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【 生殖関連の裁判例 】
生まれたばかりの子に、
うつ伏せ寝をさせ、
産婦人科の新生児室で、
子どもが窒息死。
静岡地方沼津支部
平成8年7月31日判決
(判例時報1611号106頁)
前回の記事
前回までのまとめ
⬜︎ 平成2年7月30日
女性AがY病院で妊娠の診断
⬜︎ 平成3年4月8日
男性B(夫)立ち合いのもと出産する
⬜︎ 分娩後に、看護師Cから、
「うつ伏せ寝が良いか、
仰向けねが良いか」
を聞かれる。
⬜︎ 夫婦は迷っていたので、
病院の方針でうつ伏せ寝にした。
⬜︎ 出産翌日の9日23時、
子どもに異変はなかった。
⬜︎ 翌午前2時45分、
うつぶせで、
チアノーゼ、心拍停止、呼吸停止
の状態で看護師が発見。
⬜︎ 看護師が子どもを刺激するも、
反応はなく、
上の階で寝ていたY医師に連絡。
⬜︎ 蘇生術を行うが回復することはなく、
窒息死となった。
18.Y医師の主張【死因】
⬜︎ 男性Bと、その父親が、
子どもの解剖に反対したため、
解剖をしていないので、
死因の推定は不確実。
⬜︎ その上、
男性Bらの要請に従って、
死亡診断書に「窒息」と記載しただけで、
このような記載一つで、
死因を窒息死と認定することはできない。
⬜︎ Y病院のベッドは硬いので、
出生直後の新生児でも、
うつぶせ寝で、
頭を持ち上げたり、
首を左右に動かせるので、
窒息死することは通常考えられない。
⬜︎ 子どもの死因は、
広義の乳幼児突然死症候群(SIDS)
に該当する。
Y医師は、
裁判でこれらを主張した。
19.当時の事実
⬜︎ Y病院の新生児用ベッドは、
ヨットの中に硬いマットを敷き、
その上に防水シーツ、
その上にシーツを重ねる。
⬜︎ シーツをマットの裏側で縛り、
さらに、嘔吐で汚れることを防止するため、
柔らかいタオルを敷いていた。
⬜︎ シワにならないように、
タオルをベッドに折り込んでいたが、
タオルがシワになることがあった。
⬜︎ シワになっていると気付いたときは、
看護師が、
タオルを敷き直していた。
20.事故の半日前
⬜︎ 夫婦の子どもは、
出生直後から、
新生児室のベッドで、
うつぶせ状態で寝かされていた。
⬜︎ Y病院に入院していた女性Aは、
9日昼間、
新生児室の中を見た時に、
自分の子どもが真下を向いて寝ていたので、
看護師に知らせた。
⬜︎ すると、看護師は、
子どもの顔を横に向けるようにした。
21.事故の直前
⬜︎ さらに、男性Bと女性Aは、
同日午後9時ころ、
新生児室にいた、
自分たちの子どもを見た時、
子どもが顔を若干、
下に向けて泣いていたので、
心配になり、
翌日には、
仰向けにしてもらうよう、
申し入れを考えていた。
医学的解説
やはり、事故前から、
息苦しくて泣いていたようですね。
大変心が痛む事故です。
新生児のうつぶせ寝は、
とても危険ですが、
新生児のうつぶせ寝の事故は、
今でも起こっています。
医学的解説
新生児は、
うつぶせの状態から、
首を大きく横に向け直すことや、
首を持ち上げることは、
できません。
その為、
うつぶせ寝が危険とされています。
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⬜︎ Y病院の新生児用ベッドは、
ヨットの中に硬いマットを敷き、
その上に防水シーツ、
その上にシーツを重ねる。
⬜︎ シーツをマットの裏側で縛り、
さらに、嘔吐で汚れることを防止するため、
柔らかいタオルを敷いていた。
⬜︎ シワにならないように、
タオルをベッドに折り込んでいたが、
タオルがシワになることがあった。