阿部様
いつもお世話になっております。
岩城先生のブログをいつも拝見させていただいております。
日々、有益な情報のご提供、ありがとうございます。
本日、通院している病院で移植をしたのですが、
気になることがあり、
通院先の病院では培養士の方にお伺いできる機会がないため、
ご質問させていただきました。
凍結時の胚盤胞は4AAで、
移植前にお話を伺った段階では、
AHAをして卵が飛び出している状態とのことで、
5AAというお話でした。
写真も見せていただきましたが、
確かに雪だるまのような状態になっていました。
ところが、その数十分後に、
実際移植をした際に、
画面に映し出された卵を見ると、
まん丸の状態になっており、
画面上に出るグレードの表示も4AAになっていました。
飛び出しかけていた卵が、
元に戻ってしまうことはあるのでしょうか?
これまでそのようなことはなかったので、
不安になっているのですが、
特に心配は不要なのでしょうか…?
病院で写真をいただけないため、
送付出来ずに恐縮ですが、
どうして5AA→4AAになったのか、
想定される理由をご教示頂けますと幸甚です。
また、移植時のグレードが、
4AAの場合、5AAの場合、6AAの場合で、
妊娠率は変わったりするのでしょうか。
お手数をおかけいたしますが、
よろしくお願い申し上げます。
4AA胚盤胞
胚盤胞の収縮
融解後に、
4AA→5AAになり、
また移植直前に、
5AA→4AAになった
という事ですね。
きっと、胚盤胞の収縮によって、
起きている事でしょう。
特別珍しいことではありませんよ。
そこまで落胆される必要はありません。
胚盤胞の収縮とは
胚盤胞は、
何らかの原因によって、
収縮してしまう事があります。
発育の途中で、
小さく縮こまってしまうのですね。
胚移植まで、
【1回も収縮しない卵】
もあれば、
【タイムラプス培養器で見ていても、
何度も収縮と回復(拡張)を
繰り返している卵】
もあります。
胚の収縮の度合いが大きいほど、
回復に時間がかかる傾向にあります。
タイムラプスでの確認
また、培養器の種類によって、
培養中の収縮は確認出来ません。
タイムラプスは、
カメラが内蔵されているので、
培養中に断続的に卵の状態を確認できます。
タイムラプスでなければ、
カメラが内蔵されていないので、
多くて1日1回、
瞬間的な確認になります。
胚盤胞の収縮の原因
胚盤胞は、
収縮が起こることがあります。
要因① 外的要因、
何らかのダメージを受けたとき
要因② 発育の過程での胚の収縮
何の外的刺激も受けていなくても収縮する事も、珍しくない
収縮の原因の具体的例
① 外的要因
「凍結・融解」、
「アシステッドハッチング」
「胚移植の時にカテーテルで急激に吸い込んでしまった」
など、
刺激が加わった時に、
縮んでしまう事があります。
病院によっては、
アシステッドハッチングの際に、
あえて収縮させて、
アシステッドハッチングをする施設もあります。
② 胚が自然と収縮を起こす
胚盤胞が、
発育の途中で収縮してしまう事も、
珍しくありません。
どのような事が引き金で、
自然と収縮を起こすかは、
未だ解明されていません。
ただ、共通して言える事は、
大切なことが2つあります。
胚の収縮が起きた時に大切な事
1、 収縮後に、
拡張して回復する事
→ただ、移植直前の収縮だと、
拡張を見届けられない事があります。
あまりに、
移植を遅らせると、
全体の妊娠率が落ちてしまうリスクが
高くなる為です。
2、収縮の回数
→ 何度も収縮・拡張をしていると、
妊娠率が落ちたり、
収縮したまま回復せず、
胚が変性する事が増えます。
文・イラスト:理事 岩城桃子
今日も皆様のお力になれますように
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