皆様へのお願い
【オンライン処方】
*DHEA・メラトニンは再開しました。
*現在、メラトニンの、
個数制限はありません。
ご質問など頂く際に、
「匿名」様
「匿名希望」様
以外で、
お名前をつけてくださると幸いです。
匿名・匿名希望が多く、
過去にご質問頂いた内容が、
わからなくなってしまいます。
お手数おかけ致しますが、
なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
ご協力して頂けると助かります。
不妊治療で妊娠。
悪阻で入院中、
自分の名前もわからず、
脳障害で中絶。
しかし、
重症な後遺症が残る。
前回のまでの記事
【1】卵巣機能不全の診断。
不妊治療で妊娠後、ふらつきわめく。
よだれと尿が流れ出る。
【3】手足を動かさず意識障害。
尿が出ずお腹が出る。
【4】ウェルニッケ脳症の疑い。
G大へ転院。
【5】母体救命のため妊娠21週で中絶。
【6】産婦人科から精神科へ転科。
【7】精神科を退院するが症状は悪化。
【8】裁判を起こす。
28.裁判の争点
「Y病院の治療が、
ウェルニッケ脳症の発症と関係しているか」
29.裁判所認定の一般的知識
⬜︎ ビタミンB1は、
体内でブドウ糖を代謝する為に必要。
⬜︎ 1日1000カロリーごとに、
ビタミンB1を0.54〜1.3mg、
必要最低限とする。
⬜︎ 足りない場合は、
ビタミンB1は18日間で枯渇する。
30.裁判所認定の医学的事実
⬜︎ したがって、
ビタミンB1欠乏患者に、
ブドウ糖を大量投与すると、
ブドウ糖を取り込む為に、
ビタミンB1を大量に消費する。
⬜︎ ブドウ糖を大量に投与すると、
ビタミンB1の欠乏状態を、
より促進してしまう。
⬜︎ ビタミンB1欠乏の状態で、
ブドウ糖を大量に投与すると、
ウェルニッケ・コルサコフ症候群を誘発し、
昏睡、突然死する場合もある。
31.悪心・嘔吐を促進するか
⬜︎ Y病院の通院時も入院時も、
ブドウ糖の輸液を受けていたが、
ビタミン剤は、
悪心、嘔吐を助長するとして使用せず、
あえてビタミンB1を輸液中に入れなかった。
< 医学的解説 >
ビタミン複合剤で、
悪心、嘔吐を助長することはない。
むしろ、ビタミンCより、
ビタミンB1の投与が必要不可欠。
32.広く知られた事実
⬜︎ 昭和63年より前に、
毎年発行される「今日の治療方針」にも、
ビタミンB1が必要と記載されている。
⬜︎ 「産科と婦人科」
52巻10号(昭和60年10月)でも、
妊娠悪阻でのウェルニッケ脳症の
症例報告が掲載されていて、
Y病院の担当医師もその存在を知っていた。
33.ごく一般的な常識の話
⬜︎ また、一般に、
ビタミンB1は、
糖質の代謝に不可欠であり、
しかも、
妊婦に不足を生じやすい栄養なので、
ビタミンB1を投与しないと、
悪影響になる事は容易に想像がつく。
⬜︎ 妊娠中で、
ビタミンB1の必要量が増加しているのに、
ブドウ糖液を継続投与すれば、
ビタミンB1欠乏症に陥って、
脳障害が生じるであろう事に、
気付くことができた。
⬜︎ ビタミンB1は、
18日で枯渇するので、
11月30日に入院した女性Aの治療は、
遅くとも、
12月18日ごろには、
治療方法を見直すべきだった。
⬜︎ ビタミンB1を投与しなかったせいで、
12月2日には、
夜驚症などの脳症状が出て、
1月1日からは、
開眼したままぐったりとして、
よだれと尿をベッド上で流している。
34.過失を認める
⬜︎ 女性Aが、
ウェルニッケ脳症を発症した原因は、
ビタミンB1の欠乏と判断される。
⬜︎ そして、
ビタミンB1の欠乏の原因は、
ブドウ糖を投与しつつ、
ビタミンB1を投与しなかった事と認定。
【結論】
裁判所は、
Y病院の医師の過失と、
女性Aのウェルニッケ脳症との間に、
因果関係を認定。
35.損害賠償金の決定
裁判所は、
Y病院の過失(責任)を認めて、
以下の支払いを命じた。
(1)女性Aへの賠償金
⬜︎ 付き添い看護費:107万1000円
実家で寝たきりで、
両親や夫から介護を受けている。
後遺症の症状固定が35歳。
⬜︎ 入院雑費:52万0800円
⬜︎ 家屋改造費:500万円
自宅内を車椅子で移動するなど、
症状に対応して自宅を改造する為、
改造費の一部として算定。
⬜︎ 逸失利益:5171万5689円
*健康に生きていれば、
今後得られたはずの収入。
⬜︎ 慰謝料:2000万円
身体障害者2級となる障害を残した事、
治療の経過などを考慮。
⬜︎ 弁護士費:800万円
(2)夫と長女Tへの賠償金
⬜︎ 慰謝料:合計300万円
内訳 夫 200万円 長女T 100万円
重篤な後遺症を残した事、
夫や子どもが受けた精神的苦痛を算定。
⬜︎ 弁護士費:60万円
【 損害賠償金 合計 】
8990万7489円
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