フロイト以後    鈴木晶 | やるせない読書日記

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 僕はフロイトの全集を持っているがここ20年くらいの間に
間歇的に読んでいるのでうろ覚えでしかフロイトは解らない。
 お前はどう思うのかと言われると、やはり死の理論だろう
人間の本能が安定を欲するものならば行き着く先は死だという
ことらしい。もともと無機質だったものが何かの誤りで有機体
となりそこから生の過ちが生まれたとも言っていたようだ。
 後は情動は常に一定のエネルギーを持って潜在しているという
理論だ。これは僕なんか昔、頭にきたことがぶり返してくること
があり蓋し当たっていると思う。その他、夢とか無意識、言葉と
記憶とかいろいろあるが良く思い出せない。
フロイト理論のまとめがあり人間は本能が壊れているという理論
もあるのが分かった。そう言えば岸田秀が史的唯幻論の中でそんな
ことを言っていた。
 さてこの本によるとユングやフロム等の弟子を経て(もっともこの
二人はフロイトとは反目して一家をなしたが)フランスの構造
主義がその衣鉢を引き継いでいるらしい。
 ところで僕は構造主義がどんなもんかさっぱり分からない。
デリダとかラカンとかソシュールとかこの著者にして難解だと
言ってるのだからねえ。
 言葉自体には名何の実態もなく他のものと区別する単なる記号
にすぎない。(こうでよかつたのかしら)まではなんとなく解るが
それから後の展開が何がなんだか全然わからない。
 誰かわかる人がいたら教えて欲しい。
 それにしてもフロイトの顔は厳格でオッカナイ。
 自我やエスを見張っている権威ある超自我のようだ。