皆様へのお願い
【オンライン処方】
*DHEAは再開しました。
*現在、メラトニンのみ欠品してます。
お申し込みいただけません。
ご質問など頂く際に、
「匿名」様
「匿名希望」様
以外で、
お名前をつけてくださると幸いです。
匿名・匿名希望が多く、
過去にご質問頂いた内容が、
わからなくなってしまいます。
お手数おかけ致しますが、
なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
ご協力して頂けると助かります。
【 生殖関連の裁判例 】
妊娠38週で94kgで、
経膣分娩で肩甲難産、
胎児が死亡する。
前回の記事
前回までのまとめ
【平成11年3月4日】
妻はY病院のO医師に、
妊娠と診断される。
⬜︎ 推定体重
妊娠35週5日(10月6日):3183g
妊娠36週5日(10月13日):3354g
妊娠37週4日(10月19日):3526g
【妊娠37週4日(10月19日)】
レントゲンで骨盤を見て、
経膣分娩可能と診断
【妊娠38週4日(10月26日)】
妻の体重:94.8kg
33.陣痛促進剤の使用事実
⬜︎ 10月27日午前6時〜午前9時、
1時間ごと、
プロスタルモン(陣痛促進剤)の
内服投与をした。
⬜︎ 午前9時〜午後8時5分、
プロスタルモンを点滴投与して、
午後8時5分以降は、
アトニン(陣痛促進剤)を点滴投与した。
34.分娩第2期遷延・停止とは
*分娩第2期とは、
子宮口全開〜娩出までの期間を指す。
⬜︎「分娩第2期の遷延・停止」の、
明確な定義はないが、
一般的には、以下を指す。
⬜︎「分娩第2期遷延」
初産婦で2時間以上で遷延(引き続く事)
⬜︎「分娩第2期停止」
1時間以上の児頭の下降停止
35.胎児の頭の進みが悪い事実
⬜︎ 午後8時50分ころ、
子宮口全開(分娩第2期)になり、
その1時間後に、
クリステレル圧出法と、
吸引分娩をしているので、
「分娩第2期の遷延・停止」とは言えない。
⬜︎ もっとも、
分娩第2期に入って、
既に1時間が経過した時点で、
自力でのいきみが不十分で、
その後も、
23分後にやっと胎児の頭が出たので、
胎児の頭の下降は思わしくない
という事がわかる。
⬜︎ もしこの時、
吸引分娩を行わなければ、
「分娩第2期の遷延・停止」に、
なった可能性が非常に高い。
36.緊急帝王切開の検討
児頭降下度を検討しつつ、
医師が帝王切開を行うべき義務について、
裁判所が検討。
⬜︎ 一旦、肩甲難産に陥った場合、
胎児の死亡や重篤な後遺症の発生等、
その予後は極めて不良である。
⬜︎ しかし、
産科臨床では、
その発生を予測すべく、
肩甲難産の危険因子が指摘されているが、
肩甲難産の発生を、
胎児娩出前に正確に診断する基準は、
確定されていない。
37.肩甲難産のリスク大だった
⬜︎ 今回の例では、
10月27日午後9時50分の時点で、
肩甲難産の危険因子と、
その徴候が存在し、
肩甲難産が十分に懸念されるべき症例。
⬜︎ 医師は、
吸引分娩を選択するにしても、
中在からの吸引分娩、
クリステレル圧出法は行わず、
十分な頭の下降を待つべきだった。
⬜︎ さらには、十分な頭の下降がなく、
分娩第2期遷延・停止、
または、
著しい母体疲労で、
経膣分娩に不利になる事情がある場合は、
帝王切開を行う義務があった。
⬜︎ 午後9時50分の時点では、
直ちに帝王切開をすべき義務があったとまでは認めがたいものの、
吸引分娩、クリステレル圧出法を控えて、
経過を観察すべき義務があった。
38.裁判所判断:不適切だった
以上の検討をもとに、
胎児の頭が中在にあった午後9時50分に、
漫然と、
単独でのクリステレル圧出法と、
併せて吸引分娩を行ったので、
医師には、
上記義務に違反した過失があると、
裁判所は認定しました。
医学的解説:裁判所の判断
前回と同様、
帝王切開をすべきとは認定しない
との事です。
今回の理由では、
94kgで母体の肥満と、
推定体重が約4300gの巨大児で、
肩甲難産のリスク因子が十分あり、
出てこないという予測は容易い状況です。
「帝王切開=悪」じゃない
「なるべく経膣分娩が好ましい」
「経膣であればあるほど良い」
「帝王切開=悪」
というイメージが、
日本にはどうしてもあります。
例えば、
帝王切開の経験が1回でもあると、
経膣分娩では、
子宮破裂のリスクがあり、
母子共に危険です。
それでも、
経膣分娩が良いのではないか
というイメージが持たれています。
帝王切開で救えた命
しかし、
そんなことはありません。
帝王切開で助かるべき命、
助かった命は、
たくさんあります。
今回も、
原告夫婦が主張するように、
最初から帝王切開、
もしくは、
途中でも緊急帝王切開に、
切り替えていれば、
助かった命です。
緊急帝王切開について
胎児が危険に陥れば、
胎児をいち早く救う事が良いです。
胎児の徐脈と低酸素がわかったら、
すぐにでも、
出してあげた方が良いです。
外に出してあげさえすれば、
その後にできる治療もあります。
大きなリスク・デメリットを取ってまで、
経膣分娩に、
こだわる必要はありません。
LINEでのご相談・ご連絡は無料です。
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