『SLEEPERS』 熱の冷めないうちに | 少~し酔ってます。

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縦歩きのカニの日常

 

観たけれどここに書いていない映画、というのが溜まってきた。

本当は観た順に書けばいいのだが・・・今日は観終わったばかりの1本を割り込ませてしまおうと思う。

10人抜きで真打昇進といったところか。

 

 

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“ Sleepers ”

 

少年院での看守からの暴力、性的虐待、それに対する復讐という重いテーマが物語の骨格を成している。

キャストも重厚だ。

ともすれば重苦しい2時間半になるところだが、観終わった今、寧ろ爽やかとさえ言える満足感に浸っている。

だからこそ直ぐパソコンを開いたのだ。

 

先ず前半の4人の少年たちの「活躍」がヴィヴィッドでいい。

まあ言ってみれば「不良」なんだが、他人を傷つけたりするほど悪くも無いし、少し悪戯が好きな連中といったところだ。

思えば高校時代の僕らだって、丁度あれくらいの「不良」だった。

映画の4人は教会の信徒で、主人公のシェイクスはキャソックを着てデ・ニーロ演じる司祭のアコライトを務めることもある。

まるっきり僕じゃないか!

なんだ、じゃああとの3人は、上村と立原と内山と川村と高橋と斉田と・・・やけに候補者が多いな。

映画の4人に比べてあの頃の僕らが幸運だったのは、悪戯すべきホットドックの屋台と、地下鉄の階段が無かったことに過ぎない。

紙一重なのだ。

運命を分けたその出来事のシーンは、悲劇だが実に緊迫感があって、映画的に成功しているシーンだと思う。

(いやだな、この通ぶった言い方)

 

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少年院の看守ノークスの、出てくるだけで虫酸の走るような存在感もい

ケビン・ベーコンは良い役者だ。

いやケビン・ベーコンだけじゃない。

成長した4人もキング・ベニーも、それぞれ粒立って、悪くて、いい奴らだ。

特に僕はスナイダー弁護士が出てくると、画面に引き込まれた。

今まで観たダスティン・ホフマンで一番好きかも。

 

暴力もレイプも殺人もふんだんにあって、その度に胸が締め付けられるような悲しみや痛みを共有させられるのだが、不思議に気分は悪くなく、「格調高き映画」という感想すら覚えるのだった。

時々流れるビーチボーイズなどの挿入歌と、ジョン・ウィリアムズによるホルンが印象的なテーマ曲も一役買っているのだろう。

 

久し振りに噛み応えのある映画でした。

ありがとう、ジャス・・・なんてね。