IN | やるせない読書日記

やるせない読書日記

書評を中心に映画・音楽評・散歩などの身辺雑記
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 胃の具合が悪く昨日は体調が悪かった。オープンカレッジから帰って四時頃

布団に入って寝てしまう。寒暖の差が激しく体調の不調を招くようだ。

 桐野夏生の「IN」をパラパラ。高踏派の俺はまず桐野夏生は読まないが島尾

敏雄の「死の棘」の浮気の相手についての小説だというので買って読んでる次第。

「死の棘」の夫の浮気相手は同人誌仲間であるが特定されていない。桐野夏生と

思しき女流作家が編集者と共にモデルになった女性を探すという小説。文中、島尾

敏雄(小説では緑川未来男、とネーミングされているがセンスないというか、中間

小説風というか)のロリコンエピソードの件にぶち当たり、ああ、やっぱりそうか

と思った。小説なのでこのエピソードの真偽の程は分からないが、まあそういう気

がある男だったんだと思う。文学サークルのようなものがあり、そこに文学ファン

の未亡人が十歳の美少女を連れて参加するが、その少女を島尾敏雄が気に入り、最初

は作家達のサロンとして未亡人の家に上がりこみ、高じては少女の家庭教師になり

性的関係までにはいかないが、そこそこの痴情をともなった関係を少女が十六歳くら

いになるまで継続させる。

 昭和二十年代のことだが、今だったら立派なセクハラである。島尾敏雄の親父も

女遊びが好きだったというから、女好きな血統なんだと思う。島尾敏雄なんてこの

歳になるまで読んでなかったが、作家ってのは変な奴が多い。まあ、作家でなくて

も人間は健常な人間のほうが少ないけど。

 昨日は11時頃、就寝。今朝になると少し体調がいい。