【関東の駅百選「県庁前駅」】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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地図を眺めれば、家にいながら「冒険」の始まり。
毎日をワクワクドキドキの「夏休み」にするためのブログ。

 

今週の早朝ウォーキングのフィールドは、ほとんど思い付きのようなものです。位置情報ゲームの「イングレス」のミッション(スランプラリーのようなゲーム)をどこでプレイしようかと考え、「まあ普段とは違う方向が良いだろう」と思い、定期券の区間ではない千葉方面の地図を広げ、コースを検討し、なんとなく本千葉駅あたりが良いのではないかと決定します。本千葉駅は、JR外房・内房線の駅ですが、乗り換えを必要としない比較的アクセスが良い駅だからです。その本千葉駅を起点に房総往還に沿って猪鼻城方面に向かって進み、大和橋あたりで引き返し、都川に沿って歩いてみることにしました。

自宅からは君津行きの内房線に乗り、ほどなく本千葉駅に到着。ただし、乗車した車両は残念です。君津行きという距離のある電車で、比較的乗客の少ない時間帯だというのに、ボックス席がまったくないタイプの車両でした。少しでも乗客を詰め込みたいというJRの考えもわからなくはないのですが(個人的には詰め込まれたくない)、少しでも旅情を味わいたいのなら、「グリーン車にでも乗れ」ということなのでしょう。

さて、到着した本千葉駅は、かつては寒川駅と呼ばれていました。近くに寒川神社があり、この地域一帯は寒川町となっています。もともとは地方の私鉄の駅であったのが国鉄に吸収されたりとか、戦災で現在の場所に移転したりとか、紆余曲折がありますが、千葉県庁や猪鼻城(千葉氏の居城)にもっとも近い駅ということで、本千葉駅と改名しています。現在は賑わっていますが、JRの千葉駅自体が本来の街の中心部から離れた場所に作られたというわけです。街の中心に線路を通すというのは、そうそうできることではないですからね。

駅の改札を出て、広場を抜けると、房総往還という大通り。房総往還は、江戸時代の初めに整備された街道で、房総半島の根元にある船橋から半島の先っぽにある館山を結んでいます。往時をしのぶ痕跡として、神社仏閣・馬頭観音などが残されていますが、この辺りは戦災の影響もあり、昭和の飲み屋街を偲ぶのが精一杯のようです。

歩き始めてすぐに、ちょっとSFチックで近未来的な風景が見えてきます。関東の駅百選に選ばれている、千葉モノレールの「県庁前駅」です。選定理由は「総ガラス張りから自然光を取り入れ21世紀の明るい未来を連想させる駅」とのことで、千葉県庁のおひざ元ということもあり、かなり気合の入った駅構造になっています。ただ、致命的に残念な点は、せっかくのペデストリアンデッキが短すぎるということ。やはり、ここは千葉県立羽衣公園を囲むようにデッキを構築し、千葉県庁中庁舎・千葉県庁南庁舎・千葉県警察本部、さらには千葉県文書館までデッキを伸ばし、上下階への移動を無くし、横断歩道を渡らせるような愚をおかすべきではないでしょう。

この付近の房総往還は、昭和の高度経済成長期の遺産が多いのですが、日本キリスト教団千葉教会のような風景も見ることができます。日本基督教団は、1879(明治12)年に宣教を開始した日本全国でも最も古い伝統をもつプロテスタント教会の一つとのことで、こちらの教会堂は、1895(明治28)年に建てられ、1975(昭和50)年に千葉県有形文化財に指定されています。ドイツ人建築士リヒャルト・ゼールの設計で、内部には木造ゴシック建築ならではのハンマービーム工法が見られるそうです。

都川に架かる橋「大和橋」が見えてきました。右手の丘には、亥鼻城。城名の由来は、本丸が台地の「亥の方向」に突き出していることからきています。

大和橋で都川を渡り、川下へ向かって歩きます。川岸には中途半端なテラスがあったりと、千葉県らしい佇まいです。羽衣橋を通過し、千葉県文書館を正面に見つつ、都橋に至れば、頭上には先ほどの千葉モノレールの高架が伸びています。都川公園の河津桜も見事。しばし、公園のベンチから見上げる「県庁前駅」も味わい深い風景です。

歩行距離としては短めでしたが、この県庁前駅からモノレールに乗車。懸垂式のモノレールから見下ろす車窓に堪能しつつ、千葉駅へと帰宅の途につくのでした。

■周辺図


●県庁前駅


●日本キリスト教団千葉教会


●大和橋周辺


●都川公園


●県庁前駅構内



さあ、今日も地図を広げて、
思い付きのように、冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。