赤裸々実録*田舎暮らし 13/20(田舎の親切をもう少し深掘りして考えてみる) |  田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

 田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

   独立した娘2人を持つパートタイマー主婦です。
   ワインのこと、愛猫のこと、
   寒冷地のド田舎暮らしのこと・・
   思いつくままに。

田舎は面倒とよく言われます。

それは人間同士の結びつきが強いからだと思います。

なぜ結びつきが強いかというと

お互いが助け合い支え合って暮らさなければ

生きていけないからです。

 

いちいち都会に行ったり業者に頼んだりしていては

時間やお金がかかってしまうようなことも、

できる人ができることを出し合って協力することで

互いの不便さを解決し生活を成り立たせています。

重機など特殊な機械を扱える人、

「田舎ルール」で困った人に便宜を図る柔軟な人、

自分の力や持ち物を躊躇わず分け与える心の広い人、

人脈が広くて頼りになる人・・etc

田舎にはそういった「力」のある人がいて

互いの「力」を出し合って

不便を解消しながら暮らしているのです。

 

こうして「お互い様」の精神が育ちます。

周囲へ親切にして(=恩を売って)おくことは

自分がピンチの時に助けてもらえる担保になります。

誰かに親切にしておけば巡り巡って自分も助かる、

あの時助けてもらったから今度は自分が、

という考え方です。

 

余談ですがこの田舎で生まれ育った人でも

他人を助けるのも他人から助けられるのも
余計なお世話として鬱陶しがり、不便な生活を嫌って、
便利で気楽な都会へ出て行ってしまう人は多いです。
そもそも若者が定着できるような産業・仕事がなく
ここから出ていかざるをえない状況であることも確かで
そちらの方が最たる人離れの原因だと思いますが。

おかげで田舎を心地よく思い居残っているのは、

「お互い様」の精神が染み付いていて

もうそれほどお金を稼ぐ必要も無くなった

高齢者ばかりになりました。

高齢×過疎=限界集落化は目前に迫り来る

かなり切羽詰まった問題です。

 

かく言う私ももともとドライな人間です。

人同士のやり取りがあまり好きではありません。

ただ、この辺鄙な土地で20年以上暮らしてきて

若いうちなら自力でどうにかできたことも

歳を取ったら無理かもしれないなと思うことが増え、

田舎には田舎に合った生き方があり

それに従わなければ生きていけないだろう、

田舎の「親切」「お互い様」は

生き延びる術なのだ、と気づき

ここで生きるなら自分もそれに従わなければ

と悟りました。

 

ただ、(またまた余談ですが)上述のように

この地域も限界集落化しています。

住民は私より年上の方ばかりで

若い世代がほとんどいません。

このままではいつか極端に高齢化し人も減って

住民同士が助け合う暮らしにも限界が来るでしょう。

私が年老いたとき周囲にどれだけの人が残っているのか?

想像すると恐ろしくなります。

 

 

今日の一言 

夫が作ってくれたりんごケーキです。

ゴロッとりんごの食感と素朴な甘味にほっと一息。