飛鳥山公園からハッピ-ロード商店街への散歩 | やるせない読書日記

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暖かい、なんでこんなに暖かいのだろうか。


Tさんと12時に池袋。三分遅れるがTさんはもうすでに待ち合わせの場所に来ていた。さすがである。


ベルに行って世間話。また一人共通の知人が辞める。無理もない辞められたら僕も辞めたい。で、どこ


に行こうかという話になる、深大寺近辺を提案したがT氏がそりゃ遠いつうことで飛鳥山公園でも行きまし


ょうということになる。でまあ突然、初めてのことだが店のオーナー(六十がらみのいかにも池袋でずっと


水商売一筋つう感じの人)が割り込んで来て「今日はどこへ行くんですか。飛鳥山ですか。あーそれなら


都電で行かれたらどうでしょうか。」と提案してくれる。考えてもみれば散歩を始めてから十年くらいたって


いて散歩の前は必ずここでどこへ行こうか鳩首会議をするのだからお店の人も覚えるよな。いいご意見


なので東池袋に向かう。サンシャインビルを過ぎたところで変哲もない路地にもの凄い行列。ムムッもしや。


と思って行列の先に行くと大勝軒であった。噂には知っていたがこんなところにあったのだ。もうすぐ取り壊さ


れるのでお客が集まるのだろうが、たかがラーメン並んで食いたいかねえ。東池袋で都電に乗り西ヶ原四丁


目で降りて10分ほど歩けば飛鳥山公園。この辺りはいっちゃあ悪いが馬鹿高校が多い。T氏は昔、この近辺


の某名門ツッパリ高校で飛鳥山公園にシケこんでは煙草を吸ったり他の高校の女の子を引っかけていたらし


い。朝鮮高校との抗争も盛んであったらしいが協定を結んでこの界隈では喧嘩をしないようにしたのだとさ。僕


も結構散歩しているが飛鳥山公園は初めてであった。ここは江戸時代からの桜の名所。飛鳥山というだけあって


小高い山になっていた。整備されていて家族連れが多い。公園のはずれに渋沢資料館。300円払って中に


入る。僕などでも名前を知っている明治時代の財界の大立者だがこれほどの人物とは知らなかった。


「澁澤龍彦が渋沢一族の末裔らしいよ」


「えっ。あの変態作家かよ」


変態と言われて答えに窮したが、まあそんなもんすかねえ。渋沢栄一は深谷の出らしいが澁澤のエッセイに


深谷の本家筋の大きな旧家があって、精神患った人が家のなかで自転車乗ってるってエッセィなかったなあ


などと思った。渋沢栄一の系図が展示されていたが渋沢龍雄の名前はない。家に帰って澁澤の自作年譜


を見ると父は埼玉県のいわゆる澁澤一族の出で、武州銀行に勤務とある)記憶違いかとも思った。渋沢栄一


がこれほど立派な人とは思いませんでした。そのほか青淵文庫など見てから腹がへったので王子駅近くの


PRONTOで不味いスパゲッティとコーヒー。生暖かい気候のなか都電の荒川線を三ノ輪に向かって歩く。道々


くだらない話をする。荒川車庫前、荒川遊園地、小台、宮ノ前と歩いて熊の前の駅に出て、右折するとハッピ


ーロードという寂れた商店街がずっと続いている。今日も寂れている。


「もう少しいくと、元気が出るテレビのたけしまねきがあるいんですよ」


「ああ、あれ」


「そう、あれなんですよ」


何年か前に道路の真ん中にあったたけしまねき猫はもう撤去されていた。まあしょうがないよね。


それから二人で寂れた商店街をテクテク歩いて田端の駅に着いた。


結構、疲れた。