作品数が揃っているので、このような企画モノが気軽に用意できる訳だ。
もちろん、僕が簡単に用意できるモノは企画を一緒にやって来たマルモさんや、大二さんなどの投稿常連さん達でも、同じように簡単に編集だけで再アップできる。AIのようなシステム的な手軽さとは違い、こちらは自分達の生きた記録の再編集なので、堂々と胸の張るれる再活用といえるだろう。
そんなAIがもたらすデマ映像の悪質さはとどまる事を知らず、まさに異常な広がり方で、もはやパンデミックレベルにまでなっていた。YouTubeをはじめAIを使用しているものは収益化できない仕組みとなったものの、それでも趣味嗜好で発信されたものは止めようがない。僕は最初に少しは「検索」「文字チェック」などでAIを試してはみたものの、すぐに極力使わないようにとの結論に至った。とはいえ、日常的に目に飛び込んで来るものまでは防ぐ事はできない。すべての媒体でAI映像などのからんだものを事前にシャットアウトできる機能がないものだろうか。それができるのなら、最悪は有料サービスでも構わないのだけれど。いや、ひょっとしたら、今のデマ地獄が、やがて来る有料サービスの布石なのかもしれない。本当に人間の考える事はとてつもなく恐ろしい。
3月中旬。
アメリカのイラン侵攻ですでに800人に近づく犠牲が出ていた。イランの最高指導者は殺害され、次の指導者が選ばれていた。一方のアメリカ側では、エプスタイン・ファイルからトランプの幼児への性虐待の証拠映像が次々に公開され、この特大スキャンダルを打ち消すために無理やり始めた戦争に、世界中がNOを突きつけ始めていた。
その中で日本は、アメリカ寄り過ぎる現政権のせいで、先進国の中では唯一と言えるはっきりとした「アメリカ支持」を強烈に打ち出してしまった。これは極めて異常な対応だった。これでは高市総理が「バカ市」などと揶揄されるのも当然だ。アメリカに対してものが言いづらいのは分かるが、なぜ、せめて黙っている事ができないのか。資源もない、軍事力もない、経済力もない、デマによりヘイトが横行する国難とも言える状況の中で、なぜさらなる危機を呼び込もうとするのか。
すぐにガソリンはバカ上がりし、ありとあらゆる産業に影響する事から、連鎖して今後の生活面での圧迫は、まず間違いない事態だ。我が家でも日に日に上がるガソリン代から、まず当面必要な暖房のための灯油を買いに走ったほどだ。
おまけに、さして議論をせずに、自衛隊を日本の原油輸送の警護のために派遣するという案まで浮上する。これは事実上の「参戦」を意味し、全く意味のないトランプ大統領の未成年への性加害スキャンダル「誤魔化し戦争」に、無関係の日本が巻き込まれる事態になってしまうではないか。
そしてついにはトランプ大統領から、世界のエネルギーの主要な輸送経路であるホルムズ海峡に「日本の戦艦」を出すように、正式に要請されてしまう。もちろんそんな事をすれば、日本はアメリカと組んでの一方的なイラン侵攻という立場となり、すぐに攻撃の対象となってしまう。イラン側からもすぐにそのような警告が発せられ、連日のトランプからの圧力もあり、日本は完全に追い詰められた状況となった。
このトランプの一方的な協力要請はまさに世界中へ送られ、イギリス、ドイツ、イタリアなど大国が、次々に拒む回答を返して行く。さらにアメリカは敵対している中国にすらこれを打診し「それよりもまず双方の敵対行為の停止が先ではないか」と、至極当たり前の意見を受ける始末だった。
そのようにアメリカの侵攻を責める国がほとんどで、その態度の表明により、戦争からの距離と、おのおのが自国のエネルギー問題からの回避を完了させて行く。もちろん日本だって、もともとがトランプのスキャンダル隠しの異常な侵攻なのだから、二つ返事で断れば良い立場なはずだ。この状況ならば、アメリカとの軍事同盟を一旦は見直してでも、世界の国々の方と歩調を揃えるべきだろう。
朝日新聞の世論調査では、すでにイラン戦争不支持が82%、首相姿勢「評価せず」が51%にまでなった。当たり前だ、いきなり戦争の脅威が「首相個人のワンマン」から降りかかって来たのだから。そんな中、就任以来、それこそ毎日のように、爆弾のような問題ばかりを起こし続ける高市総理の訪米の予定が刻一刻と迫って来る。まさに映画のキャッチコピーではないけれど「日本中が震撼する」事態となっていた。
そしていよいよ高市首相の訪米。日本でも各地で戦争反対のデモ運動が巻き起こる。
もう「待った無しの状況」だ。
僕と妻も初めてデモ運動というものに参加する機会となった。
僕らが参加したのは国会議事堂前で行われた「議員会館前行動0319」というデモで、事前に準備したライトを手に「戦争反対」を中心としたシュプレヒコールを体験した。
おそらく上空写真も含め、各メディアがこのような動きを取り上げるのだろうが、ネットも含め少しでも世界に「日本人だって戦争に反対をしている」という姿勢を見せたいと感じての参加だった。「そんな事をしたところで」と言われるかもしれないけれど、おそらくこれから僕らを取り巻く状況は、しばらくの間、最悪になって行くのだろうから、せめて今出来る事くらいはしておきたいのだ。
そして、深夜の内に世界に伝えられた日米会談の内容は、世界中がこの戦争を非難する中「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と直接にこやかに伝えた、高市首相の異常な発言だった。「日本の総理大臣」とだけで、自分の名前は一度も呼ばれていないのに、相手を「ドナルド」と呼び、しかも一方的に侵攻した側を称えるとは。これは世界中にトップニュースとして拡散され、日本はアメリカ・イスラエル以外で数少ないイランへの侵攻賛成国として認識されてしまったのだった。
僕らがデモ活動に参加した事なんてなんの意味もなかったと痛感はさせられたものの、それでもただ画面の前でメディアにかぶりついているだけではなくて、何かしらのアクションを取れたのは良かったのだろう。そんな風に、僕と妻の中にひとつの明確な判断基準が生まれた日でもあった。
結果として、国会前のデモに集まった人数は11000人ほどだったらしい。
けれど、これを中東の方々がネットにより広く拡散し「日本では政権と国民との意見に大きなかいりがあり、日本人の多くはこのアメリカの侵攻に反対している」との情報がイラン側に流れる事態となる。この情報が「出光」などの過去の日本のエネルギー産業企業が培って来たイランでの貢献と組み合わさり、奇跡とも言える、日本の印象のプラス要因にまでなって行くのだ。
このニュースを聞いた僕と妻は「なんでもやってみるもんだね!」と笑い合い、まさに報われた思いだった。
日本が最も恐れたトランプからの自衛隊の派遣要請は、特に発言としてはなかったらしい。一国の未来が一転するような発言ですら、気が変わったで済ませるのがトランプなのだろうか。正直、手離しでは喜べない不安感が残った。
高市首相個人の大失言で中国を怒らせた結果がレアアースを止められ、これからほとんどの製造業が悪影響を受けている。同じく今回の特大失言でイランからホルムズ海峡を経由する原油が止められ、いずれ運輸の全てが停止するのだ。間違いなく、戦後日本の最大の危機だ。たった1人の異常な発言のせいで。
僕ならすぐにでも中国とイランの2国に土下座をしに行く。なにより「個人の問題発言」なので、それで好転できる内容なのだから。
さらに恐ろしい事態が待っていた。翌朝から、日本のテレビメディアは「高市のアメリカ訪問は大成功である」とこぞって報じ続けたのだ。日本での高市ブームを考えると、誉めればメディアの数字が取れるという判断基準らしい。
同時刻に、アメリカでは対極的に様々な高市の訪米での失敗談が流れ、世界に広がった。日本だけが、全く違う、作られた情報を流している訳だ。これでは北朝鮮などの独裁と、何ら変わらないメディア状況になってしまっている。
日本国民が「騙されていた!」と気付かされるのもあとわずかだ。様々な資源が入って来ず、生活面で実感し、パニックになった時なのだ。一体、国側はなんと説明するのだろう。また「陰謀だ!外国人が!」「中国のせいだ!イランのせいだ!」とでも言うのだろうか。
24日、さらに考えられないほど大変な事態が起こる。日本の現役の自衛官、しかも少尉にあたる幹部が、日本にある中国大使館に侵入し草陰に隠れ、大使に対し「日本に対する強硬姿勢を控えて欲しい」といった意見を伝え、受け入れられなければ刃物で自決する事を企て、結果、領事館員に取り押さえられる。
高市首相のような個人の間違った考えの延長線上が、こういう犯罪につながったのだ。前代未聞の出来事で、当然すぐに飛んで行って、それこそ関係者に土下座をすべき状況なのに、日本側は謝りもせず、それどころか、テレビ報道もかなりの時間差を作り、その扱いも気付かないほど小さなものだった。もうほとんど戦時下レベルの情報統制が始まっているではないか。
僕と妻は、中国の件で何ができる訳でもないのだけれど、せめて今できる事をやろうと、今度は地元神奈川県の、アメリカのイランへの侵略戦争反対デモ「平和憲法を守る0325」に参加した。
場所は神奈川県の橋本駅。東京のような訳には行かない小さな駅でのデモな上に、あいにくの強め雨ではあったものの、それでも150人という人々が集まり、みんなで声を上げた。この日は日本中で数千人クラスの集会が開かれ、国会議事堂では24000人を超える人が声を上げたそうだ。
僕らのいた会場で、わずかではあるもののこういう反対運動をあざ笑い、時にはからかうような態度を見せる若者が現れる。おそらく「自分はそんな暇な人々など見えていないんだぜ、どうだい、クールだろう?」とでも言いたいのだろうけれど、なんとしてでも集会の代表と集団の最前列のすき間を堂々と通過してやろうと努力する様は、さすがに滑稽だった。20代~30代の男性達、もう「中二病」という年齢でもないだろうに。
最近見た「ストレイトストーリー」という映画では、若者が主人公の老人に「年寄りって何が辛い?」とからかうと「若い頃のバカな行いを覚えている事だ」と返し、見事に黙らせる。僕にも心当たりがあるけれど、確かに若き日の失敗は、辛く何より恥ずかしい拷問だ。
とにかく今は緊急事態が目の前に迫った、成果が必要な時だ。「どこどこの街で何人が集まった!」「日本全体で何人が声を上げた!」という事実だけが重要だ。前回参加した国会議事堂で前でのデモの映像が、実際に、イランの報道機関を動かす事にまで繋がったのだから。
僕らもさすがに連日は行けなかったけれど、この週末には東京のデモは各地で恐るべき規模を記録する。種類も様々で、日本らしくコスプレ可の「ヲタクデモ」まで開催され、大いに人々を集めた。
イランでの戦争反対は当たり前ながら、いつまでも中国に謝罪をする意思を見せない高市政権に「高市退陣」「中国ごめんね」というコールも飛び交った。イラン同様に、中国側でもデモの様子がネットで拡散し、翻訳され、「日本政府=日本人ではない」という見解が示された形となった。
アメリカではトランプの支持率がみるみる下がり始め、元々が「トランプの幼児への性的虐待隠しのために始めた戦争である」のが明白な事もあり、アメリカでは「ノーキングス
=王様はいらない」運動が900万人越え、イギリスのロンドンでも50万人越えを記録する。まさに世界中がこの戦争に反対するデモムードに染まり始めたのだ。
不思議な事だけれど、こういう反対運動のような意思表示では、まず冷ややかな日本人が、今回は早めに熱い動きを見せた理由は、数年前から兵庫県で起こっていた「斎藤元彦知事県政へのカウンター活動」や、参院選での「参政党などへのヘイトへのカウンター活動」が大きく影響したように思う。彼らにより、組織化され、合法的な発言・行動の範囲が示され続け「これくらいなら問題はない、むしろやるべきだ」と示され続けた成果なのだろう。
時を同じくして二つの問題が生まれていた。
政府側が「スパイ防止法」の名目で「政府への反発者を法的に対処できる法律」を単独で作ろうとしている事だ。自分達への反対勢力を法律で潰そうというのだ。ここまで来ると本当にかつてのドイツの「ナチ」のような政府ではないか。あと数ヶ月後には未曾有のエネルギー危機により餓死者を出す可能性のあるこの日本で、一体何をしたいのだろうか。
そしてもう一つ、デモ現場での女性の参加者だけを狙った悪質な嫌がらせが横行し始めた事だ。「ミソジニー=女性蔑視」と「セクハラ」のなせる技なのだろうけれど、自分の国ながら、こちらも同様にこの緊急時にする事なのだろうか。本当に火事場泥棒レベルの人間達だ。
今はスマホで誰でも記録撮影ができるので、瞬く間にその人種は周知されて行き、その容姿もあらわになって行く。まぁ、いわゆる「うだつの上がらない感じの人達」だ。大きな線引きで言えば自分も同じ「おっさん」として、大変申し訳なく思う。その考え方が共感こそできないまでも、それなりに想像だけはできてしまうのだ。確かにそういう「おっさん」達は確実に存在する。
なぜかどれも薄暗いけれど、しっかりと映像に残っている。その様はまるで地縛霊のようだ。ほとんど妖怪やUMAのような存在なのかもしれない。
こうして激動の3月が終わった。
4月となる。
僕のWEB番組の新しいシリーズ「ハモニカフェ・ドライブ」が無事に最終回を迎え、全20話が完結した。
やや人気(再生回数)が落ちてしまったのは、社会不安からなのだろうか。はたまた昨年の11月の撮影していた頃には想像もつこうはずもなかった、戦争でのガソリン不足による「車社会への不安」が、これにも関係しているのだろうか。
最悪な状況は、日々拍車が掛かり続けて行く。
高市首相は、野党からの数々の問題の突き上げから、まさかの引きこもりのような状態となり、国会を頻繁に欠席するようにまでになってしまった。電話に出ず、メールなどにも返事をする相手は限られているらしい。こうなると物語に出て来るようなダメ人間ぶりではないか。
この人の問題は多過ぎて、もはやこうして記録するのもキリがないほどだけれど、まず何より、信じられない愚策がある。もうこれからしばらくは入って来ない石油に対し、高騰や節約モードにシフトした際の景気後退の懸念から、逆に補助金をつけ、ガソリンを値下がりさせ、あろう事か、今までと同じように使うよう国民に勧めたのだ。世界中が石油関連に関して節約を訴える中で、まさに自殺行為に近い異常な政策ではないか。聞けば、テレビや大手の新聞社などはこれを一切否定せず、何も状況は変わっていないかのような報道を続けたのだそうだ。
対してネットや小口のメディアはできるだけ精度のある情報を出し続け、来月5月にも石油枯渇からほとんどの産業が停滞し、1ヶ月と待たず日本は未曾有の品物不足を体験するであろうと声を荒げ続けた。
僕と妻は、当てになりそうな情報を頼りに、物資不足に向けての準備を始めた。
これからはコロナ禍など目じゃないほどの事態が待っているのだ。外で動けないだけの頃とは違って、自宅でも何もできなくなる上、燃料、医療物資、そして食料品までもが無くなるのだ。
水不足の方だけはなんとかなるらしいけれど、水道料金・ガス光熱費はすでに4月から値上げが始まり、ネットでは驚くほどの店舗が「閉店の挨拶」を綴り続けている。今回はコロナ禍とは違う、頑張ったところで、今度しばらくはどうしようもないのが分かっているのだ。クラウドファンディングも間に合わない。それどころか、食料品や医薬品がなくなるという事は、最悪、漫画「北斗の拳」のようなの奪い合いすらあり得る状況なのだ。
この事態に、日々それなりに準備をして行きながらも、なかなか寝られない日々が続く。シンプルな怒りによる寝不足だった。たった1人の総理大臣の無意味な失言によって中国を怒らせ、レアメタルをはじめ多くの物資が入って来なくなったのだ。すぐにでも駆けつけ、土下座でもなんでもすれば解消できる発言なのに。相手が悪い訳ではない、一方的に日本の高市総理側が悪いだけの話なのだ。おまけに、中国大使館に自衛隊の幹部が刃物を持って忍び込んだ件だって、まだ詫びてもいない。世界的に見ても、ただ日本が悪いだけの話なのだ。
石油の件も同じだ。イラン側は「日本に対しては交渉の門を開いている」とまで発言してもらっているのに、侵略戦争を仕掛けたアメリカ側に配慮して、一向に会談をしようとはしないのだ。
そこまでして支持者達に、自分が「海外に強気の総理である」と見せたいのか、「そういう総理だけを盲目的に求める有権者」を手放せないのか。本当に自分を認めたくないないだけの、ただ謝りたくないだけのプライドで、全国民を飢えさせる気なのか。しかも一時的にではない、これからかなり長い期間で、最悪は、国が滅びるほどの衰退をたどる可能性まであるというのに。
こうして今の事態を、記録として書き連ねているだけでも、あまりの事態の異常さに吐きそうになる。こんな無責任な人間がいるだろうか。加えて、それを止められない周囲や組織があるだろうか。
まぁ、ヒットラーだってプーチンだってトランプだってそうなのだ。だいたいは、たった1人の異常な人間によって、異常な歴史が繰り返されて来たのだから。
4月初旬。
食料品の備蓄の準備を始める。レトルトや乾麺類、日持ちする調味料や補助食品的な菓子類だ。といっても消費期限があるし予算だって限られる。
まだ地元のスーパーなどでも、まとめ買いなどは見掛けないけれど、気のせいか品薄や欠品は目立って来ていた。この時に始めて気づく。コンビニのおにぎりなどは、倍近くの200円代にまでなってしまっている商品もあったし、お弁当などもどれも上げ底で、その味も結構な確率で(これ、大丈夫か?)と不安になる古い物にもぶち当たる。
そんな日々の中でも、ありがたい事に、僕のオンラインレッスンはなんとか続いてくれていた。新しく始められた生徒さん方は、今後の生活への不安も含めて、気軽に続けられそうな楽器としてハーモニカを選んだという方がおられた。これはコロナ禍を通じて僕自身が強く感じた点なので、自信を持って言える。辛い時代ほど、ハーモニカは常にそばにいて心の支えになれる素晴らしい存在だ。辛い人にほど、その得意な「癒し力」を発揮してくれる事だろう。
企業での対面型レッスンの方はもうやめてしまってかなり経つけれど、もし続けていたら、今だと交通費だけでパンクしていたはずだ。最近、知人の会話で「子供の定期券が10万円だ」「うちなんか12万円だよ」なんていう会話を聞いた。うちは子供もいないし、ペットすらもういないので、そういった意味では自分達夫婦の事だけを考えていればいいのだけれど、どれもこれも、これが本当に日本の話なのだろうかと身震いをする毎日だ。
4月7日、臨時で政府からの記者会見が、なんの前触れもなくテレビ中継される。
高市首相が「石油などの備蓄について年内分の目処がたっているので節約などの心配はない」と発表する。僕らはYouTubeで見たのだけれど、メディア側の1社だけがまとめて質問を行い、準備済みの回答を高市首相が読み上げるという、なんとも芝居がかったものだった。
この段階でも、まだアメリカの機嫌を損ねないために「イランとの交渉は検討中」と、具体的にして行く気はないようだった。ホルムズ海峡以外のルートで充分な量の石油を手に入れるのは不可能である、という大前提の中で、一体どうすれば石油確保ができると言うのだろうか。それぞれの専門家達が、発表された政府見込みの数字ですらまるで間違っていると指摘している。もし仮に、平気で嘘をついていないのだとすると、これから国民全員が飢えるかもしれない、医療物資の枯渇のために透析患者などの命に直結しているこの異常事態を、今現在も、正確に把握をできていないのだろうか。日本中の専門家の大多数が上げている悲痛な叫び声に対して「政権批判の陰謀論だ!」という反論だけを言い続けるつもりなのだろうか。
同日の夜、さらなる緊急事態が世界を震撼させる。
アメリカがイランに核を使う可能性を発表する。これを受け、もちろん世界中が反論をする中、何一つコメントを出さなかったのは、唯一の被爆国であるはずの日本だけだった。
ロシアは正式にこの戦争にイラン側につき参戦を発表、北朝鮮はイランに核を使った場合は即座にイスラエルに核を打ち込むと宣言、中国はアメリカへの肥料の輸出中止を発表し、事実上中国に依存するアメリカの農作物に致命的なダメージを与える措置を発表した。
結果、パキスタンが仲介し、アメリカが宣言した最後通告の数時間前に、この状況は2週間の停戦という状態で小康状態となった。
翌日8日、国会議事堂前でかなり大型の「反戦デモ」が予定されていた。
僕と妻も、備蓄すら終わらず、生活面ではそれなりに厳しくなって来たものの、この運動の一助くらいにはなれるはずと、参加をした。「戦争反対デモ」に参加するのはこれで3回目になるけれど、今回はかなり大規模なものだった。
事前情報として、アメリカの機嫌をとりたい日本政府側が「国会議事堂の最寄駅で人数制限の妨害工作をするらしい」との一報が出る。そこまで腐ってしまったのかと本当にうんざりするけれど、上空からの映像が記すペンライトの数だけが、SNSを通じ世界に広がって行くのだから、唯一誰でもできる事をするだけだ。「しょうもない事を」という人は山ほどいるだろうけれど、もうそんなには気にはならなくなって来た。もともと僕がやって来た事だって、大体がしょうもない事ばかりなのだし。もっとも、今では妻の方に先導してもらっているばかりなのだけれど。
現地に着くとすぐに大勢の警官達が質問をして来る。
デモに慣れた面々は「答える義務はない!」と軽快に跳ね除けていた。まぁ、警察の方も事故を防ぐという名目なので、デモの参加者には指定されたルートを促しているだけなのだけれど、参加者達は国の政策自体に反対しているくらいなので、当然国家権力側には極力従う気は無さそうだ。
僕と妻はデモ・ビギナーなので、参加者用の通路が事前に確保されていたのは助かった。
かなり早めに到着し、それなりに場に馴染んでからは少しずつ場所を変え、自然と盛り上がっている方へと足を進めて行った。
途中から妻が「もっと色々観たい」との冒険心に目覚め、あえて移動できる通路へ移り、いくつかある中央のコールに混じった。中にはフェスのような盛り上がり方で、ややカッコ良く見える集団のコールもあった。コスプレをし、ペンライトを振り、おのおのが手作りのプラカードや旗を掲げる。ネットでは存在を知られつつある名物の面々も見掛ける事ができた。
あらかじめ予定されていた時間が過ぎると、全体的には一気に地下鉄の駅方面に向けて帰り始めるも、興奮冷めやらぬ面子はいつまでも声を上げ続けていた。
僕らは遠くにペンライトの群れを眺めながら、疲れ果て、帰途に着いた。
この日は少なめに見積もっても国会議事堂前に3万人はくだらないとの話だった。ちなみに「少なめに」数えるようになったのは、いわゆる「ネトウヨ」と言われる人達がそれを否定しようとネットでの発信にヤッケになっているかららしい。
このデモの映像は、相変わらず大手テレビ新聞メディアには取り上げられないという異常事態が続いているようだけれど、実際のイランに方にはネットを通じて拡散されていて、少なからず「日本政府」と「日本国民」とは分けて考えなければいけないとの動きにつながっているそうだ。同時に「NE-TO-U-YO/ネトウヨ」というしょうもない言葉まで海外へ広まってしまったのは、まことに残念ではあるけれど。
このデモは全国で展開され、なんと都市部だけではなく、全国約150箇所、開催されていない県は無いとの、凄まじい広がり方だったようだ。その参加者、推定で485000人超えとの数字が後日発表される。特に若い女性層が目立ち、僕が見かけた参加者の半数以上が、女性ではなかったろうか。
アメリカとイランの2週間の停戦合意がなされる。状況を見守るこちらも一時休憩といったところだ。
そんな暑い夜、停戦になってようやく高市総理がイラン側に初めて電話会談を行ったらしい。交渉が進んでいるというのは、やはり、というかまた今回も、やんわりと「嘘」だったようだ。もうこの人の「嘘」には驚かなくなってしまったけれど。
そして、電話会談を終えたイラン側からは「日本の首相の言葉は交渉ではなく武器だった」との凄まじいコメントがすぐに出され、決定的な外交の失敗を、国民全体がネットによって相手国から直接知らされる事となった。おまけにアメリカが停戦をした後もイスラエルがレバノンを攻撃し続けた事で、わずか数時間でホルムズ海峡は再び封鎖となってしまった。
どうしてこれほどの資源のない日本の未来を左右する緊急事態に、たとえ代表だとしても、外交経験の無さから失敗続きの人物を、わざわざ交渉に当たらせるのだろうか。無難に堅実な石破前総理などに任せれば良かったのに。どんなにデモ運動が盛り上がっても、そのそばから相手を怒らせるような異常なトップでは、もはや無能を通り越して「災い」ではないか。
翌日から、また淡々と日々は過ぎて行く。
ありがたい事に新規の生徒さん方も続いてくれて、僕のオンラインレッスンはなんとか細々と続ける事ができてはいた。受講回数を減らさざるをえない方や、なんとなくお辞めになられる方もみえるけれど、僕のレッスンは、毎回が「一回単位」で更新して行くスタイルなので、再開できるようになれば、またいつでもご連絡をいただければいいだけなのだ。
とはいえ、今回はコロナ禍の時とはレベルが違う危機の到来だ。動けない、仕事が無くなるだけでは無い。食料品や医療物資までが枯渇するかもしれないのだ。
そんな中で進めるレッスンだけに、僕は今まで以上に気合を入れ、いざという時、自分だけでも進められる練習方法を伝えるようにしている。僕に習おうと独学でやろうと、続ければいずれ吹けるようにはなるのだから。
4月中旬。
ありがたくも、また春風亭小朝師匠から独演会でのお仕事をいただけた。前回は2月の大きな選挙と重なり雪まで散らついていての移動だった。今回は地元神奈川の横須賀ではあるものの、湘南エリアはすでにオーバーツーリズムの大渋滞なので、遅刻を避けるためやや回り道をしての移動となる。こういったガソリンを多めに使う動き方も、もうこれからは難しいのかもしれない。電車移動が軸となるという事だ。まぁ、電車だって動き続ける保証もないのだけれど。
場所は横須賀芸術劇場ヨコスカ・ベイサイド・ポケット。椅子の並べ替えが可能で、さまざまな舞台に変化するホールだ。現場に着くと、またいつものようにテキパキと、全く無駄がなくイベントの準備が進んで行く。
小朝師匠は当たり前のようにドッカンドッカンと会場を沸かせていた。中入り後、僕の20分のステージも無事終了し、また妻と二人豪華なお弁当をいただきつつ、久しぶりの大観衆からいただいた大興奮の中、僕らは会場を後にする。
帰り道になかなか行けないイタリアン食材の専門店「タントテンポ」さんで、パスタなどをやや多めに買って帰る。そのついでに異国情緒漂う店内なので、「ハーモニカど~こだ」の撮影もさせていただいた。
まるでポストカードの世界ではないか。こういうハーモニカ映像が簡単に撮れるのはありがたい。
4月20日、夕暮れ時。
ネット番組で北海道と東北を震源とする震度5強の地震の到来を知る。大きくはないものの津波の発生と避難勧告を聞きながら、僕と妻は友人に連絡をとり安否確認を急いだ。不幸中の幸ながら大きな被害はなく、泣きっ面に蜂とまではならなかったみたいだけれど、改めてこういう震災が来ると、頼りにならない政府というのは恐怖でしかない。
と、ここまで書き、一区切りのアップをしてみたいと思う。
前回の『その⑱』には続きつつも、“コロナ収束…どころではなくなってしまった” と大幅にタイトルを変更し書き始めた今回の自粛日誌だったけれど、日本がどうなるかもわからない有様だ。『その⑳』を書くことができたなら、また、お読みいただければと思う。
2026年4月23日 広瀬哲哉







