以前に、ウィルフレッド・オーウェンの「美しくも名誉なり」の詩を取り上げましたが、硬派な詩の割には、アクセスが多いのに驚きました。
前回は、第4節の8行を、あまりに表現が残酷なのと、訳出が難しいので省略しましたが、ここでは、其の8行を見てみたいと思います。
初めての方はこちらからご覧ください。
If in some something dreams you too could pace
Behind the wagon that we flung him in,
And watch the white eyes writhing in his face,
His hanging face, like a devil's sick of sin;
If you could hear, at every jolt, the blood
Come gargling from the froth-corrupted lungs,
Obscene as cancer, bitter as the cud
Of vile, incurable sores on innocent tongues,--
もし、ある夢かと思うような時の中で、あなたもゆっくり歩むことが出来るなら、
彼を投げ込んだ荷車の後ろを
そして、彼の悶え苦しむ白目と悪魔でさえも気持ち悪がるような
彼の垂れ下がった首を見つめることが出来るなら
もし、あなたが聴くことが出来るなら、激しい揺れの度に
壊れた肺から泡のようにガラゴロ噴き出す血の音を
癌のように不快で、食い戻しのように苦く汚らわしく
なんの罪もない舌の癒えない痛みの声を
(日本語は意訳しています)
YouTubeに朗読がありますのであげておきます。