今日も暖かく花粉で目が痒い。
仕事が終わって、たあたんで飲む。知り合いの女の人がいて僕の知人が糖尿病が悪化した話から
近親者や自分が罹患した高血圧、癌、糖尿病の話をママと三人でして意図したところではないが、大
いに盛り上がってしまう。若い人にはわからないことであると思う。夕食、入浴後、「奇跡の丘」を観る。
吉本の「マチウ書試論」と良く似た世界観である。福音書には四つあるが一番戦闘的な「マタイ伝」を
ベースにしている。「マチウ書試論」は1954年(昭和二十九年)吉本三十一歳。「奇跡の丘」は1964
年、パゾリーニ四十二歳である。吉本のほうが早くこの非現実的な世界から脱却したのか。「奇跡の
丘」は新約の思想の具象化のようなど迫力がある。特にキリストが磔にされる時のマリア役のパゾリー
ニの母親の悲痛な顔が印象的。しかしここまでやる必要あるのかなと思うが。そこがパゾリーニだ。
昼休み澁澤の「サド侯爵の生涯」を再読。何回も読めばいいってもんじゃないが。