今回は皮膚についてです。
全身を包む皮膚の基本的な構造と働きを学び、
スキンケアに役立てましょう。

体と外部との境界にあることで、紫外線や病原菌
などの侵入を防いで体を守るほか、体温調節や
皮脂の分泌、塩分などの体内物質の排泄などを
行って体内環境を保つことです。
また、張り巡らされた神経が、触覚や痛覚などを
通して、外部の情報を脳に伝える役割りも
果たしています。


皮膚の最も表面にある部分です。
潤いを保つとともに、外界からの異物の侵入を
防ぐ働きをしています。
~表皮の働き~
◆角質層◆
皮膚の一番外側にある部分。
角質細胞が何層にも重なってできており、その
層の中に20~30%の水分が保たれている。
セラミドが水分を挟み込んで角質層を安定させる
ことで、外刺激から守り、体内から水分が蒸発
しないようにしている。
◆表皮細胞◆
基底層で生み出されて押し上げられた細胞の層
のこと。表皮細胞は角化して角質細胞になる。
摩擦などの外的刺激を神経に伝えたり、
アレルギー反応を起こしたりしている。
◆基底層◆
真皮にある血管から酸素や栄養素を受け取り、
細胞分裂によって新しい表皮細胞を生み出す。
紫外線に反応してメラニンを作り出すメラノサイト
がある。

表皮の下にあり、弾力を保って「肌の土台」の役割
をしています。
真皮の主成分はコラーゲンです。
コラーゲン線維は、エラスチンという別の線維で
束ねられ、支えられています。
コラーゲンとエラスチンの周りには、ヒアルロン酸など
で埋め尽くされ真皮内の水分を保っています。
これらの成分は線維芽細胞によって作られ、弾力を
保っていますが、紫外線や活性酸素、加齢などの
影響で古くなったり量が失われたりすると、シミや
たるみの原因になります。

真皮の下にある組織で、大部分が皮下脂肪で
できています。
外部のショックから体を守り、体温の発散を
防ぐ役割があります。

紫外線は、ビタミンDの生成や殺菌作用などの働き
がある一方で、シミやシワの原因となって皮膚の老化
を促進するだけでなく、皮膚がんのもとになることも
あります。

波長の長さによってA波、B波、C波の3種類に
分かれますが、地上に届くのはA波とB波の
2種類です。
~紫外線の種類~
◆紫外線A波◆
タンニング(皮膚が黒くなること)を起こす紫外線。
じわじわと真皮まで到達し、コラーゲンを変性
させて、シミやシワの原因になる。
◆紫外線B波◆
サンバーン(皮膚を赤くしたり、ヒリヒリさせる)を
起こす紫外線。
A波より日焼けを起こす力が強い。
表皮を傷つけてシミや皮膚がんの原因になる。
◆紫外線C波◆
地上にほとんど届かないといわれている。

~主な紫外線によるダメージ~
◆日焼け◆
紫外線による一種のやけど。ほてりや痛みを伴う。
◆乾燥◆
弾力が失われ、くすみやキメの乱れ、シミなどの
原因になる。
◆シミ◆
メラニン色素が過剰に作られると色素がシミと
なって残る。
◆シワ・たるみ◆
紫外線が皮膚の真皮にまで達すると、皮膚が
弾力を失って、シワやたるみを引き起こす。
◆皮膚がん◆
大量に紫外線を浴びることでDNAが損傷してしまう。
何度も損傷されると修復できなくなり、皮膚がんを
発症しやすくなる。

◆PA◆・・・紫外線A波をカットする力
「+」の数で効果を表す。
「+」は日焼けを起こすまでの時間を2~4倍引き
延ばせるということ、「++」なら4~8倍、「+++」
なら8~16倍以上引き延ばせるという目安。
◆SPF◆・・・紫外線B波をカットする力
サンバーンが始まるまでの時間を何倍に延ばす
ことができるかの目安。通常約20分間に渡って
紫外線を浴びるとサンバーンを起こすと言われている。
SPF2なら40分(20分×2)
日常生活で使う場合は、SPF20前後ものが標準。
※以上、成人病予防対策研究会発行
総務省認証・学術刊行物「ほすぴ」
(予防医学学術刊行物133号)より
一部抜粋しました。
紫外線A波は、雲やガラスも透過します。

曇っていたり、室内にいるからといって油断していると
紫外線の影響を受けることがあります。
普段から紫外線対策を心がけましょう。

次回は目

興味のある方は、またお付き合いください。
