【出産で眼科医の女性死亡】病院が控訴。第一審を大きくくつがえす。 | 岩城産婦人科妊活ブログ

岩城産婦人科妊活ブログ

【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

 

ぽってり苺 皆様へのお願い ぽってり苺

 


 

【オンライン処方】

 

DHEAは再開しました

  

現在、メラトニンのみ欠品してます。

お申し込みいただけません。

 


 

   

看板持ち ご質問など頂く際に、

匿名」様

匿名希望」様

以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

 

 

     

 

 

35歳眼科医女性の、

妊娠血圧徐々に上昇

 

出産後心停止

蘇生を行うが死亡し。

 

 

遺族裁判を起こし、

約1億2380万円の支払い判決。

 

 

<控訴審(第2審)の判断>

東京高裁令和3年11月18日判決

(LLI/DB 判例秘書登載)

 

 

<第1審>

東京地裁令和2年1月30日判決

(LLI/DB 判例秘書登載)

 

   
 
 

 

 

サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 

  

 前回までのまとめ

 

 

⬜︎ 昭和54年生まれ、

当時35歳の眼科医の女性B。

 

 

⬜︎ 平成26年に妊娠、

Yクリニックに里帰り分娩の為に受診。

 

 

〈 Yクリニックの経過 〉

 

平成26年8月27日(妊娠20週0日)

初診。

その後も通院を続ける。

 

 

【平成26年12月18日(妊娠35週頃)】

 

血圧:126/80

 

ヘモグロビン:11.6g/dl

ヘマトクリット:35.4%

血小板数:16/1×104/μl

 

 

【平成26年12月25日(妊娠36週頃)】

 

血圧 1回目:137/88

血圧 2回目:125/85

 

 

【平成26年12月29日】

 

1回目の計測:142/91

2回目の再検査:132/95

 

→ 血圧上昇の傾向を示す。

 

 

【平成27年1月5日】

 

1回目の計測:143/106

2回目の再検査:125/84

 

 軽度の妊娠高血圧症候群と診断。

 

翌年1月7日に、

分娩誘発の為の入院を予定。

 

 

【平成27年1月7日】

入院

 

 

【 1月8日 】

 

7:00

分娩誘発剤のアトニン(オキシトシン)投与

 

 

【 1月9日 】

 

18:03

緊急帝王切開を開始

(分娩停止のため)

 

18:10

女児誕生

 

18:40

帝王切開終了

 

18:50

回復室へ移動

 

 

【悪露の量】

リカバリー室入室後

 

1時間時点「多100」

2時間時点「多100」

3時間時点「100+α」

4時間時点「200」

 

 

【女性の状態】

18:50

回復室へ入室

 

20:50(術後2時間後)

強い痛みを訴えだす

 

20:50(術後2時間後)

22:50分(術後4時間後)

尿量の増量見られず

 

 

23時

Y医師到着

 

▶︎ 子宮内のコアグラを除去したが、

子宮底圧迫で出血、

DICを疑い、

パスロン(DIC治療)と、

パルタン(子宮収縮させて止血)投与

 

 

*DIC:体内のいたる箇所で、

血液が固まり血栓ができると共に、

出血が起こる、危険な疾患。

 

 

しかし、

輪状マッサージで出血が起こる

 

 

【 1月10日 】

0:30 緊急搬送を決定

 

1:10 救急隊到着

 

1:12 意識状態を確認

 

呼びかけ開眼あり

 

呼びかけで手を握る事ができる

(運動機能あり)

 

錯乱状態、見当識障害

(ここはどこ?など)

 

 

1:18 救急車で出発

同乗者:夫・Y医師・C助産師

 

心肺停止になり、

蘇生処置をしたが、

心肺停止のままa病院に到着。

 

 

1:27 a病院到着

蘇生と止血が行われる

 

1:41 自己心拍再開

 

1:47 心室細動

 

3:08 自己心拍再開

しかし、循環不全

 

7:30過ぎ 心室細動

 

7:57 死亡

 

 

女性Bの回復室でのモニターの記録は、

オンコールのJ助産師が、

印刷前に、モニターの電源を切り、

記録がない

 

 
 

 106.病院が控訴する

 

 

⬜︎ YクリニックとY医師が、

地方裁判所(第一審)の判断を不服として、

控訴して、

第二審へ進んだ。

 

 

⬜︎ 控訴を起こされた遺族(夫と子ども)は、

地方裁判所で認められなかった、

約2000万円の部分を求めた。

 

 
 

 107.搬送の義務

 

 

⬜︎ 高等裁判所は、

日本産科婦人科学会や、

日本産婦人科医会など、

各ガイドラインを基準にして、

医師が搬送すべき義務を、

怠ったか検討した

 

 
 

 108.午後10時50分時点

 

 

てんびん座 帝王切開終了が午後6時40分、

約4時間の時点で、

搬送の義務があったか検討した

 

 

⬜︎ 帝王切開後も出血は続く傾向で、

累計出血量は、約500mlあまり

手術中を含めると、

合計約1025mlになっていた。

 

 

⬜︎ ショックインデックスという、

ショック状態を示す指数は0.99。

 

 

【血圧】

午後7時50分 121/84

午後8時50分 122/85

午後10時50分 107/71

 

【心拍数】

午後7時50分 76

午後8時50分 79

午後10時50分 106

 

 

⬜︎ 血圧は低下傾向、

逆に心拍数は増加傾向で

SpO2(酸素飽和濃度)96%。

 

 

【尿量(術後の累計尿量)】

午後6時50分 100ml

午後7時50分 250ml

午後8時50分 300ml

午後10時50分 300ml

 

⬜︎ 尿量は減少傾向(作られていない)。

 

 

⬜︎ 子宮の硬度はやや不良。

 

 
 

 109.搬送義務なし【22:50】

 

 

⬜︎ 各ガイドラインに照らし合わせると、

午後10時50分の時点で、

出血量は帝王切開で危険となる、

2L以上には達しておらず

ショックインデックスも0.99で、

1以上となっておらず

分娩時異常出血の基準には、

該当しない。

 

 

⬜︎ もっとも、

ショックインデックスでは、

ほぼ1になっているので、

分娩時異常出血の基準には、

ほぼ該当する

 

 

そのため、それ以降は、

以下をすべき場面とする余地がある。

 

☑︎ 搬送の考慮

☑︎ 血圧、心拍、SpO2、出血量、Hb、尿量をチェック

☑︎ 出血原因の探す、取り除く

 

 

⬜︎ 裁判所は、

午後10時50分に、

直ちに搬送すべき義務はない

と判断した。

 

 
  
 

 110.午後11時40での搬送義務

 

 

⬜︎ 第1審の地方裁判所の判断は、

以下の通り。

 

 

「午後11時10分の、

コアグラ(血の塊)の除去から、

30分後の、

午後11時40分頃にも

まだ出血も持続して

乏尿 または 無尿だった

 

これは、各ガイドライン上の、

産科危機的出血と言える。」

 

 
 

 111.第一審を大きくくつがえす

 

 

⬜︎ 第一審では認めていたが、

午後11時40分頃に、

産科危機的出血に陥っていた

と認めるには、

高等裁判所では、

証拠がないと指摘した

 

 

⬜︎ 止血の治療の為に、

午後11時10分頃のコアグラを除去の他に、

午後11時30分頃に、

パスロン(DIC効果あり)を、

投与している

 

 
  

 112.パスロンも投与している

 

 

⬜︎ 第一審では、

「コアグラ除去の効果を見るとして、

30分待ったとしても、

30分後の11時40分にも出血があったし、

乏尿か無尿だった

とするが、

午後11時30分に投与した、

パスロンの効果を観察する必要もある

 

 

⬜︎ 搬送していなくても、

医師としての専門的な裁量を、

逸脱した判断であるとは認められない

と裁判所が判断。

 

 
 
続きます。
 
解説:弁護士 甲野裕大
 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

てんびん座 LINEでのご相談・ご連絡は無料です。

 

LINE: 

  

Tel:03-6416-1595

 

E-mail:

yudai_kono@kinoe-legal-law.com

メールも無料です。  
  
文・イラスト:理事 岩城桃子  
 

クローバー今日も皆様のお力になれますようにクローバー

 

 


ぽってり苺オンライン処方のお申し込みはこちらぽってり苺

 

 

ルテウム、 

ウトロゲスタンは、

再開しました。

 

 

市区町村までの住所など省略された入力は、

処方が出来ない場合があります。
 

2回目以降もこのフォームからのご利用をお願いします。


問診票は順次新しくなるため、
古いものは使えません。

 

 

wordpress@iwaki-sanfujinka-blog.com

よりメールが届きますので受信設定で迷惑フィルターの解除をお願いします。

送信専用のメールアドレスです。

受信はできません。

 


 

  

{emoji:指差し} 質問はこちらからも受付中{emoji:気づき}
 

haibaiyoshi@gmail.com

 

 

..:*・゚ ..:*・゚ ..:*・゚ ..:*・゚ ..:*・゚

ブログ、コメントなどで、当院がお答えする内容は、あくまでもお話をいただいた情報に基づいた一般的な見解をお示しするもので、実際の診察(セカンドオピニンオンを含む。)ではありません。

直接医師と対面しての診察、検査を行なっていないため、お伝えした内容の正確性を保障するものでは全くありませんので、予めこの点を十分ご理解ください。

 

当院の医師の診察(セカンドオピニオン含む。)をご希望の方は、恐れ入りますが電話やメール等での診察は行っておりませんので、ご来院をお願いいたします。

 

また、当院でのオンライン処方をご利用の方も含め、メールやメッセージで直接のご相談をいただいた場合、当ブログでご回答が可能な範囲の内容を当ブログで取り扱わせていただく以外は、個別のご相談ご回答に応じることはできかねますので、予めご了承ください。

(メールやメッセージでご相談をいただいても個別のご相談に対してメールやメッセージでの回答は行っておりませんのでご注意ください。)

..:*・゚ ..:*・゚ ..:*・゚ ..:*・゚..:*・゚

当ブログの内容には細心の注意を払っておりますが、当ブログの内容はあくまでも投稿時点における研究発表の内容や、医療水準に基づいて記載しているものであり、内容について将来にわたりその正当性を保障するものではありません。

当ブログの内容の利用はブログをご覧になられる皆様の責任と判断に基づいて行って下さいますようお願い申し上げます。

上記利用に伴い生じた結果につきまして、当院はその一切の責任を負いかねますので、予めご了承下さい。

実際に、お身体のことで、ご体調などについてのお悩み、お困りのことなどございましたら、必ず、専門の医療機関を受診の上、医師の診察を受けていただきますようお願い申し上げます。

+†+――+†+――+†+――

当ブログの内容、テキスト、画像等にかかる著作権等の権利は、すべて当院に帰属します。

当ブログのテキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

+†+――+†+――+†+――

医療法人社団 岩城産婦人科

北海道苫小牧市緑町1-21-1

0144-38-3800

image