劣化ウラン弾 第3部 | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
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> 2011-05-09 03:50:00 pochifxの投稿
> 福島の癌予想、千葉に劣化ウラン弾
(゚ω゚)1~2μSv/hは劣化ウラン弾に相当すると書いたが、
(゚ω゚)もう少し、劣化ウラン弾を調べてみる。

(゚ω゚)全文ではなく、部分的にコピペしてあります。

第3部 汚された大地 [米国]

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000514.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2129-31/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000514.html
 「どうしたというのかね、君。depleted uraniu mという英語が理解できないんだろう。depleted,つまり 放射能なんて含まれていなんだ。全くの無害だよ。英語の勉強をし なおすんだな」

 日本語で「劣化」と訳されている「depleted」という英 単語には「消耗した」「中身が空っぽの」という意味が含まれてい る。多くのアメリカ人は、その言葉を耳にすると、ウランではあっ ても「人体には無害」と受け止めるようだ。

 しかし、ロペスさんにとって学長の言葉は、アメリカ社会の中で 常に差別されてきた先住民やスペイン系住民への「侮辱」以外の何 ものでもなかった。

 「学長の言葉が私の人生を変えたと言っても過言じゃない」。人 体への影響など劣化ウラン弾の実態を調べるロペスさんの一歩は、 そこから始まった。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000515.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2132-02/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000515.html
「彼は大学を卒業して三年目にようやく今の仕事を得た。職を失 うかもしれない危険は冒せないんだよ」。席に戻ったロペスさん は、貧しい地域の事情を説明した。人口八千人の過半数は、アメリ カ社会では少数派のスペイン系である。一九八六年春、試射場での 劣化ウラン弾の使用文書を彼にリークした十数人の従業員の多く は、解雇されていた。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000516.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2144-21/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000516.html
ニューメキシコ州立工科大学
一九七二年の開始から九三年までに、四十トンの劣化ウランを使用 したという。実射試験では「戦車を標的に、遮へいのない状態(オ ープンエア)で実施していたのでは」と尋ねると、ロメロさんは言 下に否定した。

 「戦車は標的として一度も使っていない。それに劣化ウラン弾の テストでは、最初から常に遮へい用のキャッチボックスを使用して いた」

 彼の説明では、キャッチボックスは木の箱でできていて、その中 に砂を詰めておく。そして鉛、鉄など一枚の金属板を標的としてそ こに立てかけ、劣化ウラン弾を発射する。この方法だと、健康障害 などに一番影響する劣化ウラン微粒子の大気中への飛散を封印でき るというのだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000517.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2152-44/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000517.html
「少なくとも七〇年代に行われた実射試験では、何の遮へい物も なかった。文字通りのオープンエアよ。実物のM60戦車も標的に使 われている。しかも試射場の中でも、町に一番近いテスト場でね」

 妻の言葉を引き継ぐように、エリオットさんが続けた。「当初の 試験は劣化ウラン弾の弾頭が、弾道スピードの違いで標的にどれだ け衝撃を与えるかを知るのが中心だった。この時に大量の劣化ウラ ン粒子が発生する。作業員をはじめ、われわれ市民がどれだけその 粒子を吸引したかは分からない」

 八〇年代に入り、遮へい用にキャッチボックスが使われるように なったかもしれないという。しかし、その時でも煙が上がり、それ と一緒に劣化ウラン粒子が大気中にいくらでも飛散したとみる。

  財団法人隠れみの

 九一年の湾岸戦争のころには、大学内の財団法人と試射場の使用 契約を結んだ劣化ウラン製造企業が盛んに実射試験を繰り返した。

 「大学はプライベートである財団法人を利用して企業との契約内 容を隠す。企業は大学の自治を隠れみのに劣化ウラン弾実射に伴う 環境への影響を一般に公表しないで済ませる。州政府がそれを後押 しする。まっとうなチェック機能がどこにも働いていないのよ」

 州政府・大学・企業―。エレインさんは、その関係を弁護士らし く理路整然と説いて見せた。州の体質には、ロスアラモス国立研究 所をはじめ、長年「核翼賛体制」に依存してきた経済体質があると も指摘する。

 大学側は九三年に劣化ウラン弾の使用を中止したという。「で も、五十八トンの劣化ウランの保有は、今も許可されている。使用し てもその分を埋め合わせることができるのよ」

 エレインさん夫妻の大学への不信は、物言わぬサッコロ市民の思 いを代弁していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000518.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2156-46/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000518.html
軍、情報開示せず

 これまでにどれだけの劣化ウランを使ったのか。市民連合の要求 に対し、軍は答えを拒んだまま。が、軍のリポートなどを基にした 彼の推計では、七九年まで毎月、一一六〇〇マイクロキュリー(約 三十キログラム)の放射能を大気に放出。州基準の一五〇マイクロキュ リー(三百八十七グラム)の約七十七倍に達すると分析する。

 「七九年以後、金属板などを使ったハードターゲット試験は屋内 でやるようになった。でも、砂に撃ち込むソフトターゲット試験は 屋外のままだ」とオックスさん。実射が続くソフトターゲット場に は、既に七十トン以上の劣化ウランが蓄積されているという。

 APGの周辺には、ボルティモア市を含め約二百万人が住む。メ リーランド州のがん罹(り)患率は、全米で毎年上位三~五位にラ ンクされる。特に基地と接するハートフォード郡は、州内で最も高 い。さらに基地の東側、風下に当たるデラウェア州のがん罹患率は 全米一である。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000519.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2201-31/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000519.html
ポールさんによると、この軍施設では古くなったり、余ったりし た兵器など年間三万九千トン以上の武器関連物質が、爆破されたり燃 やされたりして処分されるという。既に三十年以上続いており、国 内の基地の統廃合が進んだ九五年ころから目立って回数が増え、爆 破規模も大きくなった。

 「十二マイル(十九・二キロ)も離れているし、黒い煙が上がっ ているだけの時は、あまり気にとめていなかったの。それが、九五 年十月のことよ。猛烈な爆破音がして、地震の時のように家が激し く揺れて…」

  家の壁にひび割れ

 二人の家は、そこから二キロ近くも山道を走った所にあった。家 の壁には、今もあちこちにひび割れが残る。「修理に一万ドル(約百 七万円)以上かかったわ。それでも三年越しの裁判では、軍の非が 認められなかったのよ」。悔しそうに彼女は言った。

 多いときは一日で二十八回も爆破が続いた。翌年から上空へ舞い 上がる煙をビデオに収め始めた二人は、その煙がきのこ雲状をなし て四方に広がっていることに気づいた。

 「きっと汚染物質も拡散しているに違いない」。軍の説明が信じ られず、判決後にリノに住む環境活動家と連絡を取るようになった 二人は昨年十月、その活動家から何枚ものファクスを受け取った。 米原子力規制委員会(NRC)が同施設に出した劣化ウランの廃棄 を認める許可証のコピーである。

 それによると、八一年九月三十日までを有効期限とした最も古い ものでは最大二千二百五十七トン。その後五千トンに増え、九七年三月 三十一日までの有効期限のものには二五二〇キュリー(約六千五百 一トン)と放射能の強さで記されていた。湾岸戦争中に米・英軍が使 用したとされる三百二十トンと比較すると、最近の量は二十倍にも達 する。

 ポールさんは、すぐにラースン郡の中心地スーザンビル町で開か れた郡行政委員会の席上でその文書を紹介した。五人の委員をはじ め、州や郡の環境保護局のスタッフ、約五十人の住民も、その事実 を知らなかった。

  がんなど疾病多発

 「みんな本当に驚いたよ。劣化ウランの性質について、まだ知ら ない者もいたけどね」。人口二万五千人のラースン郡では、がんな どの疾病が異常に多いなど、既に住民の間で武器貯蔵・廃棄所の存 在が大きな問題になっていた。

 後日、ポールさんらが契約の内容について軍にただすと「廃棄は していない。他の施設へ移した」との回答だけが返ってきた。

 「施設の性格を考えれば、そんなことを信じる者はだれもいな い」「そうよ。化学物質や放射性物質を、湖や周辺にまきちらして いるに違いないわ」。軍への不信をこもごもに口にする二人の視線 は、松林の間からはるか下方に見える美しい湖に注がれていた。

http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000521.html
http://megalodon.jp/2011-0511-2206-00/www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/us3/000521.html
つえなしで歩けず

 マーリンさんは一九九八年二月、ネバダ州リノ市の病院で脳腫瘍 (しゅよう)の手術を受けたばかり。手術に伴う脳障害のため、臓 器を正常に働かせるための薬が生涯手放せない。

 二人が仕事中、奥の部屋で両親のジャック・パスターさん(59)と 妻のサリーさん(57)から話を聞いた。サリーさんも五年前から手の 指が内側に曲がり始め、関節痛のため今ではつえなしでは歩けな い。

 「病気になる前は、ローラースケートやゴルフをして、人がうら やむほど元気だったのよ」。いすに掛けた彼女は、ひざの上の硬直 した手を見つめた。「いろいろと体の検査をしてもらったら、血液 から重金属物質が見つかって…」

 パスター夫妻が、子ども四人とともに州都のサクラメント郊外か らこの地に移ったのは八一年。ジャックさんが勤めていた電話会社 の転勤によるものだった。「子どもたちは豊かな自然に囲まれ、 『神の国へ来たみたいだ』って大喜びだった」

 ジャックさんは九一年に退職。宅地開発業に乗り出し、町内のあ ちこちにビルや住宅を建てビジネスマンとしても成功した。九三年 には地元商工会議所を代表して、閉鎖のうわさが立ったラースン郡 にあるシエラ陸軍武器貯蔵・廃棄所へ出かけ、存続を強く訴えた。

 「当時、千人以上が地元から働きに出ていた。経済発展と雇用確 保のためとはいえ、家族や住民の健康を犠牲にして何をしていたの かと恥ずかしくなるよ」

  実態聞き疑問抱く

 ジャックさんが軍施設に疑問を抱き始めたのは九五年のこと。湾 岸戦争退役軍人の疾病に関する議会公聴会のテレビ中継で、軍関係 者が「爆発物の有害物質は煙とともに四十マイル(六十四キロ)以 上飛ぶ」と証言しているのを聞いてからである。

 武器・貯蔵廃棄所からスーザンビルまでは五十キロ足らず。しか も周りは高い山に囲まれ、すり鉢の底のようになっていた。煙はよ くたなびいてきた。

 爆破処理が明白な通常兵器について自ら調べると、鉛や水銀、ベ リリウムなど八種類の発がん物質を含んでいるのが分かった。その 上、同じように毒性の強い重金属物質で、放射能も併せ持つ劣化ウ ランの廃棄…。

 ラースン郡のがん発症率は、州内平均のほぼ二倍。白血病、脳腫 瘍、リンパ腺(せん)がん、乳がん…。サリーさんと同じような症 状の自己免疫疾患も目立った。

  医師「居住は危険」

「スーザンビルの人口はわずか一万五千人だけど、私の担当医はこ の町のがん患者をたくさん手術しているの。だから『そこに住むの は危険すぎる。早く町を出なさい』って言っていたわ」。仕事を終 え、話に加わったマーリンさんが、そばから言った。

 体内から微量の金属物質が検出された独身のテミィーさんは近い 将来、より安全な地に引っ越す予定だ。

 四月半ば、パスター一家から電子メールが届いた。ジャックさん を代表とする約八百人から成る「武器に反対する住民」、軍施設の 風下に当たるネバダ州の「ピラミッド湖パイユート先住民」らが、 四月十三日、陸軍を相手に戸外での武器破壊の中止を求める訴訟を 起こしたのだ。

 「劣化ウランの影響についても、専門家の協力を得てより詳しく 調べたい」とある。汚されたシエラネバダ山脈ふもとの大自然。安 全で美しい自然を取り戻すラースン郡住民の闘いは、始まったばか りである。