【大野病院事件】医者の治療行為のせいで死亡したか鑑定される。 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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「大野病院事件」

 

癒着胎盤を剥離して、

女性が死亡

医師が刑事裁判にかけられる

 

※福島地方裁判所平成20年8月20日判決

(判例時報2295号6頁)

 

 

  

 

 

サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 

 

 

 112.死亡との因果関係

 

 

⬜︎ 裁判所は、

被告人(Y医師)の行為と、

女性Bの死は、

因果関係があるか検討した。

 

 

⬜︎ 検討の結果、

出血性ショックでの失血死」は、

被告人が胎盤剥離をしたことが原因

なので、

因果関係あり』と認定。

 

 
 
 

 113.胎盤の癒着の程度・部位

 

 

⬜︎ 裁判所は、

複数の医師の鑑定結果をもとに、

以下の認定をした。

 

 

【 癒着の部位 】

 

⬜︎ 子宮に胎盤が残っている場所を含んで、

子宮後壁を中心に、

内子宮口を覆い

子宮前壁に達していた

 

 

⬜︎ 後壁は、

相当程度の広さで癒着していたが、

「前回帝王切開創部分を含めて

前壁に癒着があった」

と認定するには、証拠が足りない

 

 

 

【 癒着の程度・重症度 】

 

⬜︎ 癒着の程度は、

嵌入胎盤(かんにゅう たいばん)

 

⬜︎ 胎盤が残留し、かつ、

最も癒着深度が深い、

子宮標本の断面で計測した結果、

絨毛の深さ子宮筋層全体の幅

約1対5程度

と認められる。

 

 
 

 医学的解説:癒着胎盤の重症度

 

 

⬜︎ 癒着胎盤の重症度

 

楔入胎盤(せつにゅう たいばん)

 

軽症

 

胎盤が、

子宮内膜の下の、

子宮筋層の表面に達する

 

筋層の中まで達しない

 

子宮温存の可能性は一応ある

と言われる。

 

 

 

嵌入胎盤(かんにゅう たいばん)

 

中等度

 

胎盤が、

子宮筋層の深い位置に達する

 

貫通まではしていない

 

子宮摘出の必要がある

と言われる。

 

 

 

穿通胎盤(せんつう たいばん)

 

重症

 

胎盤が、

子宮筋層を貫通している

 

子宮摘出の必要がある

と言われる。

 

 
 

 医学的解説:女性Bの癒着程度

 

 

右差し 癒着胎盤で、

子宮筋層の5分の4まで達する、

とても深い位置まで、

到達していました。

 

 

右差し こうなると、

子宮全摘になります。

 

 
 
続きます。
 
医学的解説:院長 岩城雅範
 
 
法的解説:弁護士 甲野裕大
 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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