皆様へのお願い
ご質問など頂く際に、
「匿名」様
「匿名希望」様
以外で、
お名前をつけてくださると幸いです。
匿名希望2023/10/22様より
ご質問頂いております。
前回の記事
院長の回答
前回の続きですね。
情報まとめ
☑︎ ご年齢
妻:29歳
夫:30歳
☑︎ 一人目不妊で顕微授精中。
タイミング法から、
体外受精・顕微授精へ。
☑︎ 妊娠/流産歴:2回
①27歳
タイミング法
→胎嚢確認のみで流産
② 28歳
顕微授精 胚盤胞2個移植
→胎嚢2個・心拍確認後に流産
(いずれも妊娠週数は不明)
【女性の状態】
☑︎ 持病:多嚢胞性卵巣(PCOS)の診断
→ 20歳の時に診断?
甲状腺機能低下症?
→ いつ診断されたか不明
☑︎ BMI:不明
【2023年8月 生理3日目】
☑︎ AMH:7.3
☑︎ FSH:7.1
☑︎ LH:5.7
☑︎ E2:34
*テストステロンやPRLなど、
他は不明。
☑︎ TSH:1.56
☑︎ 子宮鏡検査:異常なし
☑︎ 卵管造影検査:異常なし
☑︎ 不育症検査:実施済み
夫婦染色体にひっかかり、
妻に転座が見つかる
【男性の状況】
☑︎ 精液検査の結果
精液量:?
濃度:?
運動率:最低で38%
最高で60%
直進運動率:?
奇形率:?
☑︎ 喫煙:なし
☑︎ 飲酒:あり
☑︎ BMI:不明
*亜鉛、テストステロンなど、
血液検査は不明
☑︎ お悩み:排卵障害がある事
胚盤胞到達率が悪い事
子宮内膜が薄い事
着床しない事
流産を繰り返す事
転院2回目
“2022年7月
PGTAのできる病院に転院。
(フェリング300連日+リュープランでトリガー)
アンタゴにて2度の採卵を経て
50個ほどの受精卵を獲得するも、
胚盤胞は10個。
(ac.bcなどが多い)
中でも良さそうな6つの胚盤胞を提出し
2つ正常胚。“
PGT-SR
転座なので、
PTG-Aではなく、
PGT-SRではないでしょうか?
着床前診断
PTG-AもPGT-SRも、
「着床前診断」に該当します。
「着床前診断」は、
受精卵の一部を採取して、
検査します。
PGT-AやPGT-SRなど、
「着床前診断」が出来るのは、
『胚盤胞』の時だけです。
胎盤になる細胞を採取
卵子と精子が受精して、
およそ5日経ったら、
『胚盤胞』という成長段階になります。
『胚盤胞』は、
着床寸前の状態の受精卵で、
『胚盤胞』になると、
胎児と胎盤の細胞に分かれます。
まだ胚盤胞の時点では、
胎児や胎盤は、
形成していませんが、
着床してしばらくすると、
胎児や胎盤に育ちます。
将来的に、
胎児になる細胞と、
胎盤になる細胞の、
どちらか分からないと、
胎児の細胞をとってしまうと、
大変です。
PGT-AやPGT-SRは、
胎盤になる細胞を採取して、
検査します。
胎盤になる細胞の採取
ただし、
胎盤になる細胞を少しとる事が、
「絶対に大丈夫」
という訳ではないです。
例えば、
AC胚盤胞やBC胚盤胞など、
胎盤になる細胞(TE)が、
C評価の場合は、
原則として、
PGT-AやPGT-SRは、
出来ません。
細胞が元から少ないと、
検査で採取する事で、
胚盤胞自体が崩壊してしまい、
ダメになってしまう
可能性があるからです。
PGT-Aで妊娠率低下
細胞を採取するから、
受精卵にダメージとなり、
「PGT-AやPGT-SRをする事で、
妊娠率・出産率が低下する」
という意見もあります。
特に、
ご年齢が高い(37歳以上)と、
PGT-AやPGT-SRのダメージを、
大きく受けやすく、
妊娠率・出産率の低下に繋がる
と報告する論文もあります。
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