「天皇・皇后両陛下・・・が参列した」とあるが、日本国籍の物書きならせめて「参列された」と敬語を用いるべきだろう。
それはさておき、この記事は、原発族の立場から書かれた内容であることを念頭に置いて読む必要がある。
彼らの共通点は、被災者の辛い経験を利用しつつ情緒に訴える言葉遣いで、放射能汚染の問題から国民の目先をそらそうとしているフシが見え隠れするところである。
この筆者は、下の記事にも出ているが、福島民友新聞-読売系-とはツーカーの中らしく、度々インタビューを受けているらしい。
河北新報や福島民報などの中立的立場あるいは地元民の目線で書かれるものとは異なるらしい。
いわゆる原発族仲間なのだろう。
この記事のうち怪しい部分から2つほど取り上げて突っ込みを入れておこう。
1.「復興自体は着々と進んでいる」?
たしかにガレキの処理は進んでいるらしい。
しかし、最大の問題は、人々の生活が放置されている現状である。
特に福島県の場合は、放射能汚染の問題が大きく響いている。
また、震災から4年たっても仮設住宅に住む人々は少なくなく、避難生活を余儀なくされている人々を含めると24万人に達するという事実が取り上げられていない。
都合の悪いことは隠すという体質は相も変わらずである。
この記事で、突っ走る安倍政権にとって不利な事実は一言も触れないというのが、本心だろう。
2.「福島市内の放射線量は、0.1~0.2μSv/hで・・・少ない」?
下の記事では、「福島県内各地の放射線量は、とっくに他の都道府県と同じレベルになっている。」として、放射能汚染問題は解決済みだと印象付けようとしている。
しかし、事実はこれとは大きく異なる。
第一原発は相変わらず、相当量の放射性物質を放出していることが知られている。
下の図-福島県が出している放射線量マップ-を見れば、この記事がごまかしであることは一目瞭然である。
記事の印象的な記述と公式なデータとは大きく異なる。
赤い点は毎時5.0μSv以上、緑の点は0.5~1.0μSv以上の放射線測定量を示している。

この画像は、2015年2~3月のデータをまとめたものとのことで、第一原発から20km離れた地区ではかなりの高線量であることを示している。
さらに範囲を広げたのが下の図である。
第一原発から50~60km離れた福島市でも、除染済み地点は高くても0.25μSv/hとなっているが、畑や山間部など未除染地区での線量は不明らしい。
この記事は、地元民の受けを狙った単なる原発族のパフォーマンスにすぎないように見える。
「なによりも真実を知ることが大切」と言いつつ、都合の悪い真実は後ろに隠す。
これも原発族の常套手段であることは知られている。
いまさら風評被害もないだろうが、特に幼子を抱える消費者の不安は根強い。
これを封じる具体策を提案するのが、物書きの仕事だろうが、この記事にはその気配もない。
なのでここで参考になるかは分からないが、一つの策を提示しておこう。
農作物にかぎったことではないが、隠しても始まらない。
ならば、逆にすべて福島県産を前面に出しつつ、放射線測定値を大きく表示して出荷すればよい。
他の県がやっていないだけに消費者の信頼と安心感を勝ち取ることができるだろう。
この記事にみる百田小説のような情緒一辺倒では生活の足しにはならない。
安倍政権による援助は微塵も期待できないのが現実である。
今日、明日の生活のための具体策が求められる。
『風評被害との闘いがつづく「震災4周年」
門田隆将 2015年03月11日 23:56
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天皇・皇后両陛下、安倍総理、犠牲者の遺族代表ら約1200人が参列した・・・
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復興自体は、着々と進んでいるのだ。
だが、福島には、今ひとつ元気がない。私は先週、福島を訪れたが、その際、福島民友新聞のインタビューを受けた。
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さらに毎週日曜日には、世界の主要都市の放射線量も掲載されている。たとえば3月1日(日)に掲載された福島市内の放射線量は0・1~0・2マイクロシーベルト(毎時)で、上海の0・59マイクロシーベルト(同)より圧倒的に少ない数値だ。
さすがに福島第一原発の「立地自治体」であり、「帰還困難区域」でもある大熊町、双葉町などの数値は高いが、福島県内各地の放射線量は、とっくに他の都道府県と同じレベルになっているのである。
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なにより大切なのは、「真実を知ること」である。福島には、風評被害と真っ正面から向きあってその“根源”を断ち、一刻も早い真の意味の復興を望みたい。
』 (blogos)
http://blogos.com/article/107640/