ミヤケンと「国家と革命」 | やるせない読書日記

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黄ばんでいる「国家と革命」を読んでいると手がピリッとするし、何故かむせる。


こんなに汚い本なら買わなければいいが通販だとそこまで分らない。「姿なき


司祭」を読んでいてある文節を思い出し、多分「国家と革命」であったという記憶


であったが間違いのようだ。エンゲルスの本だったろうか。昭和44年発行という


ことは1969年で四十年近く前だったが、まだ「死滅する国家」は効力があったはず


だ。でもまあ本として売れるということであってその頃から共産主義社会が本当にくる


なんて思っている人は誰もいなかったに違いない。


 国家の完全な死滅の経済的基礎は、精神労働と肉体労働との対立が消滅するほど


 に、したがって現代の社会的不平等のもっとも重要な源泉の一つが消滅するほどに


 共産主義が高度の発展をとげることである。


こんなことは永遠にこないだろう。日本共産党の天皇宮本顕治元議長が7月18日98歳で死去。


文春と新潮ではボロクソ。ネクタイも服もブランド、靴は白いエナメルが大好き。党の施設を


別荘代わりに使い、元帝国ホテルのシェフが宮本に料理を振る舞い。毛沢東を見習って屋内


プールを作らせた。共産党の大会では幹部と平党員の食事が違う(何という愚劣だ)等々である。


おまけに宮本はスパイと目される人物を拷問で死に至らしめた疑惑まである。


こういう話を読むとまだ自民党の議員のほうが爽やかに感じてしまうから不思議だ。


何故、こういう人物を共産主義という思想は累々と輩出するのだろうか。


一つだけ云えるのは日本共産党内で権勢をほしいままにしていた宮本顕治は共産主義社会の到来


なんて信じていなかっただろう。多くの普通に暮らしている人と同様に。