10cc - Life Is A Minestrone ( 『邦題『人生は野菜スープ』)

 

 

 

 

 

 

疲れた時は癒し系のギター曲やピアノ曲もいいけど、こういうナンセンスで楽しい曲も良いです。この曲の歌詞は、適当に書いたようでいて実は深い意味があったり、なかったり、、

 

 

『人生はパルメザン・チーズのかかった野菜スープのようなもの

死は冷蔵庫で凍っているラザニアのようなもの』

 

 

「人生は色々な食材をごちゃ混ぜにしたようなものだから面白い」という意味でいいのだろうか?

 

何か深い意味があるのでしょうか? イエスのジョン・アンダーソンの歌詞よりは、ストレートに良い事を歌っている気はします。山とか、川とか、谷とか、空や太陽は素晴らしい!を連呼しているアンダーソンの歌詞は、実はたまに物凄く良い歌詞を書いたりするから侮れません。ジョン・アンダーソンの歌も歌詞も本当に大好きなので、こんな事を言ってしまうのですが。

 

 

昨年大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディー」で、オペラ的なロックが脚光を浴びた事もあって、クイーン「ボヘミアン・ラプソディー」レコーディングの5か月前に発売された、10cc『オリジナル・サウンドトラック』(1975311日発売)の「パリの一夜」( Une Nuit a Paris')が少し注目されました。クイーンもこの曲を参考にした所もあるんでしょう。確かによく出来た良い曲です。クイーンより職人肌で地味な作品だけど。

 

UNE NUIT A PARIS (One Night In Paris) 1975 by 10cc

 

 

この曲を含むアルバム『オリジナル・サウンドトラック』は、全英4位、全米15位のヒットを記録。シングル・カットされた「アイム・ノット・イン・ラヴ」は全英で2週連続の1位、全米でも2位を記録します。しかし、半年後にリリースされたクイーンの「ボヘミアン・ラプソディー」は全英9週連続1位の空前の大ヒット。以後、クイーンは世界的なロック・バンドになって行きます。当時の10ccのメンバーは「パクられた」と思ったのでしょうかね。

 

映画「ボヘミアン・ラプソディー」に感動した!という知人に10cc「オリジナル・サウンドトラック」を貸したら、あんまり面白くなかったという感想が返ってきました。だからという訳でもないけれど、クイーンと10ccって似てるようで、決定的に似ていない気もします。

 

ギター・アタッチメントのギズモを作ってしまうあたりは、ブライアン・メイと共通点はあります。でも、やっぱり何かが違う。

 

10cc - Godley And Creme - Consequences News Item

 

 

 

10ccをずっと何曲も聴いていると、私の場合はなぜか70年代のジェントル・ジャイアントとスーパー・トランプを連想するんです。曲によってはジェントル・ジャイアントの2ndや3rdの雰囲気や、後の各アルバムに数曲はあるアンニュイな曲とか。スーパー・トランプのウィットのあるポップ感覚あたりと似ていると感じます。自分でも何故なのかはよく分かりませんが。イエスやクイーンよりは、そっちにずっと近いと思っておりました。ヴォーカルの声質が地味なんだけど、ヴァリエーショーンが豊富で、楽曲にかなり遊び心があって。攻める曲はかなり攻めるんだけど、あからさまな売れ線からは外していて。そしてシリアスな職人的なこだわりが強くて。

 

両者の中間のどこかに10ccが位置している気がしてしまいます。ジェントル・ジァイアントとスーパー・トランプと10ccを混ぜ合わせたら、どんな味の野菜スープになるんでしょうかね・笑。なんとなく食い合わせが悪そうです。どこで栽培されたか分からない変な野菜やスパイスが色々と入っていそうで。

 

 

オリジナル・メンバーで制作された最後のアルバムの、この曲が10ccでは一番好きです。

 

I'm Mandy Fly Me

 

 

「アイム・マンディ」 (I'M MANDY FLY ME)

アルバム『びっくり電話』(How Dare You!1976

 

ジェントル・ジャイアントとスーパー・トランプと10ccが、美味しいミネストローネのように上手く混ぜ合わさった感じがする曲だと、なぜか長年のあいだ勝手にそう思っています。上手く書けないけれど。