私の角界改革案 | 柳家小きん オフィシャル・ブログ 小きん集

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東京は、すっかり春の陽気となりました。
皆様には、如何お過ごしでしょうか。

「荒れる春場所」と言われておりますが、
この言葉の如く、初日から横綱と大関の黒星が続き、
世間では「白鵬の問題が、土俵上にも表れている」と囁かれております。

「大相撲改革」ということが言われて久しいです。
生意気を言うようですが、私は、
国や相撲協会が選んだ知識人や官僚の皆様では、
実効性のある「改革案」は出せないと思っております。

では誰ならば、有効な改革案を出せるのか?
ズバリ、歌舞伎役者さんと芸妓さんと噺家です(笑)

何故ならば、今の角界の
「番付の上の人が、偉い」
「相撲が強ければ、良い」
という思想を根底から改めるには、
花柳界と歌舞伎界と落語界が保ち続けている
「香盤制」を導入するしかないと、
私は思うからです。

香盤制とは、
年齢ではなく入門順に、序列を作ることです。

落語界には、同期は存在しても
「自分と同じ地位の仲間」は存在しません。
いずれも、先輩か後輩です。

先輩(師匠と兄弟子)の言うことは、絶対です。
真打昇進の時に、後輩が追い抜くこともありますが、
先輩を追い抜く才能あふれる人材ほど、
追い抜いた先輩を邪険にするような人は居りません。

何故ならば「心邪なる者 噺家になるべからず」と言って、
心を練り、境涯を高め、人格を深めてゆかなければ、
さらなる芸境に達することが出来ないからです。

人間主義を持ち込み、人間教育・人格教育を、
何よりも優先させるのです。
「心技体」の格言を、今こそ具現化させるのです。

今話題の元大横綱ではありませんが、
引退された力士は、どのような記録を打ち立てようとも、
社会で奮闘している私達庶民から見れば、
所詮は「人生経験が浅い、人の心が分からない、無知な若造」に過ぎないのです。
この真実を、特に幕内力士は、謙虚に心に刻むべきです。

京都の芸舞妓さん達が、たとえ売り上げが自分の方が上となっても、
先輩を「○○さんお姉さん」と敬っているように、
番付に関係なく、駆け出しの頃にお世話になった諸先輩に、
一生涯、敬意と感謝を忘れてはならないのです。

伝統芸能の世界で、香盤がいまだに生き続けているのは、
香盤順という考え方が、芸をさらに輝かせるからに他なりません。

「番付順ではなく、香盤制の導入を」
「学力向上と人間教育の実施」
「力や技(結果)だけではなく、昇進には人間性の審査を」
「いじめや虐待が証明されたら、
加害者と監督責任者に、必ず厳罰(引退勧告)を」

私が横綱審議委員会のメンバーでしたら、
以上の四点を、提言させていただきます。

それこそが、
「相撲を辞めたら、ちゃんこ料理屋さんか、極道の世界に行くしかない」
という嘘のような辛い現状を打開して、
引退した若者たちを最大に護る結果に繋がると、
私は確信します。

最近親しい方々との会食の折に、
「白鵬の問題について、どう思われますか?」
とよく訊かれますので、
本日は私の改革案を公表させていただきました。

私もまた、対岸の火事と思わずに、
心して精進を積み重ねて参ります。

今後ともご指導の程、
よろしくお願い申し上げます。