なんだかお固いタイトルになってしまいましたが(私らしくもなく)
内容はそんなに固くないですよ(私らしく)。
今年の TOJ での事故 & 落車を受けて
今後開催が見送られるレースが出てくるであろうとのこと。
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TOJ での事故とは、
伊豆ステージでシンガポールのチームカーが
仮設フェンスにぶつかって
沿道にいた観客2人とカメラマンの田中苑子さんに
怪我を負わせたというもの。
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落車とは、 TOJ 本戦ではなくて同日に前座的に開催された
アマチュア(実業団)レースの中で落車があり
参加者の数名が骨折などの怪我をしたというもの。
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報道ではどちらも「事故」とされていますが・・
非常に違和感があります。
確かに、最初の伊豆ステージの方は珍しい事故かもしれない。
プロコンチやコンチチームはどうも車の運転が荒いらしく
(ていうか、他国や他カテゴリーレースでの運転に
慣れていないだけのような気がしますが)
今年のジロでもオリカのホワイト監督が
無謀な運転をしていたどこかのチームカーに
激怒してましたよねぇ。
ですが、たいていの監督さんは
チームカーの運転は荒っぽいですが慣れてもいるので
事故(しかも観客を巻き込むような)はめったにないはず。
今回の TOJ でのような事故は本当に珍しいと思います。
話戻りまして、
チームカーがフェンスに突っ込んだこととレース中の落車が
どちらも「事故」と報道されたことについてですが。
前者は確かに「事故」でしょうけど、レース中の落車は・・
あくまで競技の中での失敗・怪我ですので
「事故」と報道されたことにはかなり違和感があります。
怪我された人は大変かもしれませんが、
申し訳ないけど
ロードレースで落車 & 骨折などの怪我は当然のリスクであって
それも織り込み済み・覚悟して参加されてるはずなので
「事故」として大騒ぎで報道するほどのことではないかと。
ここらへんはロードレースに慣れた人たちが
さんざんおっしゃってますし、私も同じ感覚です。
報道側の方がロードレースに慣れていなくて
ビックリして大騒ぎしちゃった感が否めません。
しかも天下の NHK 様が報道してしまったので
ロードレースをよく知らない一般の方々が
大変なことがあった、ロードレースは危険だ、と
必要以上に危険視する風潮になりはしないかと
ロードレースファンとして危惧していました。
(まぁ確かに危険なスポーツではあるのですが)
そんななかでとうとう、この知らせ(冒頭部)ですよ。
危険だから開催しない、という・・
あ~あ、やっぱりこうきたか。
ハイ、ここからが本題(前置き長すぎゴメンナサイ)。
こういう流れになってしまう原因のひとつとしては、
日本社会がやたら「責任」を問いたがるということ
があると思います。
日本では事故に限らず何か問題が起こると
必ず、すぐさま、責任問題が浮上します。
マスコミが「誰の責任なんだ!」と大騒ぎして、
実際には事件・事故になんら関わりのない人間が
大勢の報道陣の前で深々と頭を下げて謝罪したり、
責任を取って職を辞したりする、
なんだかよくわからない社会なんですよね、日本て。
それでは根本的な解決にならないでしょ、といつも思います。
事件・事故を起こした張本人が謝罪し、
今後どう償ったり修復したりしていくかハッキリさせる、
そしてその通りに償っていく、
それが正しい責任の取り方でしょ?
それなのに、マスコミ(とそれに煽動された人々)は
ギャーギャー騒ぎ立てて謝罪や辞任を半ば強要して
その後のことはどうなろうと無関心。
(そのくせ「アイツが悪い」ってことだけは
しぶとく覚えていて、ことあるごとに責め立てる)
そんなわけで、
些細なことでも、本当は自分には関わりのないことでも、
(最終的に自分が責任を取らされては困るから)
何か不手際があってはならないと関係者は戦々恐々し、
ならばはじめから何もやらなければいい、リスクは冒さない、
となってしまうのですよ。
誰かを責めるだけで、未来への建設的な議論に発展できない、
とにかく誰かに責任を負わせてその人を徹底的に叩き続ける、
一度失敗したら挽回の余地がない、
そんな陰湿で稚拙な社会はもうたくさんですよ!情けない!!
ただでさえ日本では
ロードレースの地位が欧州並みには至っておらず
レースを開催するにも道路使用許可をとるのが難しい状況で
それをなんとか打破してロードレースを浸透させようと
関係者が苦労しながらも精力的に動いていらっしゃる
そんななかでの今回の出来事。
冒頭の記事では、とりあえず開催が見送られるのは
どうやら実業団レベルまでらしいので
プロカテゴリーのレースは開催できるとは思いますが、
アマチュアレースが閉ざされると優秀な若手選手が育たず
ロードレース界が先細りする可能性があります。
せっかく盛り上がり始めたロードレース界が
やがて日陰の競技に逆戻り・・
そんな事態にならないことを祈ります。