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【 生殖関連の裁判例 】
帝王切開後の経膣分娩
子宮破裂で子どもが死亡。
前回の記事
情報まとめ
⬜︎ 妻は昭和41年生まれ、
Y大学病院の、
麻酔科・皮膚科に勤務する看護師
⬜︎ 平成5年8月9日、
Y大学病院で双子を帝王切開
* 時系列と状態 *
【平成6年12月1日】
Y大学病院で妊娠17週0日の診断、
妊婦健診も同病院、
経膣分娩の予定。
【妊娠35週6日(平成7年4月12日)】
助産師の説明
「陣痛が10分間隔になれば電話して下さい」
【妊娠38週5日(平成7年5月2日)】
経膣分娩を促す為、
子宮頸管熟化剤のマイリス投与
【妊娠39週5日(平成7年5月9日)】
マイリス投与
【妊娠40週5日(平成7年5月16日)】
10:00〜11:00
妻「子宮破裂が心配」
F医師「よほどじゃない限り大丈夫」
23:30
陣痛が10分間隔になり、
Y大学病院に電話。
助産師「0時過ぎに来なさい」
【妊娠40週6日(平成7年5月17日)】
0:15
タクシーでY大学病院に到着
0:25〜1:09
分娩監視装置(NST)
5〜6分おきに20〜30秒の有効陣痛
胎児心拍130bpm
1:09
K医師の診察・エコー
1:20
初めて出血
1:42〜2:15
N助産師がNSTモニタリング
胎児心拍130bpm
2:20
N助産師 NSTはずす
妻歩行で陣痛室へ移動
3:00
子宮口全開・出血
3:23
NST:胎児心拍140bpmで明瞭
3:32
N助産師が人工破膜
NST:胎児心拍140bpm
3:35
NST:胎児心拍80〜50bpmに低下
N助産師が酸素投与・体勢を変えるが、
胎児心拍回復せず
K医師が到着、吸引分娩を3回
→3回目には胎児の頭が上昇し、
吸引カップに頭が乗らなかった。
3:50
N医師がエコーを行い、
子宮破裂確認
帝王切開を行う
4:12
こども出生 体重3438g
仮死状態でNICU
同日午後
自発呼吸なし・瞳孔反射なし・無尿
【同年(平成7年)7月3日】
重症の脳障害と診断(脳性麻痺)
【平成12年3月5日】
死亡 4歳9ヶ月
37.切迫子宮破裂の判断
⬜︎ 裁判所は、
「Y大学病院の医師らは、
分娩時の各時点で、
切迫子宮破裂を認識して、
帝王切開手術をすべきであったか」
を検討した。
38.切迫子宮破裂に注意する事
⬜︎ まず、妻の出産で、
経膣分娩をするには、
注意を払うべき事実が認められる。
⬜︎ Y大学病院は、
通常の経腟分娩よりも一層注意を払い、
分娩経過を監視し、
緊急に対応できる体制を
とるべき義務があった
と裁判所が指摘。
39.強い痛みの時点で診察必須
⬜︎ 午前3時頃・午前3時10分頃は、
NSTがとられておらず、
妻はN助産婦に、
「発作が強い、下腹部の奥が痛い」
と訴え、
少量〜中等量程度の、
性器出血もみられた時期。
⬜︎ しかし、N助産婦は、
いずれも、
正常な出産の痛み・出血と判断して、
子宮口全開と確認したが、
特に医師には診察を求めなかった。
⬜︎ 午前3時10分には、
妻は、N助産婦に、
「下の奥の方が痛い」と訴え、
それまでにも陣痛が強いとも訴え、
NSTでも100mmHGを超え、
出血があり、
帝王切開の既往がある以上、
この時点で、
医師の診察を仰ぐべきだった。
40.その後まもなく子宮破裂
⬜︎ さらに、
NSTの記録からみても、
この時点では胎児に異常はみられず、
子宮破裂には至ってはいなかった。
→ つまり、
この時点では胎児が救えた。
N助産婦が、
人工破膜をした3分後に、
胎児心音が低下して、
持続性除脈が現れている。
⬜︎ 胎児の持続性除脈の原因は、
NSTの記録を見ると、
子宮破裂で臍帯が圧迫されたためである。
⬜︎ 胎児心音が低下した時、
酸素投与や体位変換でも改善しないならば、
この頃は既に、
子宮破裂に至っていたと認められる。
⬜︎ そうすると、
破裂部位の菲薄化は、
以前から生じていて、
切迫子宮破裂の状態だった
とされる。
41.早期診察で早期診断ができた
⬜︎ そして、
妻が一定の部位の痛みを訴えた時に、
医師がすぐ診察していれば、
切迫子宮破裂を診断できた可能性がある。
⬜︎ これらの点を指摘して、
慎重に分娩経過を観察すべき義務があり、
何度も痛いと言っていた妻の訴えから、
医師が診察・確認すべきだった
と裁判所が指摘。
42.緊急時の準備
⬜︎ 子宮破裂が確認された後、
緊急帝王切開のため、
妻はストレッチャーで手術室へ移動した。
⬜︎ しかし、
手術室は鍵がかかっており、
妻は、麻酔科の医師が来るまで、
手術室の前で、
ストレッチャーの上で待たされた。
⬜︎ 妻の血管確保も、
ストレッチャー上で行われた。
43.早期診察か準備をすべきだった
⬜︎ 帝王切開既往での経膣分娩を、
してはいけないとは言わないが、
子宮破裂等で、
緊急帝王切開に至る可能性は高かった。
⬜︎ Y大学病院の医師としても、
帝王切開既往の経膣分娩は、
一般的に、
3,4割程度が結局は
帝王切開に移行する為、
緊急時に対応できるようにすべきだった。
⬜︎ また、陣痛が強い事がグラフ上わかり、
妻本人も強いことを訴えていて、
限局した部位である
「下の奥の方」の痛みを訴えていた為、
より一層、
子宮破裂を確認する以前から、
直ちに緊急帝王切開が行えるように、
準備をしておくべきだった。
44.裁判所が初めて認めた過失
以上を踏まえて、
裁判所は、
「痛みを訴えた時に医師が診察するか、
子宮破裂の後すぐに帝王切開していれば、
今回の事態は、
避けられていた可能性が高いとして、
Y病院の過失が認められる」
と判断しました。
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