田舎は面倒とよく言われます。
それは人間同士の結びつきが強いからだと思います。
なぜ結びつきが強いかというと
お互いが助け合い支え合って暮らさなければ
生きていけないからです。
いちいち都会に行ったり業者に頼んだりしていては
時間やお金がかかってしまうようなことも、
できる人ができることを出し合って協力することで
互いの不便さを解決し生活を成り立たせています。
重機など特殊な機械を扱える人、
「田舎ルール」で困った人に便宜を図る柔軟な人、
自分の力や持ち物を躊躇わず分け与える心の広い人、
人脈が広くて頼りになる人・・etc
田舎にはそういった「力」のある人がいて
互いの「力」を出し合って
不便を解消しながら暮らしているのです。
こうして「お互い様」の精神が育ちます。
周囲へ親切にして(=恩を売って)おくことは
自分がピンチの時に助けてもらえる担保になります。
誰かに親切にしておけば巡り巡って自分も助かる、
あの時助けてもらったから今度は自分が、
という考え方です。
余談ですがこの田舎で生まれ育った人でも
おかげで田舎を心地よく思い居残っているのは、
「お互い様」の精神が染み付いていて
もうそれほどお金を稼ぐ必要も無くなった
高齢者ばかりになりました。
高齢×過疎=限界集落化は目前に迫り来る
かなり切羽詰まった問題です。
かく言う私ももともとドライな人間です。
人同士のやり取りがあまり好きではありません。
ただ、この辺鄙な土地で20年以上暮らしてきて
若いうちなら自力でどうにかできたことも
歳を取ったら無理かもしれないなと思うことが増え、
田舎には田舎に合った生き方があり
それに従わなければ生きていけないだろう、
田舎の「親切」「お互い様」は
生き延びる術なのだ、と気づき
ここで生きるなら自分もそれに従わなければ
と悟りました。
ただ、(またまた余談ですが)上述のように
この地域も限界集落化しています。
住民は私より年上の方ばかりで
若い世代がほとんどいません。
このままではいつか極端に高齢化し人も減って
住民同士が助け合う暮らしにも限界が来るでしょう。
私が年老いたとき周囲にどれだけの人が残っているのか?
想像すると恐ろしくなります。
今日の一言
夫が作ってくれたりんごケーキです。
ゴロッとりんごの食感と素朴な甘味にほっと一息。