引きこもり、無職、母親に暴力をふるう40過ぎの息子を定年退職した父親が殺害。
なんとも痛ましい事件であることには違いない。
その家庭生活の様子は報道される情報でしか伺い知ることはできないが、仮に自分がこの父親と突然に同じ立場に立たされたとしたら、男親の責任として同じことをやっているかもしれない。
そんな思いが浮かぶ。
しかし、そこに至るまでは様々な経緯があったはず。
この事件について、考えの浅い多くのコメンテーターが思いつきでしゃべっているようだが、
幼児→園児→学童・小学→中学→高校→大学生→社会人→現在までの44年間何があったのかわからない限り、分析もコメントもしようがないはずである。
ただ、父親の考えはある程度推察できるだけに簡単にはそれを否定しがたいものもある。
①母親への暴力、②母親の殺害予告が日常的に行われていたとすれば、最早やむなしとして極論を考えてしまうのも無理からないことである。
また、小学校の運動会がうるさいと父親と口論をしており、父親は、先日の川崎市の無差別殺傷事件で多くの小学生たちにまで被害が及んだことを懸念したと供述しているらしい。
もしそうだとすれば、父親が「やむなし」と断腸の思いで決断した気持ちは、理解に難くない。
母親、無関係の子供たちの生命・身体に危険を及ぼす可能性がどの程度だったのかは判断のしようもないが、父親はかなりの危機感があると判断したのだろう。
実の息子を手にかけることは、決して褒められることではない。
しかし、他人様(ヒトサマ)、とくに子供たちに危害を及ぼすことは何としても避けたいという気持ちが強かったとすれば、一概に父親の行為を非難することもためらわれる。
男として、大人しての覚悟の意味を考えさせられる事件である。
『川崎の事件が引き金か!? 母親に暴力をふるっていた息子を刺殺した元次官の苦悩
J-CASTテレビウォッチ / 2019年6月3日 12時43分
1日(2019年6月)午後3時半頃、「息子を刺し殺した」という110番が入った。通報したのは元農林水産省事務次官の熊沢英昭容疑者(76)。息子の英一郎さん(44)は胸など複数箇所が刺され、搬送先の病院で死亡が確認された。
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英一郎さんはツイッターで
「立場をわきまえなさい。庶民が私の父と直接会話なんて一億年早い」
「私の父は役所で人間をいろいろ見て観察力があります」と父を誇る一方で、
母親については「初めて愚母を殴り倒したときの快感は今でも覚えている」
「殺人許可証とかもらったら真っ先に愚母を殺す」など過激な投稿をしていた。
警視庁の調べに、熊沢容疑者は「長男は家庭内で暴力を振るうこともあった」と供述している。
自宅からは「長男を殺すしかない」と記した書き置きが発見されている。
事件当日、自宅に隣接する小学校で運動会が行われていた。
熊沢容疑者は「息子が『小学校の音がうるさい』と言っていた」と供述しており、騒音が元での口論が事件の引き金になった可能性も指摘されている。
カウンセラーの味沢道明さんはこう指摘する。
「お父さんが立派な方で、尊敬しているが自分はそうなれないという葛藤があった。お母さんは彼からすれば立派ではない。勝手な想像だが、母親から『お父さんのようになりなさい』と言われたとしたら、コンプレックスを刺激することになる」
山口真由(米ニューヨーク州弁護士、元財務官僚)「家族が他人に対する優越感の源であり劣等感の源。引きこもりという言葉は英語にはない」
味沢さん「家族もしょせん他人と思えばやりやすいが、日本人は家族意識が強い。暴力をふるったときに傷害罪で逮捕してもらうといいが、問題が外に出てしまい、違った方向に新しい問題が出てくる」
石原良純(タレント)「こういう家庭は日本中にたくさんあるかもしれない」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「自分のすべてを引き換えにして家の中だけで完結させた。今は家庭の中にとどまっているが、もし家庭の外に出たらどうなるかと、川崎の事件が影響しなかっただろうか」
味沢道明「つらいですよね。お父さんも息子さんも。出口がなかったのか」』(Infoseek news)
https://news.infoseek.co.jp/article/20190603jcasttv20194359072/