麗しのサブリナ | やるせない読書日記

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書評を中心に映画・音楽評・散歩などの身辺雑記
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 オードリー・ヘップバーンは20年前以上に亡くなったが、未だに女性に

人気がある。マリリン・モンローが全盛期、男にセックス・シンボルとし

て絶大な人気があったが、女性には嫌われていた。思うに女性は男性から

認められてなんぼの女性的な性的魅力というのがあんまり好きではないの

だろうか。大きなお尻や豊満な乳房。男を篭絡させるための媚や甘ったる

さが過度になると拒否反応をおこすのでは。

 方やヘップバーンは身長1メートル70センチでスレンダー。ウエスト

は確か50センチしかなかった。(これは昔、ある女性から聞いたので、本

当かどうか分かりませんが)モンローのように口を半開きにすることも、お

尻を揺すって歩くこともない。生まれも日本の女性タレントが昔はもの凄い

ヤンキーだったとタバコ吸ってるところや金髪でうんこ座りしている写真を

暴露されるのと違い、父親はイギリスで銀行の頭取、母はオランダの男爵家

の出というやんごなき血筋であるのだ。でなくちゃ、「ローマの休日」の

プリンセスは無理でしょ。

 僕はそんなに映画を好きでも観てるほうでもないが、この頃、英語の勉強

に英語の映画を観るといいというのでアマゾンで安いDVDを観るようにな

った。昔は馬鹿にしてハリウッド映画とか絶対に見なかったが、歳を経ると

こういう映画が一番いい。

 誰でも知ってると思いますが粗筋でも。

 主人公サブリナは、富豪の実業家ララビー家の運転

手の娘である。サブリナは、ララビー家の弟・デイビッドに秘かに恋をするが、弟は

別の女性に夢中である。

傷心のサブリナはパリで2年間を過ごし、別人のように美しくなって帰国する。弟は

サブリナと結婚したいと言い出し、2人の結婚に反対する兄・ライナスもやがてサブ

リナに心惹かれてゆく。ライナスは弟とサブリナがパリに行くよう図るが、弟はライ

ナスがサブリナを愛していることを指摘する。ライナスは仕事を投げ出し、パリ行き

の船を待つサブリナの元に向かう。
 ウキペディアから引用しました。

 製作年月日は1954年。監督は名匠ビリー・ワイルダー。ライナス、ハンフリー・ボ

ガード。デビットはウィリアム・ホールデン。この時、オードリー・ヘップバーン、

は25歳。前年、「ローマの休日」でなんとアカデミー主演女優賞を得ている。サブ

リナは22歳の設定であるが、ヘップバーンの透明感、可憐さは全くの22歳の女性の

ものだろう。

 まあ、話自体は日本のラブコメで踏襲されるような他愛のないものだが、役者が

ハンフリー・ボガード、ウィリアム・ホールデン、オードリー・ヘップバーンと揃え

ば面白くないわけないじゃないですか。例えば、サブリナはパリから戻って一流の

洗練された女性になるが、身分は運転手の娘のままであんな豪華なパーティドレスや

当時だって高かったろうトイプードルなんて買えるわけないではないの。特にオー

トクチュールのパーティ・ドレスなんて雇われ運転手風情には絶対無理でしょうが。

まあ、そんなのは野暮の骨頂というもので陽気なヤンキー(日本で使われているヤン

キーではなく、アメリカ人とかそんな意味)であるウィリアム・ホールデン。渋い

男の中の男、ハンフリー・ボガード、永遠の妖精オードリー・ヘップバーンによっ

て演じられれば素敵なシンデレラ物語に昇華するというものだろう。

 六十年前のこの映画で驚くのはアメリカの巨大な生産力と生活水準だろう。画面

初めに現われるララビー家の広壮な邸宅。リムジンについている電話。ララビー

財閥が所有する巨大な摩天楼。これじゃ戦争に負けても仕方がない。

 劇中でヘップバーンはサブリナ・パンツ(トレアドル・パンツとも言うらしい)

を披露するが、これが実にヘップバーンに良く似合っている。後年、ヘップバーン

の衣装はジバンシーが引き受けることになるが、この映画ではパーティのドレスと

その他一点のみでこのサブリナ・パンツは他の衣装担当によるものらしい。

 知らないことはこの歳でも多々あって世の中の人がヘップバーンを評価するのが

良く分かった。それにしてもハンフリー・ボガードは渋い。だがボギーはこのコメディ

には出演したくなかったらしい。小娘の相手は嫌だったんだろうな。



これはヘップバーンの着たジバンシーについてのクリップ。