【あまりに残酷】不妊治療で妊娠した女性を襲った悲劇の結末。 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

 

ぽってり苺 皆様へのお願い ぽってり苺

 


 

【オンライン処方】

 

DHEAメラトニンは再開しました。

 

*現在、メラトニンの、

個数制限はありません

 


 

   

看板持ち ご質問など頂く際に、

匿名」様

匿名希望」様

以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

     
 

 

不妊治療妊娠

 

悪阻で入院中、

自分の名前もわからず

脳障害中絶

 

しかし、

重症後遺症が残る。

 

 

 

花 前回のまでの記事花

 

【1】卵巣機能不全の診断。

不妊治療で妊娠後、ふらつきわめく。

 

【2】妊娠後に悪阻が強く栄養失調。

よだれと尿が流れ出る。

 

【3】手足を動かさず意識障害

尿が出ずお腹が出る。

 

【4】ウェルニッケ脳症の疑い

G大へ転院。

 

【5】母体救命のため妊娠21週で中絶

 

【6】産婦人科から精神科へ転科

 

【7】精神科を退院するが症状は悪化

 

【8】裁判を起こす

 

 
  
サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 
 

 28.裁判の争点

 

 

Y病院の治療が、

ウェルニッケ脳症の発症と関係しているか

 

 
 

 29.裁判所認定の一般的知識

 

 

⬜︎ ビタミンB1は、

体内でブドウ糖を代謝する為に必要

 

 

⬜︎ 1日1000カロリーごとに、

ビタミンB1を0.54〜1.3mg、

必要最低限とする

 

 

⬜︎ 足りない場合は、

ビタミンB1は18日間で枯渇する

 

   
 

 30.裁判所認定の医学的事実

 

 

⬜︎ したがって、

ビタミンB1欠乏患者に、

ブドウ糖を大量投与すると、

ブドウ糖を取り込む為に、

ビタミンB1を大量に消費する

 

 

⬜︎ ブドウ糖を大量に投与すると、

ビタミンB1の欠乏状態を、

より促進してしまう。

 

 

⬜︎ ビタミンB1欠乏の状態で、

ブドウ糖を大量に投与すると、

ウェルニッケ・コルサコフ症候群を誘発し

昏睡、突然死する場合もある。

 

 
 

 31.悪心・嘔吐を促進するか

 

 

⬜︎ Y病院の通院時も入院時も、

ブドウ糖の輸液を受けていたが、

ビタミン剤は、

悪心、嘔吐を助長するとして使用せず、

あえてビタミンB1を輸液中に入れなかった

 

 

< 医学的解説 >

 

ぽってり苺 ビタミン複合剤で、

悪心、嘔吐を助長することはない

 

ぽってり苺 むしろ、ビタミンCより、

ビタミンB1の投与が必要不可欠

 

 
  

 32.広く知られた事実

 

 

⬜︎ 昭和63年より前に、

毎年発行される「今日の治療方針」にも、

ビタミンB1が必要と記載されている

 

 

⬜︎ 「産科と婦人科」

52巻10号(昭和60年10月)でも、

妊娠悪阻でのウェルニッケ脳症の

症例報告が掲載されていて

Y病院の担当医師もその存在を知っていた。

 

 
 

 33.ごく一般的な常識の話

 

 

⬜︎ また、一般に、

ビタミンB1は、

糖質の代謝に不可欠であり

しかも、

妊婦に不足を生じやすい栄養なので、

ビタミンB1を投与しないと、

悪影響になる事は容易に想像がつく

 

 

⬜︎ 妊娠中で、

ビタミンB1の必要量が増加しているのに、

ブドウ糖液を継続投与すれば、

ビタミンB1欠乏症に陥って、

脳障害が生じるであろう事に、

気付くことができた

 

 

⬜︎ ビタミンB1は、

18日で枯渇するので、

11月30日に入院した女性Aの治療は、

遅くとも、

12月18日ごろには、

治療方法を見直すべきだった

 

 

⬜︎ ビタミンB1を投与しなかったせいで、

12月2日には、

夜驚症などの脳症状が出て

1月1日からは、

開眼したままぐったりとして、

よだれと尿をベッド上で流している

 

 
 

 34.過失を認める

 

 

⬜︎ 女性Aが、

ウェルニッケ脳症を発症した原因は、

ビタミンB1の欠乏と判断される。

 

 

⬜︎ そして、

ビタミンB1の欠乏の原因は、

ブドウ糖を投与しつつ、

ビタミンB1を投与しなかった事と認定。

 

 

【結論】

 

裁判所は、

Y病院の医師の過失と、

女性Aのウェルニッケ脳症との間に、

因果関係を認定

 

 
 

 35.損害賠償金の決定

 

 

裁判所は、

Y病院の過失(責任)を認めて、

以下の支払いを命じた。

 

 

(1)女性Aへの賠償金

 

⬜︎ 付き添い看護費:107万1000円

 

実家で寝たきりで、

両親や夫から介護を受けている

 

後遺症の症状固定が35歳。

 

 

⬜︎ 入院雑費:52万0800円

 

 

⬜︎ 家屋改造費:500万円

 

自宅内を車椅子で移動するなど、

症状に対応して自宅を改造する為

改造費の一部として算定。

 

 

⬜︎ 逸失利益:5171万5689円

 

健康に生きていれば、

今後得られたはずの収入

 

 

⬜︎ 慰謝料:2000万円

 

身体障害者2級となる障害を残した事、

治療の経過などを考慮

 

 

⬜︎ 弁護士費:800万円

 

 

(2)夫と長女Tへの賠償金

 

⬜︎ 慰謝料:合計300万円

 

内訳 夫 200万円 長女T 100万円

 

重篤な後遺症を残した事、

夫や子どもが受けた精神的苦痛を算定

 

 

⬜︎ 弁護士費:60万円

 

 

【 損害賠償金 合計 】

8990万7489円

 

 
 
ウェルニッケ脳症を発見した、
ドイツの医師 カール・ウェルニッケ。
 
 
 
コルサコフ症候群を発見した、
ロシアの医師 セルゲイ・コルサコフ。
 
 
 
解説:弁護士 甲野裕大
 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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文・イラスト:理事 岩城桃子  
 

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