妊婦を襲った「アスピリン喘息」とは?【喘息で妊婦・胎児死亡】 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

 

ぽってり苺 皆様へのお願い ぽってり苺

 


 

【オンライン処方】

 

DHEAは再開しました

  

現在、メラトニンのみ欠品してます。

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看板持ち ご質問など頂く際に、

匿名」様

匿名希望」様

以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

 
   
 

 

〈 生殖関連の裁判例 〉

 

妊娠を機に悪化する喘息

 

妊娠31週に、

切迫早産入院

母子死亡する。

 

    
 
 

 

 

サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 

 

 前回までのまとめ

 

 

【 昭和58年(19歳) 】

大学看護学科入学

喘息の診断

 

 

【 昭和62年4月〜平成2年2月 】

月2.3回の喘息発作

 

うち、昭和62年11月〜平成2年

T病院で喘息治療。

 

 

【 平成2年2月〜4月 】

1日おきの喘息発作

薬の服用なくおさまる程度

 

 

⬜︎ 妊娠後、喘息悪化していく

 

 

【 平成2年6月〜8月 】

K病院の内科で喘息の投薬治療

 

 

【 平成2年7月〜11月 】

国立T病院の婦人科・内科を通院

喘息は投薬治療

 

 

【 平成2年11月末〜12月 】

国立G大学病院の内科で投薬治療

妊婦健診・分娩も同院で希望

 

 

【 平成3年1月9日 】

G大で31週の定期妊婦健診

 

下腹部の張りを訴え、

NSTを40分装着、

6回の子宮収縮があり

「切迫早産」診断となり、入院。

 

 

*NST:子宮収縮胎児心拍を、

同時に見る装置

 

 

【入院後】

 

⬜︎ 入院17日目

 

母体心肺停止・子宮内胎児死亡

 

 

⬜︎ 入院25日目

 

死亡した胎児が自然分娩で娩出

 

 

⬜︎ 入院30日目

 

脳死の判定

 

 

⬜︎ 入院32日目

 

死亡

 

夫・母に承諾を得て、

積極的延命治療を中止。

 

  

 
 

 50.アスピリン喘息とは

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

⬜︎ アスピリン喘息とは、

酸性解熱鎮痛薬

(酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤)

によって、

発作が誘発される喘息。

 

 

⬜︎ 成人喘息患者の、

約10%を占めるとされている。

 

 
 

 51.アスピリン喘息の症状

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

⬜︎ アスピリン喘息発作の、

一般的な臨床像は、

鎮痛解熱薬や、

鎮痛解熱薬の類似物質の、

服用後10分〜1時間後に、

症状は起こる

 

 

⬜︎ 顔面や全身の紅潮

眼瞼結膜や鼻粘膜のうっ血

咽頭違和感

鼻汁

などが現れる。

 

 

⬜︎ ついで、

気道収縮でぜい鳴

(ゼーゼー、ヒューヒュー)

呼吸困難・喘息発作が出現。

 

 

⬜︎ その後、

5分間程度の間に、

急激に悪化して大発作となり

チアノーゼ

意識喪失する事があり、

さらに死亡に至る事もある

 

 
  

 52.アスピリン喘息の特徴

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

アスピリン喘息の臨床的特徴

 

 

(1)重症難治例が多く、

しばしばステロイド依存症。

 

 

(2)喘息発作が通年性に認められ、

意識障害を伴うほどの大発作を、

経験していることが多い。

 

 

(3)慢性副鼻腔炎

鼻茸(鼻のポリープ)の合併例が多い。

※慢性副鼻腔炎、鼻茸の発症前に、

初発的症状で鼻炎症状。

 

 

(4)30歳代に喘息発症のピークがある。

 

 

(5)男性よりも、

女性の方がやや多い

(約2:3の割合)

 

 

(6)非アトピー性で、

血清中の総IgEは低値

 

 

一般アレルゲンへの皮膚反応は、

カンジタなどの真菌類を除いて陰性

 

 

血清中の各種抗原の特異的IgEは陰性

 

 

小児喘息など、

アレルギー性疾患の既往歴がある事は

 

 

※ただし、アトピー性喘息、

他アトピー性疾患を合併している場合を除く。

 

 
 

 53.発症について

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

薬の服用歴と、

アスピリン喘息の発症

 

 

⬜︎ ある種の酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤では、

喘息発作を誘発せず

他の種類の、

酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤では、

誘発される者がいる

 

 

⬜︎ 同じ酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤でも、

過去の服用では、

アスピリン喘息を発症しなかった者が、

後に服用して、

発症する事がある

 

 
 

 54.発見と診断

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

 

⬜︎ アスピリン喘息を診断するには、

過去に、

酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤で、

喘息発作が起こった経験

を問診で、

調査する事も重要。

 

 

⬜︎ しかし、

問診で確認できるのは、

全アスピリン喘息患者の半数程度

にとどまる。

 

 

⬜︎ 問診以外の診断方法に、

負荷試験(誘発テスト)の提唱があるが、

効果を疑問視する見解もある

 

 
 

 55.インドメタシン

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

 

⬜︎ インドメタシンは、

酸性非ステロイド性消炎鎮痛剤

に該当する薬。

 

 

⬜︎ アスピリン喘息発作の、

誘発物質としての作用が強力なもの

とされている。

 

 

⬜︎ 1989年5月改訂の

インテバン坐薬の、

添付書類(使用説明書)の内容は、

以下となる。

 

 

(1)効能・効果

 

手術後の炎症及び腫脹の緩和、

慢性関節リウマチ、

変形性関節症の消炎、

鎮痛作用。

 

 

(2)用法・用量

 

成人1回25から50mg、

1日1,2回直腸内に投与。

 

 

(3)禁忌項目

 

アスピリン喘息患者、

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

(動物実験で催奇形性が報告されているため、

妊婦には投与しない事)

など

 

 

(4)慎重投与項目

 

気管支喘息患者等がそれぞれ挙げられている

 

 

(5)副作用

 

まれにショック症状が現れるので、

経過観察を十分行い、

冷汗、顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下等の、

症状が現われた場合には投与を中止し、

適切な治療を行うこと。

 

 

またまれに、

喘息発作等の急性呼吸障害

そう痒、蕁麻疹、血管神経性浮腫、脈管炎等の、

過敏症状が現れることがあるので、

このような症状が現れた場合には、

投与中止をする。

 

 
  

 56.インテバンの血中濃度

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

⬜︎ インテバン坐薬を、

常用量投与した場合、

インドメタシンの血中濃度は、

約1時間後に、

ほぼ最高濃度となる

 

 

⬜︎ 最高濃度が、

約2時間後まで持続する

 

  
 

 57.アスピリン喘息の認知度

 

 

【裁判所採用の医学的見識】

 

 

⬜︎ アスピリンの服用で、

誘発される激しい呼吸困難は、

1910年代から報告があり、

古くから知られていた。

 

 

⬜︎ そして、

インドメタシン投与での、

アスピリン喘息の発症例は、

1967年(昭和42年)に、

外国で報告されている。

 

 

⬜︎ 日本では、

1972年(昭和47年)に、

G病院第一内科医師らが、

最初に報告。

 

 

⬜︎ その後、

本件の死亡例の当時までに、

相当数の報告があり

アスピリン喘息については、

医師国家試験にも、

出題された事もある

 

1977年 日本内科学会雑誌

1980年 北勤医師

1983年 埼玉医科大学雑誌

1990年 最新医学

 

  
 
続きます。
 
解説:弁護士 甲野裕大
甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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文・イラスト:理事 岩城桃子  
 

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