それ以前に築地問題でグラついていたのもあるが。
1.プライム会員制度は一般会員の排除か?
この「排除」をオクメもなく続けている大企業がある。
言わずと知れた「プライム会員限定商品」を増やし続けるAmazonプライム会員制度である。
私事だが、本を買うにもサプリを買うにも先ずAmazonを覗いてからというのが、ここ10数年続いていた。
しかし、昨年夏あたりからAmazonページを覗いていると妙な変化に気付いた。
売れ筋商品がつぎつぎにプライム会員限定に変わりつつあるのである。
「プライム会員」とは年会費3,900円の有料会員のことで、いわばコストコシステムのイミテーションである。
買う品物にもよるが、年間一定額以上買うユーザーならお得という。
※長い目で見ると事実かどうかは怪しいが。
ちなみにその理屈でいけば自分の場合はほぼ間違いなくお得といえることになる。
ならば、会員になればお得で合理的ではないかという見方もあるが、そうとも思えない。
そのワケは後述する。
まずは、心情的に売れ筋商品を次々と「プライム会員限定」としているAmazon商法には疑問が残る。
確かに「プライム会員限定」商品の販売価格は、一般的な市販価格より1~2割安く、優待価格という点に限れば自由市場ではありうるシステムである。
しかし、売れ筋商品を次々と「プライム会員限定商品」に変更し、プライム会員を増やそうとするシステムは裏から見れば「一般会員の排除」を意味する。
このことは、これまでAmazonを利用してきた一般ユーザーにとってみればある意味、裏切り、あるいは義に反するシステムともいえる。
このプライム限定商品の増加現象は、発足当時から大衆の便利をうたい文句にしてきたAmazonの精神は崩れ始めたと感じる人々は少なくないかも知れない。創業者ジェフ・ベゾスは創業時に抱いていた座右の銘を変えたのかも知れないと。
2.プライム会員システムの意味するところ
利益を求める企業が、顧客の便宜を名目に実質的に有料制を強制するあるシステムを導入したり、ユーザーへの風当たりを強くするのは、多くの場合、業績が伸び悩んているか、悪化しているときによくみられる傾向と言われる。
ここでこのことを裏付けるかのような記事(2018.2.27付)が目に留まった。
「米アマゾン・ドット・コムが日本の食品や日用品メーカーに対し、同社の通販サイトで販売した金額の1~5%を「協力金」として支払うよう求めていることがわかった。
物流費の上昇のほか、システムの更新費用が経営の負担になっているためとみられる。人手不足をきっかけにしたコストの上昇がネット通販世界最大手のアマゾンの事業戦略にも影響を与え始めた。・・・」
この記事の筆者は、Amazonのこれまでの勢いに陰りが出始めているとみている。
年間総売上額を見るとAmazonは楽天を超えられないという記事を見たことがある。
Amazonの最大の強みは不具合商品は30日間返品できるという圧倒的な「信頼」にある。
少々高くても「信頼のAmazonで買おう」という安心を買うユーザーは少なくないだろう。
これに対して有料会員だからお得というだけの一般会員排除のAmazonプライム会員限定商法を今後も続けるとすると信頼関係が持続できるかは大いに疑問が残る。
プライム会員制度というのは、会費を払って少し安く買える代わりに選択権を拘束されるというシステムであるという指摘もある。
そうだとすれば、かの自由を好むはずの欧米人たちは、精神の自由よりも不自由でもわずかな低価格を選ぶようになったという心境の変化があるということなのだろうか。
3.プライム会員は本当に得なのか?
Amazoneを推奨するメディアやプロガ-はこのことを声高に叫び、一般会員の中にもこれ信じてプライム会員になる人が少ないという。
しかし、不思議なことに自由市場では価格は常に変動するのは誰もが知っているはずである。
だとすると当然プライム会員価格がすべて最安値であるとは限らないことになる。
実際、楽天や価格コムでの掲載価格と見比べてみるとわかることだが。
わざわざ会費を払って他のショッピングサイトより高い値段で同じものを買うという不可思議な現実がある。正確には「プライム会員は場合によってはお得なこともある」という程度で考えるべきだろう。
Amazonが売れ筋商品について既存の一般顧客を排除する「プライム会員限定商品」を増やす、その手法は信頼感を支えてきた一般顧客の信頼を損なうことにつながり、引いては自分の手で自分の首を絞めているように見える。
個人的には、プライム会員限定商品などの一般会員排除システムは廃止して、Amazonには初心を忘れることなく元の信頼のAmazonに戻ってもらいたい気がする。
※ちなみにYahooショッピングはYahooカード審査で理由不明の門前払いを喰らって以来そっくり楽天に移行したのでここではパス。