地震学者が、確率論をもちだして軽々しく断定的に言うとは、信じがたい。
もっとも原発推進派の学者は、1万年に1度の割合とか言って確率論を濫用したことがある。
そこで、念のためにネタ元の東京大学地震研究所のHPを見てみた。
やはり、予想は当たっていた。
「M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震研」としたマスコミの報道は、あきらかに誤解だろう。
東大地震研究所のHPには、「2011年東北地方太平洋沖地震による首都圏の地震活動の変化について」
と題して、2012年1月23日読売新聞朝刊の報道についてコメントしている。
要約すると
1.「東大地研平田教授らは、マグニチュードが1上がるごとに地震の発生頻度が1/10になることから、今後起こりうるM7の発生確率を計算した」という趣旨の記事は、誤り。
2.東北地震の誘発地震活動と首都直下地震との関連性は不明。政府の評価との単純比較はムリ。
3.試算結果の数値は大きな誤差がありうるが、記事は、このことに触れていない。
このコメントを大雑把に言うと、この読売新聞などのマスコミ報道は、確率論を理解していない不適切なものということだろう。
東大地研の結論を簡単に言うと。
1.日本列島では、M7級の地震はいつ起きても不思議ではないので、常日頃から準備をしておくこと。
2.確率論的には、M7級の地震は4年で70%となるが、あくまで机上計算の数値。これが現実に当てはめられるかというと、当てにはならない。
ということらしい。
つまり、メディアの早とちりということ。
ただ、日本ではM7の地震は、予測は難しいが、いつ起きても不思議ではないと警告している。
なので平素から地震の備えを心がけてほしいという。
これらの東大地研の意見は、実に適切な忠告といえそうな気がする。
地震の備えについて、東大地研のHPに出ているので、見ておくのがいいかもしれない。
東大地研-地震火山情報
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/shutoseis/
◆読売新聞の地震報道をあげておいた。念のため。
『M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震研
マグニチュード(M)7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生するという試算を、東京大学地震研究所の研究チームがまとめた。
東日本大震災によって首都圏で地震活動が活発になっている状況を踏まえて算出した。首都直下を含む南関東の地震の発生確率を「30年以内に70%程度」としている政府の地震調査研究推進本部の評価に比べ、切迫性の高い予測だ。
昨年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏では地震活動が活発化。気象庁の観測によると12月までにM3~6の地震が平均で1日当たり1・48回発生しており、震災前の約5倍に上っている。
同研究所の平田直(なおし)教授らは、この地震活動に着目。マグニチュードが1上がるごとに、地震の発生頻度が10分の1になるという地震学の経験則を活用し、今後起こりうるM7の発生確率を計算した。
(2012年1月23日03時04分 読売新聞)』
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120122-OYT1T00800.htm