結論から言うと、このMSN編集部の記事は、正当な批判とは言えない。
頭脳が短絡的でないとすれば、おそらくは、裏がある。
前にも言ったが、武田教授の指摘のように震災ガレキと放射能汚染ガレキは区別して論じる必要がある。
震災ガレキは、国民が共有してもよい。
が、放射能汚染の可能性のあるガレキは、東電が引き取るべきスジのもの。
この記事は、この点を混同している。混同は、意識的かも知れない。
そもそも「絆」「がんばれ日本」など、恥ずかしくなるような仰々しい言葉を発したのは、一般庶民ではない。
マスコミと行政府の談合でできた言葉だったと記憶している。
これらの言葉は、一般常識人の感覚からすれば、あまりに気恥ずかしい言葉だろう。
霞が関官僚が好む言葉らしい。
加えて、東電系列の処理業者が、がれき処理を行うなど利権問題も指摘されている。
マスコミはこぞって、放射能汚染がれきの受け入れを拒む市民の意思を「エゴ」と批難している。
この批判は、あきらかに間違いである。
正しくは、正当な自己防衛行為である。
自分の身を守るための拒否を「エゴ」と呼ぶのは、正当防衛や緊急避難行為を認めない発想である。
前にも言ったが、ガレキ受け入れをいやがる人々を非難する前に、個人的に放射能ガレキを引き取るのが筋だろうね。
「絆」を口にしたマスコミは、率先して手本を示すべきだろう。
しかし、彼らが放射能ガレキ引き取ることは、天地がひっくりかえってもないだろう。
マスコミがこういう記事を書くと、東電は処理責任をごまかせる。
そういう意味では、マスコミと電力会社の「絆」は依然として強いことが推察できる。
油断はできない。
『受益と負担のはざまで――私たちは原発被害をどう共有すべきか MSNニュース
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3.11が未曾有の被害とともに浮き彫りにしたのは、連帯や絆を口にしながらも、自分たちさえよければ、というエゴイズムの蔓延だった。なぜ、いつから日本人の同胞意識はかくも希薄になったのか。
受益と負担の関係を、私たちは思考停止に陥らずにどう克服すべきか。いま日本人のメンタリティーが問われている。
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≪寄稿 東京都副知事 猪瀬直樹≫
震災ガレキの受け入れは当然のことです。東京都に何かあったら、誰が助けてくれるのでしょうか。お互いに助け合うのはあたりまえのことです。
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今回の事故を教訓に、できることをできるだけやる、という方針です。電力の地域独占体制の見直しも、東京都から積極的に提案していくつもりです。』(msn news)
http://extras.jp.msn.com/news2011/commentary/special311/article_inose.aspx