【帝王切開で救えた命】肩甲難産と、裁判所の判断 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

 

ぽってり苺 皆様へのお願い ぽってり苺

 


 

【オンライン処方】

 

DHEAは再開しました

  

現在、メラトニンのみ欠品してます。

お申し込みいただけません。

 


 

   

看板持ち ご質問など頂く際に、

匿名」様

匿名希望」様

以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

 
 
 

 

【 生殖関連の裁判例 】

 

妊娠38週94kgで、

経膣分娩肩甲難産

胎児死亡する。

 

 

 

 

 

サムネイル

スーツ 解説を担当致します。

弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


【取り扱い分野】

不妊治療分野/離婚分野

・不妊治療クリニック顧問
・凍結胚トラブル
・精子提供、卵子提供
・不妊治療中の離婚
・不倫
など

 
 

 前回までのまとめ

 

 

【平成11年3月4日】

妻はY病院のO医師に、

妊娠と診断される

 

 

⬜︎ 推定体重

妊娠35週5日(10月6日):3183g

妊娠36週5日(10月13日):3354g

妊娠37週4日(10月19日):3526g

 

 

【妊娠37週4日(10月19日)】

レントゲンで骨盤を見て、

経膣分娩可能と診断

 

 

【妊娠38週4日(10月26日)】

妻の体重:94.8kg

 

 


 33.陣痛促進剤の使用事実

 

 

⬜︎ 10月27日午前6時〜午前9時、

1時間ごと、

プロスタルモン(陣痛促進剤)の

内服投与をした

 

 

⬜︎ 午前9時〜午後8時5分、

プロスタルモンを点滴投与して、

午後8時5分以降は、

アトニン(陣痛促進剤)を点滴投与した

 

 
 

 34.分娩第2期遷延・停止とは

 

 

*分娩第2期とは、

子宮口全開〜娩出までの期間を指す。

 

 

⬜︎「分娩第2期の遷延停止」の、

明確な定義はないが、

一般的には、以下を指す。

 

 

⬜︎「分娩第2期遷延

初産婦で2時間以上で遷延(引き続く事)

 

 

⬜︎「分娩第2期停止

1時間以上の児頭の下降停止

 

 
 

 35.胎児の頭の進みが悪い事実

 

 

⬜︎ 午後8時50分ころ、

子宮口全開(分娩第2期)になり、

その1時間後に、

クリステレル圧出法と、

吸引分娩をしているので、

「分娩第2期の遷延停止」とは言えない。

 

 

 

⬜︎ もっとも、

分娩第2期に入って、

既に1時間が経過した時点で、

自力でのいきみが不十分で、

その後も、

23分後にやっと胎児の頭が出たので、

胎児の頭の下降は思わしくない

という事がわかる。

 

 

⬜︎ もしこの時、

吸引分娩を行わなければ、

「分娩第2期の遷延停止」に、

なった可能性が非常に高い。

 

 
   

 36.緊急帝王切開の検討

 

 

児頭降下度を検討しつつ、

医師が帝王切開を行うべき義務について、

裁判所が検討。

 

 

⬜︎ 一旦、肩甲難産に陥った場合、

胎児の死亡や重篤な後遺症の発生等、

その予後は極めて不良である。

 

 

⬜︎ しかし、

産科臨床では、

その発生を予測すべく、

肩甲難産の危険因子が指摘されているが、

肩甲難産の発生を、

胎児娩出前に正確に診断する基準は、

確定されていない。

 

 
  

 37.肩甲難産のリスク大だった

 

 

⬜︎ 今回の例では、

10月27日午後9時50分の時点で、

肩甲難産の危険因子と、

その徴候が存在し、

肩甲難産が十分に懸念されるべき症例。

 

 

⬜︎ 医師は、

吸引分娩を選択するにしても、

中在からの吸引分娩、

クリステレル圧出法は行わず

十分な頭の下降を待つべきだった。


 

 

⬜︎ さらには、十分な頭の下降がなく、

分娩第2期遷延・停止、

または、

著しい母体疲労で、

経膣分娩に不利になる事情がある場合は、

帝王切開を行う義務があった。

 

 

⬜︎ 午後9時50分の時点では、

直ちに帝王切開をすべき義務があったとまでは認めがたいものの

吸引分娩、クリステレル圧出法を控えて、

経過を観察すべき義務があった。

 

 
 

 38.裁判所判断:不適切だった

 

 

以上の検討をもとに、

胎児の頭が中在にあった午後9時50分に、

漫然と

単独でのクリステレル圧出法と、

併せて吸引分娩を行ったので、

医師には、

上記義務に違反した過失があると、

裁判所は認定しました。

 

 
 

 医学的解説:裁判所の判断

 

 

雲 前回と同様、

帝王切開をすべきとは認定しない

との事です。

 

 

雷 今回の理由では、

94kgで母体の肥満と、

推定体重が約4300gの巨大児で、

肩甲難産のリスク因子が十分あり、

出てこないという予測は容易い状況です。

 

   
 

 「帝王切開=悪」じゃない


  

なるべく経膣分娩が好ましい


経膣であればあるほど良い


帝王切開=悪


というイメージが、

日本にはどうしてもあります。



雲 例えば、

帝王切開の経験が1回でもあると、

経膣分娩では、

子宮破裂のリスクがあり、

母子共に危険です。



雷 それでも、

経膣分娩が良いのではないか

というイメージが持たれています。



 

 帝王切開で救えた命

 


しかし、

そんなことはありません。



鉛筆 帝王切開で助かるべき命

助かった命は、

たくさんあります。



悲しい 今回も、

原告夫婦が主張するように、

最初から帝王切開

もしくは、

途中でも緊急帝王切開に、

切り替えていれば、

助かった命です。


 
 

 緊急帝王切開について

 

 

胎児が危険に陥れば、

胎児をいち早く救う事が良いです。



胎児の徐脈と低酸素がわかったら、

すぐにでも、

出してあげた方が良いです。



右差し 外に出してあげさえすれば、

その後にできる治療もあります。



大きなリスク・デメリットを取ってまで、

経膣分娩に、

こだわる必要はありません


 

続きます。


医学的解説:院長 岩城雅範
 
解説:弁護士 甲野裕大
 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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文・イラスト:理事 岩城桃子  
 

クローバー今日も皆様のお力になれますようにクローバー

 

 


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ウトロゲスタンは、

再開しました。

 

 

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