連休のど真ん中、出勤したが職場の電話は一回も鳴らなかった。良くできたもので今日は肌寒い。
職場の近くにエニシダを植えている家がある。かなり大きな株であるが、去年は咲いているのに気づかなかった。
エニシダはフランス語でGNETと綴り、かの泥棒作家と同じ名でよばれる。澁澤龍彦もジャン・ジュネの文章を「フ
ローラ逍遥」で引用している「泥棒日記」中の一節があった。ここに書き写そうかと思ったが止めよう、書いてあるとこ
ろを探すのが面倒くさいし、なんか気障ったらしい。
まあ、ジャン・ジュネ云々はどうでもいいが、黄色が鮮やかで美しい花である。
若い女のようないい匂いがする。
昨日は渡辺千萬子の「落花流水」を読んでいて半年前に「谷崎潤一郎伝 堂々たる人生 」を読んで理解したはずの
谷崎家の複雑な系図をすっかり忘れてしまっていたのに気がついた。
千萬子は谷崎を伯父様と呼んでいるが、谷崎松子の実子、清治が子供のいない松子の妹、重子の養子にいき、
重子の渡辺姓を名乗ったのだ。どうも記憶力が落ちた気がする。
もっとも谷崎潤一郎の家系なんていつも考えているわけでもないのですぐに忘れてしまうだろう。
明日は休みをとりたい。