前回の記事
院長の回答 
前回の続きですね。情報のまとめ
☑︎ ご年齢
女性：30歳
男性：45歳
☑︎ 状況：結婚7年目、1人目不妊。
28歳から体外受精を開始。
☑︎ 採卵：3回
1回目の採卵→胚盤胞3個凍結
2,3回目の採卵→別の大学病院へ転院。
2回とも凍結0
☑︎ 移植：3回
最初の病院で移植し、全て陰性。
☑︎ 持病：全身性エリテマトーデス(SLE)
抗リン脂質抗体症候群(APS)合併。
大腿骨頭の他、
複数の関節の骨の壊死あり。
→ いずれも落ち着いていると、
内科の判断で、妊娠許可あり？
2020年に子宮頸部高度異形成
円錐切除
内科の通院先と、
別の大学病院の婦人科で不妊治療？
多嚢胞性卵巣（PCOS,PCO）と
慢性子宮内膜炎と言われている
→ 当てはまるか不明。
少なくとも2年前のAMHは正常。
☑︎ 現在の内服薬：
プログラフカプセル 2mg 分1
ガスロン 2mg 分2
エディロールカプセル 分1
イムラン錠50 mg 分1
プレドニゾロン3mg 分1
プレマリン錠 分3
デュファストン 分3
メトグルコ250mg 分2
ルネスタ1mg
アマージ2.5mg
☑︎ 検査数値：検査項目・数値、不明
抗カルジオリピン陽性
抗SS-A抗体陽性
と言われている。
→ 検査結果の紙なし？
＜ 卵巣機能・ホルモン値 ＞
☑︎ AMH：1年以上測定なし
2年前 3.53
＊その他、
FSH,LH,E2,P4,T,PRLなど全て不明
☑︎ 胞状卵胞数：不明
(生理1~3日目の小さな卵胞の数)
→ エコー検査で見る
☑︎ 月経異常：異常あり
月経周期が、
？日〜40日などバラバラ。
☑︎ 排卵障害：詳細不明
☑︎ 黄体機能不全：ありと言われている。
詳細不明。
☑︎ 子宮鏡検査：問題なし
☑︎ 卵管造影検査：問題なし
＜ 男性の状態 ＞
☑︎ 精液検査：項目・数値ともに不明
☑︎ 血液検査：実施不明
転院後の採卵
“3月から採卵を再開して
前回と違う大学病院での治療です。
アンタゴニスト法で治療を行いました。
違う病院での
1回目の採卵 ｈＭＧ 150単位を8日間
9日目10日目 ｈＭＧ100単位を2日間
9日目10日目でセトロタイド0.25
採卵前々日23時にゴナトロピン5000単位
採卵は空砲だらけで卵はかたすぎて
吸えなかったと言われました。
2回目の採卵ｈＭＧ 225単位を7日間
8日目9日目は ｈＭＧ300単位
セトロタイドは7日目から0.25
採卵前々日23時に10000単位
10日目に採卵と言うスケジュールでした。
前回OHSSになったのでフェマーラも併用して。
採卵個数は8個。
凍結は0
顕微授精と体外受精の半分半分。
２回目の採卵の結果も貼っておきます。“
受精の方法
転院後2回目の採卵、
つまり、
合計3回目の採卵ですが、
受精の方法は、
全て顕微授精ではないでしょうか？
それとも、
MⅠ(未熟)卵を、
採卵当日に体外受精して翌日みて、
翌日に受精してなかったから、
顕微授精をした
という事かもしれませんね。
刺激量の増加と成熟度
元々ある程度刺激しているので、
HMG注射とhcg注射を増やしても、
成熟卵の割合が増えるのではなく、
全体数が増えるだけでしょう。
実際に、
成熟卵は増えていませんよね。
卵のサイズのバラつき
前に少し触れましたが、
卵胞の大きさにバラつきが出てしまうと、
未熟卵の割合は増えます。
排卵抑制剤の使用時期も、
トリガー薬の使用時期も、
採卵の時期も、
主席卵胞に合わせて決めます。
主席卵胞とは・・・
最も大きく育っている卵胞の事。
卵のバラつき
主席卵胞の発育に合わせて、
トリガー薬を使用するので、
主席卵胞と、
その他の卵胞のサイズの差が大きいと、
未熟卵ばかりになります。
ある程度育った時に、
トリガー薬を使わないと、
卵子は、
成熟卵になりません。
遅めのトリガー
主席卵胞だけ大きく育っていて、
他の卵胞がまだ小さい時に、
トリガーをすると、
主席卵胞は成熟して、
残りの大半が未熟卵になります。
主席卵胞だけ大きく育っていて、
他の卵胞がまだ小さいからと言って、
トリガーを遅らせると、
主席卵胞が、
【排卵する】か、
【変性してしまいます。】
主席卵胞が排卵すると、
他の大きめの卵胞も、
どんどん次々に排卵してきます。
主席卵胞が、
変性をしてしまうと、
他の卵の質も下がってきます。
つまり、
主席卵胞に
合わせるしかありません。
この場合は、
卵のバラつき自体を抑える事が、
1つの治療法ですね。
なぜバラつきが起こるか
ヒトの場合、
毎月1個の卵子を排卵させようと、
元々の機能として備わっています。
これは、
多胎を避けるためです。
ヒトの場合、
多胎は、
母体にもこどもにも危険です。
そのため、
1個の卵だけを育てて、
1個の卵だけを排卵させようとします。
HMGを使っても、
卵のバラつきがあるのは、
これが理由です。
1個だけ育てようとする機能の停止
前の生理の高温期に、
次の生理周期で排卵させる卵を、
1個だけ決めます。
これを、
リクルートと言います。
このリクルートの機能を止めれば、
次の生理周期では、
1個だけ優先して育つ効果も、
弱まります。
続きます。文・イラスト：理事 岩城桃子
今日も皆様のお力になれますように
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